脊柱起立筋に生じるトラブルと3つの解決法!高齢者こそ体幹トレーニングを
2024.11.27
背中や腰、おしりまわりなど日常生活でトラブルを抱えていませんか?腰痛持ちでもない方、運動をたくさんしているわけでもない方が、年々背中やおしり周りにかけてトラブルを抱えるケースがあります。その時に気にしたいのは脊柱起立筋です。
「脊柱起立筋」とだけ聞くとあまり聞かない名称から「難しそう…」と思うかもしれません。
ですが、脊柱起立筋は日常生活の動作で必要な筋肉の総称を指しています。今回は、そんなケアが欠かせない脊柱起立筋について学びつつ、高齢になるとともに抱える悩み、対処法を解説していきます。
目次
脊柱起立筋とは?周辺のトラブルは筋肉の衰えから?
まずは脊柱起立筋について理解し、周辺のトラブルの原因を理解しましょう。自分や周囲の方で同じような痛み、悩みを抱えている時は原因を抑えて対処することが求められます。
脊柱起立筋は常に活躍している
脊柱起立筋は、背骨に沿って縦に走る大きな筋肉群。上半身の姿勢を維持する時や脊柱を安定させる役割があります。
脊柱起立筋は主に次の3つの筋肉に分かれています。
- 腸肋筋(ちょうろくきん)
- 最長筋(さいちょうきん)
- 棘筋(きょくきん)
脊柱起立筋は、背骨を真っ直ぐ支え、背筋を伸ばしたり、立っていても体をまっすぐに保てたり…。いわば体を支ている大きな役割を持つ筋肉です。もちろん、脊柱の伸展(反らせる動き)や側屈(左右に立つ)などの動きにも大きな役割を果たします。
よくある脊柱起立筋に生じるトラブル
脊柱起立筋は体を支える上では欠かせないですが、それゆえにトラブルも生じる部位です。
- 背中のはり
- 腰痛
- 長時間同じ姿勢でいるのが辛い
- 姿勢が悪くなる、猫背
- 慢性的な痛みやだるさ
- 背中や腰が硬くなる
上記はあくまで一例ですが、「なんとなく」重たさを感じたり、痛みを感じたりするケースも多いようです。
筋肉の衰えがトラブルを引き起こすのか
脊柱起立筋におけるトラブルは筋肉の衰えや緊張、使いすぎによるもの、柔軟性の低下が招くものとされています。
つまり筋肉の自体の筋力・柔軟性によるトラブルがほとんどであることが窺い知れます。
特に高齢者やリハビリ中の方は、意識して鍛えなければ体のバランスが崩れ、姿勢の悪化だけでなく歩行など、日常生活の動作に支障をきたすケースが考えられるでしょう。
脊柱起立筋のトラブルは高齢者こそ気をつけるべき!3つの解決法
脊柱起立筋が何を支ているのか理解したら、トラブルを解決する手段を理解しましょう。意外と、日常生活のちょっとした動作を支ているので十分なケアが必要です。
日常動作をスムーズにするためにも注意を払おう
歩行や持ち運び、ちょっとした運動など、どれをとっても脊柱起立筋は外せない部分です。
特に年齢を重ねることによって「転倒」による怪我のリスクは高まります。もちろん、転倒に対しての要因はさまざまありますが、防げるものは防ぐべきでしょう。
家庭内であったとしても転倒して何かに頭をぶつけたり、他の外傷を負うケースもあります。万が一、転倒してしまったら病院での検査、理学療法士や作業療法士との歩行バランス改善のためのトレーニングを余儀なくされます。
すでに脊柱起立筋による痛みや違和感を抱え、かつ筋力に自信が無くなってきたら日常動作をスムーズにするためのトレーニングやケアを始めましょう。
脊柱起立筋のケア|トラブルにどう対処する?
専門医に行って対処することがもちろん重要ですが(前提)、脊柱起立筋に違和感があったり張りがあった場合、自宅でもケアをすることが可能です。
まず、マッサージや温熱療法などはすぐに取り掛かれるでしょう。姿勢が悪くなり凝り固まっている筋肉をほぐしてあげたり、緊張を緩和する作業は必要です。
また、ストレッチや姿勢の改善も必須で行いましょう。
- 腸腰筋のストレッチ
- 太もも周りのストレッチ
腰痛=腰のストレッチではなく、繋がっている部分からケアし、伸ばしてあげることが重要です。特に、前ももが凝り固まっている場合、骨盤や背骨の動きを狭めてしまいます。手軽にできるケア方法として覚えておきましょう。
【実践編】高齢者こそ正しいやり方で体幹トレーニングを!
最終的に、痛みが強い場合は病院や専門家に診てもらうのが一番大事です。自分で無理なストレッチやトレーニングを行い悪化させることの方がNG!ですが、予防としてのトレーニングは高齢者こそ重要でしょう。
ヒップリフト
ヒップリフトはその名前の通りおしりを持ち上げる運動です。
- 仰向けの状態になります。
- 両膝を立てて、お腹を凹ませていきます。
→この時息をゆっくり吹きながら
- そのまま5秒から6秒かけてゆっくりおしりを持ち上げてください。
- また、ゆっくり同じ時間をかけておしりを落としていきます。
簡単そうに見えますが、脊柱起立筋に関わるおしり、お腹、などの筋肉を強化することが可能です。
座位でできる体捻り運動
高齢者の方の中には立って行う運動に対してハードルを感じる方も少なくないでしょう。
そこで、座った状態で体捻り運動を行います。このトレーニングでは背中だけでなくお腹も使います。
- 座った時の姿勢は背筋を上に引っ張るように、伸ばした状態になりましょう。そこから両手を上にあげて頭の後ろで組みます。
- 左膝に向けて組んだ手の右肘を斜めに倒していきます。そして戻します。
- 今度は右膝に向けて左肘を斜めに倒します。戻します。
- 左右繰り返し、10回〜15回ずつ行いましょう。
ドローイング
ドローインは、天然のコルセットと呼ばれ背骨の安定性を高める役割のある腹横筋などを働かせるためのトレーニングです。背骨の安定性が高まることにより、脊柱起立筋へのストレスを軽減することができます。
ドローインの方法は、
- ①仰向けで横になり膝を立てる
②自分の両手を腰とベッドの間に入れる(写真参照)
③腹式呼吸をしながら息を吐く際に両手に圧をかけるようにお腹を凹ませる - ④3の状態で3秒間キープする
⑤3と4を10回繰り返す
専門的に正しく行うのであれば…
高齢者やリハビリを行なっている方は訪問リハビリやオンラインリハビリも視野に入れてみましょう。目的を持って取り組める手段の1つです。
また、慢性的な痛みに悩まされている場合は適切な診断が必要ですのでかかりつけ医、専門医を頼りましょう。
まとめ|脊柱起立筋のトラブルに対する対処法
今回は、背中の中心にある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)とは何か、そこで起こる問題やその対処法について、詳しく説明しました。
脊柱起立筋は、背骨(せぼね)に沿って走る3つの筋肉の集まりで、体をまっすぐに保つためにとても重要な役割を持っています。日常生活で立ったり座ったり、物を持ち上げたりする動きは、すべてこの筋肉が支えています。そのため、脊柱起立筋が弱くなったり、傷ついたりすると、姿勢が悪くなったり、腰痛(ようつう)が起きたりすることがあります。
これらの問題を防ぐためには、ストレッチなどで筋肉の緊張をほぐすことも大切ですが、普段から体幹を鍛えるトレーニングを行うことをおすすめします。例えば、プランクや背筋運動などの簡単な運動を続けることで、脊柱起立筋を強く健康に保つことができます。
健康な脊柱起立筋を維持することで、良い姿勢を保ち、スポーツや勉強にも集中しやすくなります。みなさんも日頃から背中の筋肉を意識して、元気に過ごしましょう。