NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 腱板断裂でやってはいけないこととは?原因や症状・リハビリ内容も解説

腱板断裂でやってはいけないこととは?原因や症状・リハビリ内容も解説

腱板断裂でやってはいけないこととは?原因や症状・リハビリ内容も解説

腱板断裂は誰にでも起こりうる肩の組織損傷です。痛みがあっても動けるからと放置していると、腱板断裂の場合は痛みが長引き、治療期間も長くなってしまいます。

まず最初に大切なのは、痛みの原因が腱板断裂なのかを見極め、腱板断裂発症時に控えるべきことを正しく理解することです。

今回は、腱板断裂とはどのような状態なのか、再発や悪化を防ぐためのポイント、腱板断裂の治療法について詳しく解説します。痛みを引き起こす原因と適切な対処法を知り、早期回復につなげましょう。

【腱板断裂】やってはいけないことを知る前に原因と症状を解説

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腱板断裂と診断された場合、正しく治療を進めるために、まずは患部がどういった状態なのかを知る必要があります。「腱板」ってそもそもどういうものか、また腱板断裂で起きる症状や原因をまとめ、腱板断裂の病態について解説します。

腱板断裂とは

腱板断裂とは、腱板という組織が断裂を起こして骨から剥がれてしまっている状態のことを指します。

腱板は、肩関節とそれを支える筋肉との繋ぎ目の部分のことです。肩関節の場合、腱(筋肉が骨とくっついている部分)が板のような形状をしていることから腱板と言われます。

肩周りの筋肉は4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)で構成されていて、腱板はこれらの筋肉群が集合して筋状になった部分が集まることで薄い層となり、腱板を構成しています。腱板断裂は、この腱板全体が断裂を起こしている「完全断裂」と、一部が断裂を起こしている「部分断裂」とに分かれます。完全断裂の方が損傷具合が大きいため、手術による治療の適用となる場合があります。

一方で部分断裂では、4つの腱板のうちどの部分がどの程度の断裂を起こしているかを見極めることが治療にあたってとても重要になります。肩周りの4つの筋肉はそれぞれ少しずつ異なり、どの筋肉が強く影響を受けているかによって肩の可動域が異なってきます。

腱板断裂が起こる原因

腱板断裂が起こる直接的なきっかけは、外傷によるものと、日常の何気ない生活動作によるものとが半分ずつです。

明らかな事故で外傷を負った場合は原因として特定されやすく、スムーズな受診に繋がるのに対し、日常生活の中で生じた腱板断裂は痛みを感じても「使いすぎかな」と楽観的に捉えられ放置されてしまうことがあります。

体内のコラーゲンの質が低下したり、軟骨が減少すると腱がきれやすくなるため、60代以上の方や、スポーツや仕事などで普段から肩を酷使する人も肩の痛みを感じたらす放置せずに受診するようにしましょう。

五十肩とは何が違う?

肩周りの痛みや不調を表す言葉として五十肩があります。五十肩は正式には肩関節周囲炎と言い、肩の痛みや肩の可動域が狭くなるのが症状です。腱板断裂でも痛みは生じますが、五十肩肩とは違い、肩の可動域が極端に小さくなることはありません。

腱板断裂は腱板が断裂を起こすことによって痛みが現れるのに対し、五十肩の場合は筋肉のこわばりや組織の老化などの影響で肩関節がきしんでいるような状態になり、炎症が生じたり肩周りの可動域が狭くなるのが特徴です。

参考:日本整形外科学会「「五十肩(肩関節周囲炎)」

腱板断裂になったら…やるべきこととやってはいけないこと

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腱板断裂になってしまったら、専門家の指導のもと正しく治療を受けることが必要です。腱板断裂にはどのような治療が適用されるか、また日常生活で治療をスムーズに進めるために気を付けるべきことを解説します。

腱板断裂の主な治療

腱板断裂の治療法は保存療法と手術療法に分かれます。

一度腱板が断裂してしまうと、その部分は自然と元に戻ることはありませんから、修復が必要な場合は外科手術が必要です。

しかし、断裂したままの状態であっても炎症や痛みが落ち着くと元の日常生活が送れるようになるため、初期段階での治療や慢性的な症状の場合には保存療法を行い軽快を目指します。

外傷ダメージなどによって急性に悪化した場合や、保存療法を行っても症状があまり改善しない場合では日常生活への支障が大きいため、手術療法により、腱板の修復を試みる場合もあるでしょう。

保存療法では、薬剤による痛みの緩和や、リハビリを行い肩関節の機能を維持することが中心です。一方で、手術療法では直接断裂した腱を縫い付けます。断裂の程度や、断裂が生じてから時間がどの程度経っているかにより手術方法が異なるでしょう。

参考:日本整形外科学会「肩腱板断裂」

腱板断裂後にやってはいけないこと

腱板断裂を起こした場合、肩に負担のかかる動作は控える必要があります。肩を高く上げたり、過度な負担のかかるストレッチは禁忌です。

腱板断裂が起きた場合、まず炎症を落ち着けるために安静にしなければなりません。徐々に炎症が落ち着いてくるのを待ってから医師の指導のもと適切なリハビリを行うことで肩周りの機能回復を目指しましょう。

自己判断でのトレーニングは治療の効果を妨げるだけではなく、悪化させる危険もあります。出来るだけ早く治療を終えたいからといって無理をするのは禁物です。

手術後はできるだけ安静に

手術で処置を行っても、断裂を起こした部分はすぐには修復できません。修復には患部を固定し、処置を行った部分が完全にくっつくのを待つ必要がありますから、手術後もしばらくの間は患部を安静にして過ごしましょう。

手術方法や断裂の程度の大きさによりこの期間は異なりますが、通常約3〜6週間程度は患部を固定して過ごすことが多いようです。

腱板断裂のリハビリでやってはいけないことは?内容や注意点も

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腱板断裂後にやってはいけないことを理解しておくことは、回復までの道のりを優しくしてくれます。手術後、腱板断裂のリハビリのやってはいけないことや心構えを理解しておきましょう。

保存療法で行うリハビリ

腱板断裂による痛みが消失してきた頃、医師や理学療法士の指導のもとリハビリを開始します。ストレッチを行い肩まわりの可動域を徐々に広げていきますが、腱板断裂後に肩がどの程度の機能を維持しているのか、または痛みの有無などにより負荷を詳細にコントロールしなければなりません。

手術後のリハビリは慎重に

手術後のリハビリはより慎重に行う必要があります。腱板の損傷に加え、手術を行なったことでより安静が必要な状態ですから、肩周りだけでなくまずは手指、手首、肘というふうに段階を踏みスモールステップで運動を開始します。

地道に進めていくリハビリを焦ったく感じる方や、日常生活や自分が取り組みたいことに対する焦りや不安も生じることでしょう。ですが、医師や専門家の意見を聞きながら時間をかけて進めましょう。

中長期的なリハビリにおいては家族や周りのサポートなしには回復できません。周囲にもサポートを求めながら継続的に行いましょう。

まとめ|腱板断裂でやってはいけないこと

腱板断裂では自己判断により過度な負担をかけないようにすることが必要です。自己判断で痛みを放置したり、ストレッチなどを行ってはいけません。

正しく治療を行うと、手術せずに日常生活が送れるようになる場合も多いですから、病院を受診し、専門家の指示にしたがって治療を進めましょう。

また一度症状が落ち着いた場合でも、過度な負担をかけてしまうと再び腱板断裂が起きてしまうかもしれません。加齢や肩の使いすぎなど腱板断裂のリスクに心当たりがある方は、気を付けましょう。

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