退院後の体力回復には食事が重要?健康な生活へ近づくレシピも紹介
2023.05.02
日本人の死因の上位にランクインしている脳卒中やがんなどを患い、入院後の再発を防ぐ体力を作るために何ができるでしょうか。
退院後の体力回復では食事が最も重要です。退院後の身体の調子に合わせながら自分のペースでいろいろな栄養素をしっかり摂りましょう。
今回は、退院後の体力回復のための食事のポイントや食生活における注意点をご紹介します。運動前の食事のポイントについても説明するので、効率的に体力を回復していきましょう。
目次
退院後の体力回復に効果的な食事とは?食生活から回復を
退院後の食事は、基本的にバランスの良い食事がベストですが、特に気をつけるべきなのは、「タンパク質」と「炭水化物」の量です。おすすめのレシピも見ていきましょう。
肉や魚などのタンパク質を多く取る
退院後の体力回復のためには、充分な栄養素が必要になります。魚や肉など不足しがちなタンパク質を上手に食事に取り入れられると良いです。
お粥やうどんのみではタンパク質が少ないです。お粥やうどんに卵を加えたり、ヨーグルトやチーズなどを「プラス1品」してタンパク質を補いましょう。
また、サンドイッチや丼なら、野菜と肉などおかずになるような具材も一緒に取れて、食べやすいだけでなく栄養の偏りも防げます。
お米もしっかり!炭水化物を食べよう
退院後に、「だるい」「疲労感が続く」など不調が続く場合は、お米など炭水化物の摂り方を見直したほうが良いかもしれません。
人がエネルギーとして使える栄養素は「炭水化物(糖質)」「タンパク質」「脂質」の3つですが、すぐにエネルギーに変えられるブドウ糖を消費してしまうと、筋肉などに蓄えられているグリコーゲンを使います。
使えるグリコーゲンの量はそれほど多くないので、グリコーゲンも尽きてしまうとエネルギーが不足し、疲れやすくなってしまうため、適量の炭水化物を摂る必要があります。
白ご飯なら、茶碗軽く2〜3杯程度を目安に、おかゆから始めて、少しづつ普通のご飯に戻していくことを、退院後の体力回復のための食事に上手く取り入れましょう。
退院後に食べてほしいレシピはコレ
退院後の体力回復のために食べてほしいレシピをご紹介します。退院後でもすぐできる簡単なレシピなので食事に取り入れて栄養の偏りを防ぎましょう。
「あったか洋風粥(1人分)」
①鶏ささみ1本(約50g)をそぎ切りにして、ほうれん草1株は小さめに切ってゆでます。
②鍋にコンソメ1/2個と水300ccを入れて沸騰したらお茶碗1杯分のごはん、ささみを入れて弱火で煮込み、やわらかくなったらほうれん草を加えます。
③粉チーズ大さじ1を加えて混ぜ、火を止めて鍋に蓋をしてチーズが溶けるまで蒸します。
退院後の体力回復に向けて…食事を用意する時の3つの注意点
退院後に食事する場合、「よく噛む」ことなど、気をつけるべきポイントがあります。日常生活で注意すれば体力も早く回復することに期待できるでしょう。
食事はゆっくりとスローペースで
退院後は、胃の消化機能が落ちていることが多く、栄養が吸収しづらくなっている可能性があります。体力回復のために食事をするなら、ゆっくりとよく噛んで食べることを意識しましょう。
よく噛むことで食べ物は細かくなり、唾液で消化も助けます。一口に20〜30回程度を目安に消化を助けましょう。よく噛んで食べることは、つかえ感や食べ過ぎの予防につながります。
油脂類は少なめかつ新鮮なものを
揚げ物などの油料理や、ごぼうやこんにゃくなど食物繊維の多い食品は、消化に時間がかかったり下痢を起こしやすくするので退院後1〜2ヶ月は避けたほうが無難です。
特にバターやマヨネーズなどの油脂類は、エネルギー豊富なのでカロリー過多を防ぐためにも少しづつ献立に取り入れましょう。時間がたったものは酸化している可能性が高く身体に良くないので、新鮮な油を退院後の体力回復の食事で使用してください。
カフェインを含む飲み物は控えめに
退院後に体力回復のための食事をするなら、カフェインを含むコーヒーなどの飲み物は控えめに一日一杯程度であれば問題ありません。
また、唐辛子など香辛料や炭酸飲料など胃腸を刺激する食べ物もカフェイン同様に退院後1〜2ヶ月は摂りすぎないよう心がけてください。
お酒が飲みたい場合は、主治医に相談しましょう。退院後などはアルコールが早く小腸に流れ込み以前より酔いやすくなっているため、注意が必要です。
退院後の体力回復に食事と運動をプラス!食べた後は運動を
退院後の体力回復には適度に食事と運動を行うことが大切です。リハビリの効果をアップする食事や運動方法についてご紹介します。
退院後は筋力の衰えに混乱する
ほとんどの場合、退院後1〜2ヶ月は体力が落ちるので、入院前と同じように動けず筋力の衰えに混乱してしまう人も多いです。
そういった時には、焦ったり落ち込んだりせず、少しずつ退院後の体力回復に取り組みましょう。まずは心身ともに疲れないような生活をすることが大切です。食事面以外での体力づくりに関しては医師の指示を仰ぐのも一つの方法です。
手軽な運動として、朝日を見ながらするラジオ体操や深呼吸は気持ち良いです。さらに短い距離の散歩も気分転換につながりますよ。運動だけでなく、充分な睡眠時間の確保やバランスの取れた食事を意識して自分のペースで運動を継続して筋力をつけていきましょう。
摂取した栄養素は運動すると血肉に
退院後の運動は、体力回復に役立ちます。いきなり激しい運動をすることは避け、適切な量の食事も取り入れつつラジオ体操などで徐々に身体を慣らしながら、効率的に摂取した栄養素を血肉に変えていくことがおすすめです。
空腹時や満腹時の運動は、運動効率が悪くなってしまうため、食後2時間を目安に運動を行いましょう。
先述したように炭水化物は、運動するためのエネルギー源であり、タンパク質を筋肉として合成するときの合成カロリーともなります。筋力アップを目指す方は、糖質・タンパク質・脂質の三大栄養素を運動前の食事にしっかり取り入れましょう。
最適な栄養管理でリハビリの効果UP
身体を動かすためには、適切な栄養補給が必要ですが、退院後の体力回復するための食事
でもきちんと栄養管理を行えばリハビリの効果UPにもつながります。
魚介類やナッツ類に多く含まれる「不飽和脂肪酸」は、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げる効果もあるので日常的な摂取を心がけましょう。
腸内環境を改善する善玉菌を増やす働きがある食物繊維は、海藻類や葉物類に多く含まれる「水溶性食物繊維」と根菜類やキノコ類に多く含まれる「不溶性食物繊維」の2種類があります。どちらもバランス良く摂取してリハビリの効果を上げましょう。
まとめ
退院後の体力回復するための食事や運動効率を良くするための方法をご紹介しました。退院後は、衰えた筋力を取り戻すために、リハビリなど運動することが重要ですが、運動効率を良くするには適切に栄養を摂る必要があります。
食べ慣れたものは安心感がありますが、栄養が偏らないように食べたいもの・食べやすいものを中心に旬の野菜や魚、果物などバランスよく摂取しましょう。
また、食後の不快感や疲労回復できないときは、お近くの医師や施設のスタッフに気軽に相談してみてくださいね。あなたに合ったアドバイスがもらえます。