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亜急性連合性脊髄変性症の初期症状と早期発見のポイントは?
亜急性連合性脊髄変性症は、ビタミンB12の欠乏により脊髄の変性が生じる進行性の疾患です。初期症状を見逃さず、早期発見・早期治療を行うことが、回復のカギとなります。
亜急性連合性脊髄変性症の主な初期症状は以下の通りです。
- 全身の脱力感: 日常生活の中で、今まで以上に疲れを感じたり、体がだるく感じたりする。
- 手足のチクチク感やしびれ: 手足に針で刺されるようなチクチクとした感覚や、しびれを感じる。
- 足のこわばり: 足に力が入りにくく、スムーズに動かせない。
- 視力低下: 徐々に視力が低下し、物がぼやけて見える。
これらの症状は、徐々に進行していくのが特徴です。初期段階では、症状が軽度で済んでいるため、見逃されやすい傾向にあります。
早期発見のポイントは、自分の体の変化に敏感になることです。例えば、今までできていた動作が難しくなった、疲れやすくなった、手足の感覚が鈍くなったなど、些細な変化でも見逃さないことが大切です。
また、リスク因子を知っておくことも早期発見につながります。亜急性連合性脊髄変性症は、以下のような人に発症しやすいとされています。
- 萎縮性胃炎がある人
- 胃の摘出手術を受けた人
- 菜食主義の人
これらに該当する人は、特に注意が必要です。定期的な健康診断を受け、ビタミンB12の値をチェックすることをおすすめします。
早期発見・早期治療が、亜急性連合性脊髄変性症の回復のカギを握っています。発症から数週間以内に適切な治療を開始できれば、ほとんどの人が完全に回復できるといわれています。一方で、治療が遅れてしまうと、症状が進行し、完全な回復が難しくなってしまいます。
日頃から自分の体の変化に敏感になり、少しでも気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。また、リスク因子に該当する人は、定期的な健康チェックを心がけることが大切です。
亜急性連合性脊髄変性症は、早期発見・早期治療により、良好な予後が期待できる疾患です。しかし、症状が進行してしまうと、日常生活に大きな影響を及ぼします。手足のしびれや脱力感により、仕事や家事が難しくなったり、歩行が困難になったりと、QOLの低下は避けられません。
そのため、リハビリテーションの役割も重要です。早期からリハビリを開始することで、症状の進行を遅らせ、日常生活の動作を維持することができます。リハビリでは、筋力トレーニングやバランス訓練など、症状に合わせたプログラムが組まれます。
また、リハビリは単なる機能回復だけが目的ではありません。リハビリテーションの本来の意味は、「再び適した状態になること」「本来あるべき姿への回復」です。つまり、心と体が最も適した状態になるためのサポートが、リハビリテーションなのです。
亜急性連合性脊髄変性症と診断された人は、「自分がどのようになりたいか」を明確にし、その目標に向かってリハビリに取り組むことが大切です。医療専門職と一緒に、具体的な目標を設定し、段階的に進めていくことで、効果的なリハビリが可能となります。
適切な治療とリハビリテーションにより、良好な予後が期待できる疾患です。初期症状を見逃さず、早期発見・早期治療に努めることが何より大切です。そして、リハビリを通して、自分らしい生活を取り戻していきましょう。