NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳梗塞が再発しなかった人の割合は?再発防止のためにできること

脳梗塞が再発しなかった人の割合は?再発防止のためにできること

脳梗塞が再発しなかった人の割合は?再発防止のためにできること

脳梗塞は脳の血管が詰まることで、脳細胞に血液が届かなくなり壊死することで発症します。一度発症すると再発のリスクが高いと言われている疾患です。

また、脳梗塞を再発してしまうと重症化する恐れもありますので再発予防をしっかりと行う必要があります。実際、脳梗塞を再発しなかった人はどのくらいいるのか。

今回は脳梗塞を再発しなかった人の割合や、なぜ再発率が高いのかを解説します。また、脳梗塞を再発しなかった人が行っている予防法や再発しないための注意点などもお伝えします。

脳梗塞を再発しなかった人はどのくらい?再発率が高い理由は?

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脳梗塞は一度発症すると再発率が高いと言われています。脳梗塞を再発しなかった人はどのくらいいるのか、また再発率がなぜ高いのか、脳梗塞の疾患の特徴をみていきましょう。

脳梗塞の再発率

脳梗塞の再発率は発症後1年で12.8%、5年で35.3%、10年で49.7%という報告がありま

す。つまり10年間で約半数の人が脳梗塞を再発していることになります。

脳梗塞は原因によってラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳感染症の3つに分けられます。それぞれの再発率を詳しく見ていきましょう。

脳梗塞の再発率1年10年
ラクナ梗塞 (動脈硬化などで細い血管が詰まる)7.2%46.8%
アテローム血栓性脳梗塞 (太い血管に血栓が詰まる)14.8%46.9%
心原性脳塞栓症 (心臓などでできた血栓が脳に運ばれてきて詰まる)19.6%75.2%

脳梗塞の中でも、心原性脳塞栓症は突然発症して重症化しやすく、後遺症も残りやすいため、再発率も最も高い結果となっています。


参考:NIH(アメリカ国立衛生研究所)

脳梗塞の再発率が高い理由

脳梗塞の再発率が高い理由として、すでに危険因子をもっていることが挙げられます。脳梗塞は高血圧や不整脈、糖尿病や喫煙習慣などが大きく関係しています。このような脳梗塞を引き起こす原因となる病気や生活習慣を持っているままだと、再発する可能性も高いのです。

また、脳梗塞は再発するたびに重症化するといわれています。1回脳梗塞が起きると脳の一部に損傷を受けて、損傷を受けた機能は元に戻ることがありません。再発するとさらに他の脳の部位が損傷をうけることで、損傷個所がどんどん広がっていくのです。

脳梗塞を再発しなかった人の特徴

脳梗塞を再発しなかった人の特徴として以下のことがあげられます。

・処方された薬をちゃんと飲む

・血圧の管理を行う

・定期的なリハビリを行う

・食事の管理

・禁煙や飲酒習慣の見直し

再発を予防するためには、危険因子を悪化させないように日々の生活を見直すことが大切です。最初の脳梗塞の症状が軽くても再発して重症化することも大いにあり得ます。症状が何もない状態だからといって、通院や投薬を怠ってしまうと再発する可能性は高くなります。決して自己判断で中断することのないようにしましょう。

脳梗塞の3つ予防法|再発しなかった人が行っていること

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脳梗塞の再発を予防するには、「血栓を予防すること」「危険因子を悪化させないこと」「生活習慣を改善すること」が大切です。特に3つ目はご自身で行えることなのでしっかりと確認しましょう。

血栓の予防

脳梗塞の原因となる血栓を予防する治療が行われます。1つ目は薬物により血栓をできにくくする方法です。心原性脳は抗凝固薬、アテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞には抗血小板薬が使用されることが多いです。

また、手術などで血流の流れを改善し、血栓を予防する方法もあります。血管を広げて血流を良くしたり、動脈内のプラークを除去したりと症状に合わせた治療が行われます。

危険因子の管理

脳梗塞の危険因子として最も重要なものは高血圧、糖尿病、脂質異常症、禁煙の4つです。この危険因子を管理するには薬でコントロールすることと根本的な生活習慣の改善が必要になります。

中でも高血圧の管理はとても重要です。高血圧そのものに自覚症状はないため、自分ではなかなか気づくことができません。病院を受診し必要あれば薬物治療を行います。また、自分の血圧を知るためにも血圧測定を習慣づけ、改善のために生活習慣の見直しを行いましょう。

生活習慣の改善

脳梗塞の再発予防のために生活習慣を改善することはとても重要です。ご自身で意識して取り組むようにしましょう。

禁煙…喫煙は動脈硬化の大きなリスクです。再発予防に取り組むべき1つです。

食事の管理…塩分・脂質を控えたバランスの良い食事を心がけましょう。

水分補給…脱水状態になると血栓ができやすくなります。こまめに摂取しましょう。

節酒…過度の飲酒は血圧を上昇させます。1日20gを目安にしましょう。

適度な運動…適度な運動は血圧を下げる効果があり、肥満解消も期待できます。

良質な睡眠…7~8時間の睡眠を心がけ、室内環境を整えましょう。

脳梗塞を再発しないためには定期健診と家族のサポートも大切

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一度脳梗塞を発症すると、その後は再発防止や後遺症の改善など長く付き合う必要があります。再発防止のために一人で頑張るには限界があります。医師など専門家の検診を受けたり家族にサポートをしてもらうことも大切です。

定期検診で早期発見を

脳梗塞の原因である動脈硬化や高血圧は自分ではなかなか気づきにくいものです。月に一度は定期健診を受け、血液検査や血圧測定を受けましょう。気になることを専門医に相談することで不安も解消できます。

また、症状が治まったとしても、年に1回はMRIなどの画像検査を受けるといいでしょう。定期的に検診していれば、もし再発しても影響を最小限に抑えることができます。

家族や周囲のサポートも大切

脳梗塞の再発防止には、生活習慣の改善がとても重要だとお伝えしましたが、生活習慣を改善するには家族の協力が必要不可欠です。

長く付き合っていく必要がある病気なので、家族や周囲の人のサポートを受けながら一人で頑張りすぎないことが大切です。後遺症が残った場合は国や地域の支援を受けられる可能性があるので確認してみましょう。

脳卒中の再発予防に関するFAQ 5選

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Q1. 脳卒中の再発率はどのくらいですか?

A1. 脳卒中の種類や原因、発症からの期間によって異なりますが、一般的に再発しやすい病気とされています。例えば、脳梗塞の場合、発症後1年間に約10%の方が再発しているという報告もあります。脳出血の再発率は1年以内で約12.8%、10年以内では約半数というデータもあります。継続的な予防対策が極めて重要です。

Q2. 再発を防ぐために最も重要な生活習慣の改善点は何ですか?

A2. 最も重要な危険因子は高血圧です。そのため、血圧管理が再発予防の最重要課題とされています。具体的には、日々の血圧測定を習慣化し、医師の指示に基づいた減塩、適度な運動、服薬遵守を行うことが不可欠です。

Q3. 脳卒中の再発予防に特に効果的な食事のポイントはありますか?

A3. 減塩バランスの取れた食事が基本です。塩分摂取量を控える(高血圧患者では1日6g未満が目標とされることが多い)こと、そして野菜、果物、魚を中心とした食生活(DASH食や地中海食も推奨されています)を心がけることが有効です。

Q4. 飲酒や喫煙は再発リスクにどのように影響しますか?

A4. 喫煙は脳卒中の再発リスクを最も高める要因の一つであり、禁煙は不可欠です。飲酒については、過度な飲酒は血圧を上昇させるため、節酒が求められます。適量の目安は、純アルコール量で1日20g程度(日本酒なら1合、ビールなら中瓶1本程度)とされています。

Q5. 薬の服用はいつまで続ける必要がありますか?自己判断で止めても大丈夫ですか?

A5. 脳卒中の再発予防薬(抗血栓薬、血圧の薬、糖尿病の薬、脂質異常症の薬など)は、医師の指示がない限り、決して自己判断で中止したり量を調節したりしてはいけません。 これらの薬は再発リスクを抑えるために継続的な服用が必要であり、中断すると再発リスクが大幅に高まります。

まとめ|脳梗塞を再発しなかった人の割合

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脳梗塞を一度経験された方は、「いつかまた再発するのではないか」という尽きない不安を抱えていらっしゃるかもしれません。

実際、脳梗塞は再発を繰り返すほど、その症状や後遺症が重くなる傾向があるため、決して油断はできません。

しかし、一つ希望を持てるデータがあります。発症から10年以上にわたって再発しなかった方も約半数いらっしゃるという報告です。この事実は、適切な医療と日々の努力が結果につながることを示しています。

重要なのは、再発のリスクを減らすために、専門医による薬物治療を続けること。そして、ご自身の生活習慣を「脳梗塞に負けないもの」へと見直していくことです。

再発予防は確かに地道で、根気のいる道のりです。決して一人で抱え込もうとせず、定期的な診察の場で医師に不安を相談したり、ご家族やサポートチームの力を借りたりしながら、焦らず前向きに脳梗塞と向き合っていきましょう。

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