NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脊椎疾患のリハビリは早期に行うことで筋力や運動機能の低下を防げる

脊椎疾患のリハビリは早期に行うことで筋力や運動機能の低下を防げる

脊椎疾患のリハビリは早期に行うことで筋力や運動機能の低下を防げる

日常生活の中で、手足のしびれや腰痛、歩きにくさなど、「ちょっとおかしいな…」と感じたことはありませんか?「脊椎疾患(せきついしっかん)」が原因の場合があります。

以前は問題がなかった動作が上手くできなくなったり、つらいと感じる機会が増えたり…。このような状況が続くと肉体的にも精神的にも苦痛に感じてしまいますよね。

今回は、脊椎疾患の症状や種類、手術後のリハビリについて解説します。脊椎は体を動かすうえで大切な部位ですので、自分に当てはまっていないかチェックしてください。

脊椎疾患の定義は?症状や原因を把握して早期に治療しよう

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脊椎疾患と聞いても、どんな病気か分かりませんので、脊椎疾患の症状や原因、部位別に多い疾患について解説します。

ただの肩こりや腰痛だと思っていたら、思わぬ病気が潜んでいる場合もあります。

脊椎疾患とは?どんな症状がある?

脊椎(せきつい)とは、背骨を構成する一つひとつの骨のことで、その役割は「体を支える」「体を動かす」「神経を守る」ことです。しかし、様々な原因で脊椎に異常を来した状態を、脊椎疾患と言います。

脊柱疾患の主な症状は、手足のしびれ、痛み、運動障害、麻痺、腰痛、頸部痛、肩こり歩行障害、上肢痛、下肢痛、スポーツ障害などがあります。

加齢による変性疾患の他、外傷・腫瘍・先天的な病気など疾患により症状は違います。

脊椎疾患になる主な原因

【脊椎外傷】交通事故や転落・転倒などの外傷により、脊椎を骨折したり、脊椎の関節がずれたりして、脊髄あるいは神経根が急激に圧迫されることで、脊髄症状が急性に出現する。

【脊椎腫瘍】脊椎骨にできた腫瘍で、原発性と転移性があり、原発性は、骨を構成する組織から腫瘍が発生するもので、良性と悪性(肉腫)があります。転移性は、体の別の悪性腫瘍(がん)が脊椎に転移したものです。

【脊椎関節炎】脊椎関節や胸鎖関節などの体軸関節や手指関節、末梢関節に炎症が生じます。若い男性に、発症しやすいと言われています。

【加齢による変性】脊椎と脊椎の間にある椎間板は、クッションの役割を果たします。椎間板には、ほとんど血行がなく栄養が行き届かないので10代後半で老化が始まり、様々な症状を引き起こします。

他にも、先天的な病気や血管障害などが脊椎疾患の原因となります。

原因となる部位別の脊椎疾患

【腰痛】腰椎椎間板ヘルニア、脊椎分離症、すべり症、腰部脊柱管狭窄症などの他、がんの転移や骨折などの外傷が原因の場合もあります。

【手足のしびれ】脊髄の病気や坐骨神経痛などで発症する他、頚椎症や後縦靭帯骨化症、脊髄腫瘍なども原因となります。

【歩行障害】腰部脊柱管狭窄症が代表的

【頸部痛・肩こり】頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症性脊髄症・頚椎症性神経根症など、特に女性に多い疾患。

【スポーツ障害】若年者に多いのが、腰椎分離症。さらに、スポーツをして発症や悪化する疾患は、腰椎椎間板症、腰椎や頸椎の椎間板ヘルニア、頸椎損傷などがあります。

腰痛や肩こりなどは、長年の不良姿勢が基盤になることが多く、その状態で腰や頸部に負荷をかけ続けたことによりおきます。

脊椎疾患のリハビリは基本的な動作が重要…術後は筋力の強化を

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脊椎疾患の主なリハビリは、運動や機器を使った治療を行う理学療法と、退院後も日常生活がスムーズに送れるようにサポートする作業療法です。

さらに、術後に起こりやすい問題を防ぐために、早めのリハビリが必要です。

理学療法

理学療法とは、病気、外傷、加齢、障害などによって、運動機能が低下した状態にある人に対して、運動機能の維持や改善を目的とし、運動や温熱、電気や光線などの物理的手段を用いて行われる治療。

理学療法士が、医師の指示に基づいて、その患者に最も有効な治療計画を立てます。立ち上がるや歩くなどの日常の基本的動作が、スムーズにできるようになるために歩行訓練などの運動療法や、疾患や患者に合った機器を使った物理療法などによって、身体機能や動作の回復をサポートしてくれます。

作業療法

作業療法とは、人々の健康と幸福を推進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指します。

作業療法士とは、身体に障害がある人々の、心と体のリハビリのスペシャリスト。主な作業活動は、身体運動活動や日常生活運動です。退院後も、自分らしい生活ができるようにサポートしてくれます。

参考:日本作業療法士協会「作業療法の定義」

術後のリハビリはいつから?

手術が終わると、すぐにベッドの上でのリハビリが始まります。脊椎手術後すぐのリハビリの主な目的は、脊椎そのもののリハビリではなく、筋力の低下や肺炎などの感染症、高齢者の認知症などの安静によって起こる様々な問題の予防です。

腹式呼吸や深呼吸などの呼吸訓練や足首の屈伸運動、足上げ運動、太ももの筋肉の運動など、ベッドで行える簡単な運動から始まり、徐々に、筋力増強トレーニングや関節可動域を意識したストレッチ、歩行訓練へと進みます。

脊椎疾患の手術後にリハビリしたら完治する?予防法はあるの?

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脊椎疾患は、「手術をしたら完治するのか」「予防することはできるのか」などの疑問を解説します。

手術をしたら完治するの?

結論から言うと、現在の状況よりは良くはなりますが、完治は難しいです。脊椎の手術は、神経を圧迫している部分を除去し、神経がストレスなく機能できる環境を得るものです。神経自体を治療するわけではなく、神経機能の回復を助けるために行います。

従って、神経自体がすでに機能を失っている場合は、手術をしてもほぼ回復は見込めません。さらに、手術による回復度は、年齢、圧迫の程度、圧迫の期間が関係します。

脊椎疾患は予防できる?

外傷や腫瘍による脊椎疾患は、防ぐことは難しいですが、加齢による脊椎の変化は予防することができます。正しい姿勢や動作、筋力の強化、適正な体重の維持などを長期間持続して行うことが重要です。

ただし、加齢による変性は、高齢者の方に多く、体操や運動が症状を悪化させる場合もありますので、注意が必要です。

脊椎疾患と脊髄疾患の違い

脊椎(せきつい)は、背骨のことで首からお尻までつながっています。それに対して、脊髄(せきずい)は背骨の中を通っている太い神経のことです。脊髄の主な働きは、手足の筋肉を動かす、手足の感覚を伝える、内臓の働きを調整することなどです。

脊髄の一部の頚髄に障害が起こった時に、手足のしびれ、腰痛、歩行障害などの症状が表れます。症状もほぼ同じなので、脊椎脊髄疾患とまとめて表記されることも多いです。

まとめ

脊椎疾患の原因は、脊椎の外傷や炎症、腫瘍、加齢による変性などで、手足のしびれや麻痺、頸部痛や肩こり、腰痛などの症状を引き起こします。

肩こりや腰痛などがひどい場合には、放置せずに、すぐ医療機関を受診しましょう。脊椎疾患のリハビリは、理学療法と作業療法を早期に行うことで、身体機能や日常生活での動作の回復が期待されます。

脊椎疾患の完治は難しいですが、現状より症状を良くすることは可能です。さらに、日常生活での姿勢や動作などに気をつけることが、加齢による変性の予防になります。

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