認知症予防のために今から始められること!脳トレやゲームの効果も解説
2024.04.05
認知症は脳がダメージを受けて記憶力や判断力が低下していく病気です。現在は根治的な治療が確立されていないので、一度発症してしまうと進行を遅らせる対処療法しかありません。
そのため認知症は予防して発症リスクを下げることが対策として有効です。しかし「認知症予防は食事でできるの?」「認知症予防に脳トレは必要?」「いつから始めるべき?」などわからないことも多いですよね。
今回は認知症予防を始める時期や原因、効果的な認知症予防についても解説します。
目次
認知症予防は40代からはじめるべき?予防が重要な理由とは
認知症は一般的には65歳以上の人が発症しやすいと言われています。しかし、40代や50代にみられる若年性認知症もあるので注意が必要です。認知症予防はいつからはじめるべきか確認しましょう。
認知症の原因
認知症は大きく分けると3つに分類されます。
1、アルツハイマー型認知症
認知症の約70%をしめるのがアルツハイマー型です。脳にアミロイドβというタンパク質がたまり、神経細胞を破壊することで発症します。加齢や遺伝が影響すると言われていますが、糖尿病や高血圧の人はアルツハイマー型認知症になりやすいことが明らかになりました。
2、血管性認知症
次に多いのが血管性認知症で全体の20%を占めます。脳梗塞などの脳血管障害により、脳の一部が壊死することで発症します。脳梗塞や脳出血の多くは生活習慣病が原因です。
3、レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は全体の4.3%で、レビー小体という神経細胞にできる特殊なたんぱく質が脳にたまり、神経細胞を破壊することで発症します。しかし、特殊なタンパク質が脳にたまってしまう原因はまだ明らかになっていません。
認知症予防は40代から
認知症に一番多いアルツハイマー型認知症は65歳以上の高齢期に発症することが多いですが、原因物質は20年前から溜まりはじめると言われています。つまり、65歳で発症する場合だと、40代から徐々に進行しているのです。
また、認知機能が50歳前後から急速に下降していくことがわかっています。これは40歳頃からの生活習慣が大きく影響していると考えられており、認知機能を保つには40代から対策する必要があります。
認知症と生活習慣の関係性
近年、食事や運動などの生活習慣が原因で引き起こされる生活習慣病が認知症のリスクを高めることがわかってきました。具体的には高血圧・糖尿病・肥満などがあげられます。生活習慣病は脳梗塞の原因となるので、血管性認知症を発症するリスクが高まります。
また、生活習慣病は認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症へのリスクも2倍になるとされています。つまり認知症発症のリスクを低減するには、質の良い食事や運動などの生活習慣が非常に大切なのです。
今すぐ始められる認知症予防はこの3つ!生活習慣を見直そう
認知症と生活習慣病に深い関わりがあるとわかりました。また、認知症の原因物質は徐々に溜まっていき、進行するので早い段階で生活習慣を見直すことが認知症予防になります。
今から始められる認知症予防を3つご紹介します。
食生活の見直し
認知症予防のためにはバランスのよい食事を摂ることが大切です。日本食は認知症予防に適していると言われているので積極的にとりいれましょう。
<認知症に良い食べ物>
・野菜・果物・豆類…野菜や果物に含まれるビタミンB群、C、E、βカロチンはアルツハイマーの原因物質を抑制します。大豆製品は血中コレステロール値を低下させる働きがあります。
・青魚…脳の活性化が期待されるDHAやEPAを多く含んだサバやイワシなどの青魚を週2回食べている人は月1回しか食べない人に比べてアルツハイマー型認知症の発症が約41%減少するといわれています。
参考:東邦大学「日々の生活の中で実践できる認知症の予防について」
適度な運動習慣
運動は脳が刺激されて認知機能が向上し、認知症予防に効果があることが明らかになっています。運動の習慣を身につけて適度に身体を動かしましょう。一度に激しい運動を行うよりも、継続して行うことが大切です。
具体的には週2〜3回、30分以上のウォーキングがおすすめです。朝少し早く起きて散歩にいったり、一駅分歩いてみるなどできる範囲からはじめるといいでしょう。
社会活動への参加
引きこもりがちになって孤独を感じると認知症の進行が早まることがわかってきました。今まで仕事だけで退職してから外に出る機会がほとんどなくなったという方は注意が必要です。
外にでて他社とコミュニケーションをとることは脳を刺激してくれるだけでなく、心にも豊かさをもたらします。積極的にコミュニケーションをとることは、認知症予防につながる大切な取り組みの1つです。
認知症予防に脳トレやゲームは効果がある?トレーニングの重要性
認知症予防に脳トレがいいという話をきいたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、近年海外の研究で脳トレは認知症予防に意味がないという研究結果が発表されました。
認知症予防に脳トレは有効?
認知症予防に脳トレが効果的な理由は、脳を活性化させて、認知機能の低下を防ぐ効果が期待できるからとされています。
しかし、海外の研究で脳トレゲームの効果は科学的根拠が不十分であると発表されました。与えられた課題のトレーニングになっても、脳全体のトレーニングには全くなっていなかったと確認されました。
脳の機能は複雑で未解明なところも多いので、脳トレで脳の血流量は増えるが、脳の機能向上につながるかは分からない部分も多いようです。
重要なのは様々なことに挑戦すること
認知症予防には1つのことに拘らず、様々な形で脳に刺激を送る必要があります。つまり脳トレだけをやっていれば良いのではなく、他の予防法と組み合わせることで脳の刺激や機能維持につながるのです。
例えば、読書や運動、旅行など他人とのコミュニケーションや新しい経験も脳への刺激となります。1つのことだけを集中して行うのではなく、いろいろなことに挑戦して心身を活発に動かすことが大切です。
まとめ|認知症予防について
現在、認知症治療が確立されていないのと同様、決定的な認知症予防も確立されていません。脳は複雑で様々な要素が絡むので簡単に解明できないのが現状です。
しかし、認知症予防として生活習慣を整えることは他の病気のリスクも軽減し、健康に生きるためにも大切なので積極的に整えていきましょう。
また、脳トレやゲーム、料理なども認知症予防として推奨されています。楽しんで取り組めることは積極的に取り入れていきましょう。充実した生活を送ることが脳への刺激となります。生活習慣を振り返りながら、自分に合った認知症予防法を試してみてください。