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くも膜下出血の後遺症はリハビリでよくなる?機能の回復から強化までのプロセスを解説

2022.11.29

くも膜下出血は、脳梗塞や脳出血と並ぶ脳卒中のひとつで、損傷個所によってさまざまな後遺症が残ることで知られていますよね。しかし、適切なリハビリテーションをおこなえば、発症した人のうち30%の人は社会復帰するまでに回復しているといいます。

そこで今回は、くも膜下出血でリハビリが必要になるおもな後遺症とリハビリの目的をご紹介したいと思います。具体的なリハビリの流れも、ぜひご参考ください。

日常生活をスムーズにできるようになるためには、くも膜下出血のリハビリを早期に開始するとよいとされています。

くも膜下出血でリハビリが必要になるおもな後遺症とは?

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くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂によって起こりますが、損傷部位によってさまざまな後遺症が残るといわれています。ここでは、おもな後遺症の例をみてみましょう。

ろれつが回らないなどの言語障害

前頭葉や側頭葉でくも膜下出血がおこると、言語障害の後遺症を残すことが多いです。なかでも、構音障害と失語の症状がみられます。

・構音障害:舌がもつれる、ろれつが回らないなど、言葉は出るものの正しく発音することができない状態です。口唇や舌、咽頭、喉頭をつかさどる神経系に問題がある証拠です。

・失語:言語野である左大脳半球の損傷では、言葉を正しく話すことや理解することが難しくなります。言い間違いや質問に対して無関係な返答をするなどです。

麻痺による身体の運動障害

バランスをつかさどる小脳にくも膜下出血がおこると、身体のふらつきなど運動障害が残ることがあります。左右どちらかの上下肢が動かしづらく、とくに上肢に問題が生じることが多いようです。筋緊張の状態によって痙性麻痺と弛緩性麻痺にわけられます。

飲食が難しくなる嚥下障害

嚥下障害では、食べるとむせる、うまく飲み込めない、のどにつかえるなどの症状がみられます。場合によっては、食べ物が気管に入り込んでしまう誤嚥から肺炎を発症してしまう危険性も少なくありません。くも膜下出血によって嚥下をつかさどる神経がダメージをうけたためです。

さまざまな高次脳機能障害も

上記のような後遺症のほかにも、次のような障害が残ることがあります。

・半側空間無視:左右どちらかの空間を認識できず、ぶつかったりつまづいたりすることが多くなります。

・自発性障害:自発的な行動がみられなくなります。

・記憶障害:言われたことを忘れてしまう、自宅までの道順が分からなくなるなどの障害です。

・注意障害:落ち着きがなくなり、集中して物事に取り組めなくなります。

くも膜下出血のリハビリはどんな目的がある?目指す目標も

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くも膜下出血の後遺症は、どれも日常生活において大きな支障をきたすものです。ここでは、くも膜下出血のリハビリの目的や目指すところをご紹介します。

身体機能や脳の機能を回復させる

くも膜下出血を発症してからすぐにリハビリを開始すると、身体機能や脳の機能回復の見込みが高くなるといわれています。目安として約3ヶ月を経過してしまうと、プラトーといわれる停滞期に突入します。もちろん、回復の見込みがまったくなくなるというわけではありませんが、くも膜下出血では早期のリハビリが理想的なのです。

問題のない機能の維持や強化

いっぽうで、残存している機能についてはリハビリで維持や強化をはかります。そのさい、麻痺などの症状が残ったとしても、日常生活がスムーズにできるようなリハビリをおこないます。たとえば、片麻痺で歩行が難しいなら、問題のない半身をうまく使って車いすに乗ったり、移動したりすることができるように、筋力のトレーニングをしていくのです。

心理的・社会的な回復も

また、くも膜下出血のリハビリでは、身体的機能の回復や強化だけでなく、心理的な回復や社会復帰へのサポートもおこないます。くも膜下出血の後遺症によって、突然これまで普通にできていたことができなくなる心理的な落ち込みは相当のものです。スタッフとともにリハビリに対する不安を解消してモチベーションを保つこと、さらには職業など社会的な復帰を目指すという目的もあるのです。

くも膜下出血の治療内容とリハビリテーションの流れは?

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では、くも膜下出血のリハビリテーションは具体的にどのようにおこなわれるのでしょうか。ここでは、発症時の治療内容とあわせてご紹介します。

まずは再破裂を防ぐ治療を

くも膜下出血を発症してから病院に搬送されると、まず再破裂を防ぐ治療がおこなわれます。発症後最初の6時間以内に約20%の人が再破裂をしてしまうといわれているからです。脳血管内治療による脳動脈瘤汗塞栓術や、回頭手術による脳動脈瘤クリッピングなどがあります。

発症直後から数週間程度のリハビリを、急性期リハビリテーションといいます。症状が安定するまでベッドから起き上がれないことも多いですが、ベッドの上で姿勢を変えたり、手足を動かしたりすることが重要です。

回復期リハビリで日常生活の動作訓練

ある程度身体を動かせるようになると、回復期リハビリテーションにうつります。おもに、機能が低下している部分の回復を目的としています。最初はベッドから起き上がって座った姿勢を保つ訓練から始め、車いすの訓練や歩行の練習に進みます。最終的には、日常生活ができるだけスムーズになるように、入浴や着替えなどの動作訓練もおこないます。

また、残ってしまった後遺症にあわせたリハビリプログラムもあります。しかし、くも膜下出血の場合、発症および手術後2ヶ月以内でないと回復期リハビリテーションの病院や病棟に入れません。また、じっさいに入院できる期間が150日(重症の場合は180日)と制限もあります。

機能維持のため主体的なリハビリを継続

回復期以降の訓練を維持期リハビリテーションといいます。生活期リハビリテーションともいい、日常生活の自立と社会的な復帰を目指します。回復した機能を維持したり、強化する維持期リハビリテーションには終わりはありません。できるだけ主体的なリハビリが求められます。

モチベーションを高く持ち続けるためには、目標をしっかり定めることが大切ですし、リハビリスタッフやご家族の精神的なサポートも必要でしょう。

まとめ

くも膜下出血を発症すると、運動や言語にかんする後遺症が残ることが少なくありません。突然日常生活ができなくなるショックははかり知れません。しかし、くも膜下出血のリハビリを急性期からすぐに始めると、低下した機能を回復できる可能性が高くなります。

くも膜下出血のリハビリは、低下してしまった機能の回復と、残存している機能の維持・強化を目的とします。また、リハビリスタッフや家族と一緒に取り組むことで心理的な向上や、社会復帰にむけたモチベーションの維持にもなります。最終的には、自立した生活ができるようにすることがゴールになります。

執筆監修 佐々木 寛時

執筆監修 佐々木 寛時

1993年 岩手県盛岡市生まれ。
2015年4月 理学療法士 国家資格取得
2015年4月~2019年 回復期リハビリテーション病院
2020年1月~2022年6月 訪問看護リハビリステーション
2022年7月 自費リハビリ ネクストステップス 設立

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