高齢者は足マッサージのやり方を覚えてフットケアを!正しい方法と得られる効果とは?
2024.12.20
高齢者にとって、足の健康を保つのは、生活の質を維持・向上させるために重要です。足の機能が低下すると、歩行が難しくなり、外出が億劫になります。外出をしないと、体力が低下したり、コミュニケーション能力が低下したりする悪循環に陥るのです。
この記事では、高齢者が大切にしたい足について、マッサージの必要性や効果をご紹介します。高齢者が日常生活でできる足マッサージのやり方を知っておくと、日頃から病気・怪我の対策ができるようになるでしょう。
足マッサージと一緒に使うと効果がでやすいアイテムや、足に手が届かない場合の対策も解説します。
目次
なぜ高齢者は足マッサージのやり方を覚えるべきなの?加齢による変化
なぜ高齢者は足マッサージのやり方を覚えるべきなのかというと、加齢で足の状態が悪化すると、全身のトラブルにつながるためです。運動と同様に、マッサージなど日々行うものはモチベーションが必要なので、まずは基礎知識をご紹介します。
加齢によって引き起こされる足のトラブルとは?
高齢者は、皮膚の保湿機能や免疫機能が低下します。そのため、皮膚がヒビ割れ、イボや湿疹などのトラブルが起こるのです。血管の衰えもあり、足の冷えや傷が治りにくくなります。また、筋力や神経機能の低下により、思ったように足が動かないと感じる人も多いでしょう。
フットケアをしないとどんなデメリットがあるのか
足の裏に傷や皮膚の病気があると、体重をかけるのが難しくなります。その状態で歩行をすると、傷のない足に体重をかけすぎてしまったり、体が傾いたりして、反対の足や腰に負担をかけてしまうのです。
筋力低下や感覚の鈍麻があると、咄嗟の時にバランス反応が出にくく転倒する原因となります。フットケアをしないと、怪我や病気を引き起こすかもしれません。
足マッサージは高齢者にとって難しい?
高齢者が足マッサージのやり方を習得するのは、難しいのではないかと感じる方もいらっしゃるでしょう。特別な手技はなく、ご自分でもできる方法があるので、安心してください。
体の柔軟性が低下している方は、足に手が届かないなど、できない動作もあるかもしれません。できるマッサージやケアから始めてみましょう。
快適に過ごすために!高齢者が足マッサージのやり方を実践するべき効果を解説
高齢者にとって、今の生活を維持するのはとても大切です。今の快適な生活を維持するためにも、高齢者自身が足マッサージのやり方を習得・実践する必要があります。具体的な効果を知って、前向きに取り組めるようにしましょう。
健康面のメリット:爪や足のトラブルが減り運動がしやすい
足マッサージは、足の筋肉・皮膚に温かさや圧力をかけます。血管が拡張されるので、血液の循環を良くするのです。足の血行が促されると、皮膚の生まれ変わりが活発になったり、傷が治りやすくなります。
また、足マッサージをするときに、足に意識が向くため、伸びたままになった爪や皮膚が硬くなった部分のケアを行うきっかけにもなるでしょう。
足マッサージをすると、爪や皮膚のトラブルが減り、運動がしやすくなるのです。
精神面のメリット:日常生活でストレスを感じない
足トラブルを抱えたまま歩行をすると、痛みや歩きにくさでストレスを感じるでしょう。また、できない動作が増えていく不安や焦りにもつながります。
マッサージで足のトラブルを軽減させると、立ち上がりや歩行などの動作がしやすくなるため、日々のストレスから解放されます。
リスク軽減のメリット:考えられる怪我やトラブルを避ける
歩行が不安定だと、転倒の原因となります。高齢者が転倒すると、骨折が起こる割合は5%です。特に、太ももの骨(大腿骨)の骨折は、手術が必要であり、重い後遺症を引き起こします。
怪我が原因で入院をしたり、一定期間寝たきりになると、身体機能の低下につながるのです。筋力が低下するだけではなく、行動範囲が狭まるのが原因で認知症を引き起こすかもしれません。
足の健康を保って、今後起こるかもしれない怪我・トラブルを避けましょう。
高齢者向け足マッサージのやり方!日常生活ですぐにできる?
新しいことを取り入れるのが億劫に感じる方も多いです。ここでは、高齢者が日常生活ですぐにできる足マッサージのやり方をご紹介します。足マッサージと一緒に使うと、フットケアができるグッズも取り入れてみましょう。
足マッサージ①入浴時にしっかり洗う
日常生活で簡単にできる足マッサージは、入浴時にしっかり洗うことです。ふくらはぎは、脚全体の血行に関わる部分なので、ボディソープをつけて上下にこするようにして洗いましょう。
足の指の間や裏もしっかり洗うと、皮膚トラブルを解消できます。足に手が届かない方は、無理に行うと浴室で転倒するかもしれません。フットブラシを使うと、安定した姿勢で足マッサージに取り組めます。
足マッサージ②血行を促進するマッサージ
足の裏の感覚機能を向上させたり、血行を促進するためのマッサージ方法をご紹介します。ここではわかりやすいように、右足をマッサージする方法を解説しますが、左足も同様に行いましょう。
- 座った状態で、右足を体に引き寄せ、左手で足をつかむ
- 足首を外側・内側にひねるように動かす(動かせる範囲で優しく行う)
- 足裏を撫でるようにくるくるとつま先から踵へマッサージする
- 足の甲も同じように、くるくるとマッサージする
- 足の指の側面を上下にしごくようにする
- 爪の周囲も縦・横にマッサージする
足マッサージは、入浴後など体が温まっている時に行うと、効果が出やすいです。皮膚の摩擦が気になる場合は、保湿クリームやベビーオイルなどを手に馴染ませてから行いましょう。
足マッサージ③運動も足マッサージになる
マッサージというと、上記のような手で足をこするイメージの方が多いかもしれません。しかし、軽い運動でも血行を促進したり、筋肉をほぐしたりできます。体が硬くて足に手が届かない方や麻痺があって手が自由に使えない方は、次のように足だけを動かす運動もオススメです。
- 足首を上下に動かす
- 足首を回す
- 足の指を握ったり開いたりする
- 壁に手をついてつま先立ちをする
まとめ|高齢者は足マッサージのやり方
高齢の家族がいる方には、正しい足のマッサージ方法をぜひ身につけてほしいと思います。足のお手入れをしないままでいると、歩くときに体が傾いてしまったり、足や腰に余分な負担がかかったりすることがあります。その結果、痛みやケガ、さらには歩くバランスの悪化など、さまざまな問題が起こりやすくなります。
また、健康面から考えても、爪や足まわりの皮ふのトラブルを早めにケアしておくことはとても大切です。爪切りや足の清潔を保つなど、基本的なフットケアを続けることで、痛みや不快感を減らし、毎日の生活を快適に過ごせるようになります。
まずは、家でできる簡単な運動やマッサージから始めてみましょう。それでも不安な場合は、専門の医師や専門家に足の状態をチェックしてもらうと安心です。今から体のケアに取り組むことで、高齢者も元気に、自分らしく動き回ることができる、健康的で気持ちのよい生活を目指すことができます。