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脊髄を損傷してしまったら…基礎知識と効果的なリハビリについて詳しく解説!

2023.8.8

脊髄とは一体どんなものなのかをご存知ですか?それは、背骨と呼ばれる脊椎(頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎3〜5個)で構成される脊柱管の中にしまわれている神経のことです。

脊髄は、脳(中枢)から足や手、体幹部(末梢)に指令を伝えています。つまり、この脊髄が損傷されると、身体のさまざまな機能に障害を及ぼしてしまいます。

この脊髄の損傷、実はいつ誰に起こってもおかしくない疾患なのです。場合によっては重度の障害や、死亡に至るケースも。しかし、医療やリハビリの発展により、社会復帰も少なからず可能になってきています。

脊髄の損傷はどんな損傷?重度な障害が残ってしまうメカニズムを解説

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脊髄は丈夫な脊椎に大切にしまわれている、身体や生命活動に非常に重要な役割を持っているものです。

その脊髄を損傷してしまう原因や、どのような障害が現れるのかをみていきましょう。

20代と60代に多い!脊髄の損傷とは

脊髄の損傷の原因は、交通事故や転落事故、スポーツ傷害といった外傷が大半です。

そのため、20代といった若年層にも多く、60代以降の高齢者は、身体機能の低下による転落・転倒事故といった外傷の他、脊髄腫瘍や血管障害によって発症するケースも多くみられます。高齢化に伴い70代以上の患者数も増加傾向です。

脊髄は、上は脳から下はお尻まで縦に走っていて、どの部位に指令を送るかの高さは決まっています。それにより、頸部の頸髄の損傷は四肢麻痺(上肢、下肢)、胸部の胸髄以下の損傷は対麻痺(両下肢)といった症状が現れます。

また自律神経の交感神経は胸髄と腰髄から、副交感神経は中脳等がある脳幹と仙髄から始まっているため、損傷部位によっては呼吸や血圧、消化器等の不随意な身体の機能にも障害を及ぼします。

脊髄の損傷の主な機能障害

脊髄が損傷すると、損傷した部分より上の機能は残り、下の機能に障害が現れます。そのため、高位であるほど障害の範囲が広くなります。

また、完全に分断されてしまったものを完全損傷、部分的に残れば不全損傷といいます。運動麻痺(四肢麻痺や対麻痺)の他に、損傷した程度や発症後の時期によって障害の特色が変わります。ここでは代表的な機能障害を紹介します。

感覚障害(損傷部以下):触痛覚、位置覚

反射消失(損傷部以下):深部腱反射、屈曲反射

呼吸障害(第3頸椎以上を損傷):自発呼吸ができない

膀胱直腸障害(多くの場合):排尿困難、失禁

自律神経障害(損傷部以下):発汗障害(体温調節)、血管運動障害(血圧)、消化器障害

その他:痙縮(筋が過緊張)、褥瘡(床ずれ)、異所性骨化、性機能障害

脊髄の損傷に対するリハビリの重要性

一度傷ついてしまった脊髄神経は、元通りになることは残念ながら少ないです。しかし脊髄の損傷の場合、損傷部位や重症度で、どのような障害が現れるかを早期に予測できます。残された機能の維持と、障害されてしまった機能のできる限りでの回復がリハビリの大きな目的になります。

受傷直後は、ある程度の安静期間が必要です。まずは運動機能の回復からはじめ、日常生活の自由度を上げるリハビリを、障害の程度に応じて行うことが重要です。

脊髄の損傷のリハビリの3ステージ!目的を理解して効果的な訓練を

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脊髄を損傷した場合、時期や重症度に応じてリハビリ目的や内容は変わります。

①急性期のリハビリ

ベッド上にて、関節拘縮や静脈の血栓症予防のため、関節可動域訓練や、肺炎や呼吸機能低下予防のための深呼吸訓練を、無理のない程度で行いましょう。

起坐が可能になった場合は、起立性低血圧を発症しやすいため、血圧や脈拍等に注意します。

医師や看護師等の専門家によるリハビリとなりますが、早期に行うことが、改善への第一歩にとても重要です。

②回復期のリハビリ

急性期のリハビリを継続しつつ、より日常生活を意識したリハビリを行います。

残存機能をいかに利用するかが、今後の生活にとても重要です。そのため、残存する筋肉を強化する運動や、寝返り、起き上がり、体幹保持の訓練を行ないます。

また、車椅子操作による移動訓練や、車椅子からトイレやベッド等への移乗訓練、転倒した際の起き上がり訓練といった実用性を高めるリハビリも行います。

頸髄損傷の場合は、手指の機能も障害されているため、自助具等をりようして、介助をなるべく少なくすることを目標としたリハビリを行います。

③社会復帰期のリハビリ

リハビリは身体機能だけではなく、社会復帰や心理面のリハビリも含まれます。

車椅子を使った生活をより安全に、確実に送っていくため、技術だけでなく体力づくりは積極的に行いましょう。訪問リハビリ等の専門家とともに行うことにより、安全性はより確保できます。また、家のバリアフリーリフォームも必要です。

第6頸髄以下の損傷であれば、自動車の運転が可能である場合があります。上肢のみで運転できるよう改造し、公安委員会の許可を取りましょう。移動範囲が広がることは、QOLの向上にとても良いことです。

なお、職場復帰ができるケースはいまだ少ないです。必要に応じて職業リハビリの積極利用を検討すると良いでしょう。

脊髄の損傷は生命にも直結する…リスク管理とリハビリの注意点

脊髄損傷リハビリ4 1 1024x680 - 脊髄を損傷してしまったら…基礎知識と効果的なリハビリについて詳しく解説!

さまざまな障害を及ぼす脊髄の損傷。重症度が低くても、リハビリを誤るとさらなる損傷や合併症が起きてしまうことも。重症度が上がると生命の危険にも直結します。

ここではリハビリ中の注意点について詳しく解説します。

脊髄を保護しながら合併症を予防する

急性期は、とにかく脊髄の保護を念頭に、合併症予防をしていくことが大切です。体位変換は褥瘡予防に必要ですが、さらなる脊髄の損傷の可能性があるため注意が必要です。

患者自らの体動のみならず、ご家族も十分気にして接するようにしましょう。

褥瘡(じょくそう)や排尿障害は特に生命予後に関わる

脊髄の損傷の場合、運動麻痺や触痛覚の麻痺だけでなく、血管運動障害等により、褥瘡が特に発生しやすいです。感染症にかかりやすくなり、敗血症等を引き起こすと致命的です。

また、ほぼ全員の患者に見られる排尿障害は進行すると腎臓への影響が及び、重篤な疾患につながる可能性が高いです。

どちらも在宅療養の場合に多いため、医療機関による正しい指導を受け、予防していく必要があります。

心理的・社会的サポートや定期健診を積極的に利用して

脊髄の損傷は、心理面に大きな負担を及ぼします。職場復帰が難しいことからの絶望感や、後悔等によりさまざまな反応を引き起こすため、心理的なサポートや職業リハビリを積極的に利用しましょう。

また、麻痺により合併症に気付きにくいこともあるため、医療機関による定期的な健診が推奨されます。

まとめ

脊髄を損傷してしまうと、生活が一変してしまうことが大半です。患者自身が障害を受容し、積極的なリハビリを行うことが、QOLの低下防止、維持や向上につながります。

残存機能はQOL向上のための希望の光です。リハビリをしないでいると、残存機能も低下してしまいます。その都度必要なサポートを積極的に利用しながら、リハビリを継続していけると良いですね。

執筆監修 佐々木 寛時

執筆監修 佐々木 寛時

1993年 岩手県盛岡市生まれ。
2015年4月 理学療法士 国家資格取得
2015年4月~2019年 回復期リハビリテーション病院
2020年1月~2022年6月 訪問看護リハビリステーション
2022年7月 自費リハビリ ネクストステップス 設立

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