脳梗塞後のリハビリがうまくいかない?セカンドオピニオンで選択肢を広げる方法
脳梗塞(のうこうそく)の後にリハビリを受けていても、効果がなかなか出ないと、リハビリの内容や方針に不安や疑問を持つ方が多いでしょう。 その不安をそのままにしておくと、リハビリに対して消極的になってしまい、さらに効果が出にくくなるという悪い流れに陥る可能性があります。
このような状況から抜け出すためには、他の病院や施設で意見を聞く「セカンドオピニオン」が有効です。 セカンドオピニオンを受けることで、新しい視点やアドバイスを得ることができます。
この記事では、脳梗塞の患者さんがリハビリのセカンドオピニオンを受ける必要性や、相談できる場所をご紹介します。
目標を明確にして、理想の生活に近づくために、セカンドオピニオンを活用してみましょう!
目次
脳梗塞後のリハビリでセカンドオピニオンをする必要性は?
脳梗塞後はほとんどの方がリハビリを受けることでしょう。しかし、リハビリの方法が合っているのかを心配する患者さんやご家族の方がいらっしゃいます。医療にはセカンドオピニオンがあり、リハビリの場合でも利用可能です。脳梗塞患者さんのリハビリでセカンドオピニオンをする必要性を解説します。
なぜセカンドオピニオンが必要か
セカンドオピニオンとは、患者さんが納得した治療法を選択するために行います。現在の担当医やスタッフとは違う医療機関で第二の意見を求めるのです。
脳梗塞は損傷を受けた脳の部分や程度により、回復過程がさまざまです。さらに、治療法やリハビリの手技は多いため、絶対的なものはありません。そのため、脳梗塞後のリハビリでセカンドオピニオンを受けて、選択肢を広げるのが有効です。
セカンドオピニオンのタイミング
セカンドオピニオンは、ファーストオピニオンを受けた後に行いましょう。ファーストオピニオンとは、主治医から治療方針についての説明のことです。リハビリ担当スタッフによる目標や方針の説明の後でも良いでしょう。
セカンドオピニオンを行うタイミングは、ファーストオピニオン後に以下のような状況になった場合です。
- リハビリの方針や手技が複数提示された場合
- 希望する手技がある場合
- リハビリの目標・方針に不安がある場合
セカンドオピニオンの前に行うこと
セカンドオピニオンの前には、現在のリハビリスタッフに相談をしましょう。目標や方針・方法について疑問や不安がある場合は、遠慮なく聞いて良いのです。ご自分のリハビリについて理解が深まる機会にもなります。
相談しても納得のいく説明が受けられない場合や不安が残る場合は、他のリハビリスタッフや医療機関に意見を求めましょう。
脳梗塞のリハビリのセカンドオピニオンは内緒で行えるのか
セカンドオピニオンを行うときに、担当医やスタッフに言いたくない方も多いのではないでしょうか。脳梗塞患者さんがリハビリのセカンドオピニオンを内緒で行わない方が良い理由があります。信頼関係を壊したくない方向けに、伝え方もご紹介します。
かかりつけ医がいる場合は紹介状が必要
現在の担当医に内緒でほかの病院にかかると、診察や検査を最初から行わなければなりません。そのため、時間や費用がかかってしまうのです。また、脳梗塞の場合は受傷直後の状態や回復過程が治療方針決定に大きく関わるため、初診扱いで受け付けてくれない場合もあります。
時間を無駄にしないよう、かかりつけ医がいる場合は紹介状を書いてもらい、可能であれば検査結果をもらっておきましょう。
リハビリの効果がわからなくなる可能性あり
既に使っているリハビリが自費リハビリサービスである場合は、担当スタッフにセカンドオピニオンのことを言わなくても他の事業所を利用できます。しかし、複数のリハビリサービスを利用すると、効果の有無がわからなくなってしまうかもしれません。
ご自身の目標に近づくためにも、リハビリスタッフにセカンドオピニオンを受けたい旨を伝えておくと良いでしょう。
信頼関係を壊さない伝え方
まずはご自身が困っていることや不明な点を伝えます。医師やスタッフの説明を聞いたうえで、ご自身がどのような治療を受けたいのか、どのような目標を持っているかを説明すると良いでしょう。
その後、「別の治療法も検討してみたい」「自分でも病気やリハビリに対する理解を深めたい」と伝えると治療・リハビリに前向きな印象を与えられます。
回復時期別|脳梗塞後のリハビリでセカンドオピニオンができる場所
脳梗塞の回復過程には3つの段階があり、それぞれで生活環境が異なります。脳梗塞後のリハビリでセカンドオピニオンを受けられる場所や相談窓口を知っておくと、スムーズに利用できます。ご自身でほかの病院に行けない場合でも、セカンドオピニオンを受ける方法についても知っておきましょう。
急性期・回復期の場合
発症後すぐの急性期や発症から6ヶ月までの回復期の場合、入院されている患者さんが多いです。この場合、まずは病院の相談窓口やソーシャルワーカーに相談しましょう。自治体によっては医療相談窓口があるため、病院に直接相談したくない場合に利用できます。
セカンドオピニオンは原則、患者さんご本人が行きます。しかし、患者さんがほかの病院に行けない場合、ご本人の同意書があればご家族の方が代理受診するのも可能です。病院によっては、決まった書式があったり、家族関係を証明する書類が必要かもしれません。希望する病院に問い合わせてから行きましょう。
生活期に頼れる場所
発症から6ヶ月以上経った生活期の方は、ご自宅や施設で過ごしているケースが多いです。この場合、次のような場所を利用すると今抱えている不安を解決できる可能性があります。
- 病院のセカンドオピニオン外来
- 地域包括支援センター
- 自費リハビリサービス
自費リハビリサービスではオンラインや電話などで相談を行っている事業所もあります。自宅にいながら専門スタッフの意見を聞いてみたい場合は、活用してみましょう。
参考:独立行政法人国立病院機構西埼玉中央病院「セカンドオピニオン」
まとめ|脳梗塞によるリハビリとセカンドオピニオンの重要性
リハビリテーション(リハビリ)の時間が長くなって、同じことの繰り返しで飽きてしまったり、目標を見失ってしまったりしている人は、少なくないですよね。特に、脳梗塞という病気の後のリハビリでは、そのようなことが起こりがちです。
そこで今回は、セカンドオピニオン(他の意見を聞くこと)を利用して、最適な道を選ぶ方法や考え方をわかりやすく解説します。
リハビリをしていると、毎日の練習や治療で頭がいっぱいになり、今担当してくれているセラピストやスタッフを信じるしかないと思うかもしれません。しかし、脳梗塞後のリハビリでは、中長期的な視点を持つこともとても大切です。別の理学療法士の意見を聞くことで、これからのリハビリに大きなプラスになるかもしれません。
セカンドオピニオンは、その後のリハビリに大きな影響を与えるでしょう。 新しい治療法やリハビリの方法を知ることで、自分に合った最適なリハビリプランを見つけることができます。
もちろん、今お世話になっている先生や病院との関係を大切にすることも重要です。セカンドオピニオンをお願いするときは、きちんと説明して、上手に活用してください。 そうすることで、より効果的なリハビリを続けることができ、目標達成に近づくことができるでしょう。