NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 皮膚筋炎・多発性筋炎は完治する?リハビリを自己判断で行う危険性とは?

皮膚筋炎・多発性筋炎は完治する?リハビリを自己判断で行う危険性とは?

皮膚筋炎・多発性筋炎は完治する?リハビリを自己判断で行う危険性とは?

多発性筋炎(たはつせいきんえん)は、筋肉に炎症が起こり、筋力が低下したり疲れやすくなる病気です。さらに、顔や指などに皮膚の症状が出る場合は、皮膚筋炎(ひふきんえん)と呼ばれます。

現在、皮膚筋炎や多発性筋炎を完全に治す治療法はありませんが、薬物療法とリハビリを行うことで、日常生活に復帰できる人も多くいます。

リハビリはこれらの病気に対して有効な手段ですが、炎症によって筋肉が壊れやすくなっているため、正しい方法で行うことが重要です。

皮膚筋炎・多発性筋炎を正しく理解し、適切な薬物療法とリハビリを行うことが大切です。

皮膚筋炎・多発性筋炎って?薬物療法とリハビリが主な治療

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皮膚筋炎・多発性筋炎は国が指定する「指定難病」の1つです。自己免疫の異常な働きによって筋肉が炎症を起こしてしまう病気ですが、なぜそのようなことが起きるのかは原因が明らかではありません。

皮膚筋炎と多発性筋炎とは

多発性筋炎は筋肉が炎症を起こしてしまい、思い通りに体を動かせなくなる病気です。進行すると少しの運動でも疲れやすくなり、痛みを伴うこともあります。

筋症状だけでなく、皮膚にも症状がでるものを皮膚筋炎と言います。まぶたが腫れぼったくなったり、手指の関節が盛り上がった紅斑や肘、膝の関節がガザガザする紅斑などが特徴的な症状です。

自己免疫疾患が原因の病気で、全身の病気であるため膠原病の1つとされています。

自己免疫疾患とは

身体の中には、細菌やウイルスから身を守るために「免疫」という仕組みがあります。この免疫が自らの臓器を攻撃してしまうため起こる病気が自己免疫疾患です。

皮膚筋炎・多発性筋炎は、免疫が筋や皮膚に対して攻撃している状態です。なぜこのようなことが起こるのか原因ははっきりとは分かっていません。

皮膚筋炎や多発性筋炎はいわゆる遺伝病ではありませんが、自己免疫異常の起こしやすさという体質は遺伝すると考えられています。

主な治療は薬物療法

皮膚筋炎・多発性筋炎の治療は薬物療法が中心で主にステロイド(副腎皮質ホルモン剤)が用いられます。最初は多めに投与し、治療効果が出てきたら徐々に減らしていきます。

症状毎に治療方法が異なるので、主治医の指示に従い規則正しい薬物治療を続けることが大事です。

筋肉や皮膚に症状が強くでている場合は、薬を服用しながら安静に過ごし、症状が治まってきたら筋力を回復させるためにリハビリを行います。

皮膚筋炎と多発性筋炎の主な症状とリハビリの必要性

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皮膚筋炎と多発性筋炎の症状は日常生活の様々な動作に影響します。腕や足、首の他にも喉に症状があらわれることも。

筋力が徐々に低下する病気なので、筋力を回復させるためにもリハビリは重要です。

筋症状の特徴

皮膚筋炎・多発性筋炎は頸部、上腕、大腿など体幹に近い筋肉が低下しやすい傾向にあります。また喉の筋肉にも症状が現れるので飲食や会話にも支障がでます。具体的な筋症状は以下の通りです。

  • 腕をあげづらい
  • 階段を昇るのが大変
  • 座った姿勢から立ち上がりにくい
  • ペットボトルのふたが開けられない
  • 会話がしにくい
  • 食べ物を飲み込みにくい
  • むせやすい

皮膚症状と全身症状

皮膚筋炎の場合は特徴的な皮膚症状もあらわれます。皮疹はかゆみを伴うことが多く、はじめはかゆみだけの場合もあります。

具体的な皮膚症状

  • まぶたにあらわれるむくみを伴った紅い皮疹(ヘリオトロープ疹)
  • 手の指、肘、膝の関節の外側にかさかさした紅い皮疹(ゴットロン徴候)
  • 肩から背中の上部にあらわれる紅い皮疹(ショール徴候)
  • ほうれい線の紅い皮疹

また、筋症状や皮膚症状以外にも全身症状として、全身倦怠感、発熱、食欲不振、体重減少があります。

薬物治療だけでなくリハビリも必要

皮膚筋炎も多発性筋炎も薬物治療が中心にはなりますが、筋力低下の進行を遅らせるためにもリハビリによる筋力強化が必要です。

また日常生活の活動の低下により体力も徐々に落ちていく傾向があるので、持久力トレーニングも合わせて行う必要があります。しかし、過度なリハビリによる負荷は症状を悪化させる可能性があるので、疲れを残さない程度に行いましょう。

皮膚筋炎と多発性筋炎のリハビリは専門家の指示を

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皮膚筋炎と多発性筋炎の治療にはリハビリも重要ですが、やり方を間違えるとかえって症状を悪化させる危険があります。

リハビリを行う際は専門家の指示に従って正しく行うことが症状改善の近道です。

リハビリの自己流は逆効果

筋力の回復にはリハビリや理学療法が有効です。しかし筋力低下の症状が大きい場合はかえって筋肉を痛める可能性があります。薬の効果により痛みがなくなるまでは安静にしておく必要があります。

筋炎の状態を示す値である血中CK値が正常近くまで落ち着いてきてから、疲れない程度の軽い運動からリハビリをはじめるのが一般的です。

症状にあった専門医による適切なプログラムでリハビリを行うようにしましょう。

国のサポートも利用しよう

皮膚筋炎・多発性筋炎は指定難病の1つなので、医療費助成制度が利用できます。また、支援団体、情報提供サイトなど、さまざまな面から患者さんや家族をサポートする体制があります。

各都道府県には「難病相談支援センター」が設けられているので利用してみるのもいいでしょう。本人や家族だけで問題を抱えこまず、国や周囲のサポートも受けることをおすすめします。

参考:難病情報センター

まとめ・皮膚筋炎のリハビリ

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皮膚筋炎(ひふきんえん)や多発性筋炎(たはつせいきんえん)は、完全に治すのが難しい病気です。でも、適切な薬の治療を受けることで、ふだんの生活に戻れるかもしれません。

まずは、たっぷり休むことがとても大切です。疲れたなと感じたら、無理をせずに休みましょう。休むことで、体が元気を取り戻します。

それから、リハビリテーションも大事です。だけど、無理のない程度で行うことが必要です。リハビリを続けると、少しずつ症状がよくなることがあります。

あせらずに、お医者さんやリハビリの先生などの専門家と相談しながら進めていきましょう。

この病気を正しく理解することが大切です。症状をコントロールしながら、上手に付き合っていく方法を見つけましょう。

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