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寝たきりの状態でも、家族にしてもらえるリハビリの方法はある?
寝たきりの生活が長引くと、筋力低下が進み、体の状態が悪化していくのが常です。しかし、ご家族の協力があれば、寝たきりの状態でも効果的なリハビリを行うことができます。
ここでは、家族の方にしてもらえるリハビリの方法をいくつかご紹介しましょう。
まず、最も簡単で効果的なのが、マッサージです。寝たきりの方の手足をさすってあげるだけで、血流やリンパの流れが改善されます。これにより、筋肉の硬直を防ぎ、関節の可動性を維持することができるのです。全身をマッサージするのが理想的ですが、左右の手足を交互にマッサージするだけでも十分な効果が期待できます。
次に、重力に逆らう動きを取り入れたリハビリも有効です。私たちの体は、重力に抗して動くことで、多くの筋力を使っています。寝たきりの状態では、この重力に逆らう動きが極端に減ってしまうのです。そこで、寝たままの状態で手足を上げる運動を行うことで、筋力低下を防ぐことができます。
具体的には、足を持ち上げて10秒キープする、腕を頭の上に上げて10秒キープするなどの運動が効果的。家族の方に手足を持ち上げてもらい、一定時間キープしてもらうのです。高く上げるほど負荷が増すので、無理のない範囲で徐々に高さを上げていきましょう。
また、関節の曲げ伸ばしも大切なリハビリの一つ。関節が固まってしまわないよう、定期的に動かすことが重要なのです。家族の方に、肘や膝、足首などの関節を曲げ伸ばししてもらいましょう。寝たきりの方は骨が脆くなっている恐れがあるので、関節を動かす際は十分な注意が必要です。力任せに曲げるのではなく、ゆっくりと優しく動かすことを心がけてください。
リハビリの際、家族の方とのコミュニケーションも大切なポイント。関節を動かす際に「今、膝を曲げていますよ」「肘を伸ばしていますよ」など、動作を言葉で説明しながら行うと、筋肉の出力がアップするのだとか。ただ無言で動かすのではなく、適度な会話を交えながらリハビリを行うのがおすすめです。
寝たきりの状態でも、家族の協力があれば、効果的なリハビリを行うことができます。マッサージ、重力に逆らう運動、関節の曲げ伸ばしなど、できることから始めてみましょう。
家族の方は、寝たきりの方の体を思うように動かせない歯がゆさを感じるかもしれません。しかし、毎日コツコツとリハビリを続けることが、回復への一番の近道。今日からできることを、一緒に始めてみませんか。小さな積み重ねが、きっと大きな変化を生み出してくれるはずです。