高齢者向けのリハビリを受けていますか?意見交換の方法や話し合う内容
病気やけがの後遺症でリハビリを受けている人もいると思います。特に高齢の方は、体の回復だけでなく、お年寄りの特徴に合ったリハビリを行うと、体や心の機能が低下するのを防ぐことができます。
たとえば、高齢になると筋力が弱くなったり、バランスが取りにくくなったりします。そこで、筋力をつける運動や、転ばないようにするための訓練が大切です。また、頭の働きを良くするために、計算やパズルなどの脳のトレーニングを取り入れることも効果的です。
今受けているリハビリが高齢者向けの内容かどうか、リハビリの先生や家族と意見交換をして、もっと充実した生活を目指しましょう。この文章では、高齢者がリハビリの意見交換をするために知っておきたいことや、リハビリの相談窓口についてご紹介します。
知識をつけてリハビリの意見交換に参加すると、希望する訓練を受けられるようになります。 たとえば、「もっと歩けるようになりたい」や「趣味を続けたい」など、自分の願いを伝えることで、リハビリの内容を自分に合ったものにしてもらえます。
リハビリは、一人ひとりの状態や目標に合わせて行われるべきです。自分や家族のために、積極的にリハビリについて話し合ってみましょう。 そうすることで、より効果的なリハビリを受けることができ、理想の生活に近づくことができます。
目次
高齢者向けのリハビリの意見交換をする前に知りたい基礎知識
リハビリの分野は幅広く、専門性を間違えると効果が出るのが遅くなってしまうかもしれません。高齢者向けのリハビリはどのような目標で行われるのかを知ると、今のご自身の目標が合っているのかどうかの判断基準となります。高齢者の方がリハビリの意見交換をする前に、頼れる場所もご紹介します。
適切なリハビリを行わないと起こること
心身に複数の疾患や衰えを抱えているのが高齢者の特徴です。一度病気や怪我をすると、慢性化しやすく、合併症を起こしやすい特徴もあります。そのため、1つの疾患に対してのみの治療・リハビリでは、生活の質が落ちる可能性があるのです。
高齢者の方が適切なリハビリを行わないと、次のような症状がみられるかもしれません。
- 筋力低下や関節可動域の低下から転倒リスクが高まる
- 外出の機会が減って認知機能が低下する
- できることが減って生活の自立度が下がり、精神的な不調をきたす
高齢者のリハビリ目標は3つ
高齢者の特性を踏まえて、リハビリは次の3つを目標に行われるのが一般的です。
- 後遺症からの機能回復
- 今後起こるかもしれない怪我や病気を防ぐ
- 自立した生活を送れるようにする
どの目標も大切ですが、②と③は生活の質を維持させるうえでとても重要です。高齢者がリハビリについて意見交換をする時は、これらの目標を目指しているのかどうかを見極めましょう。
高齢者がリハビリを受けられる場所
高齢者が現在のリハビリを変更したり、追加したりできる場所を知っておくと、意見交換後にすぐ行動できます。病院でリハビリができるのはご存知の方が多いですが、医療保険を利用してリハビリを受けるには期限がある点に注意です。病院のほかには、次の場所でリハビリが受けられます。
- 介護老人保健施設
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 自費リハビリ
介護老人保健施設とデイケアは、介護認定を受ける必要があります。介護認定を受ければ保険が適用されますが、要介護度に応じて受けられるサービスが異なるので希望のリハビリが利用できないかもしれません。
自費リハビリは費用がかかるいっぽうで、介護認定の手続きが不要で回数も自由なメリットがあります。
参考:厚生労働省「新たに通所リハビリテーションの指定を受けようとする方に」
今の高齢者のリハビリを続けるべきか…誰とどこで意見交換できる?
今リハビリを受けていても、なかなか効果がでなかったり、高齢者向けのサービスなのか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。ネガティブなままリハビリを続けても効果がでにくいので、高齢者向けのリハビリを受けられるかどうかの意見交換をするのがオススメです。
リハビリの意見交換をする必要性
高齢者のリハビリは病気や怪我を克服しても、長期にわたる可能性が高いです。さらに、高齢者の場合は短期間でも、心身の状態が変わる場合があります。そのため、同じリハビリでも定期的に意見交換をして目標や内容を改善していく必要があるのです。
意欲的にリハビリに取り組める方は、そうではない方よりも効果が高いといわれています。「どうせこのままだろう」という意識を「次は◯◯ができるようになったら嬉しい」と変換していくきっかけになるのが、意見交換です。
リハビリの意見交換ができる窓口
高齢者がリハビリについて再確認するには、まず現在の病院や施設の担当者と意見交換をしてみましょう。生活全般や介護のことを含めてリハビリ内容を相談したい場合は、お住まいの地域の自治体窓口を利用する方法もあります。介護支援専門員・保健師・社会福祉士に相談ができます。
希望するリハビリ専門職と直接意見交換ができるのが、自費リハビリです。自費リハビリは事業所によって専門職や専門とする内容が違います。高齢者に合ったリハビリを行っている事業所に相談してみると、よりご自分の状態への理解が深まるでしょう。
高齢者向けのリハビリを再検討|意見交換で話し合うべきこと
高齢者向けのリハビリをするために、意見交換の場が決まったら話し合う内容を決めておく必要があります。話し合う内容が決まっていると、意見交換で目標や次への行動が決まりやすいです。有意義な意見交換の時間にするために、ご家族と一緒に話し合ってみましょう。
現在の目標とリハビリ内容を確認
意見交換をする前に、現在の目標とリハビリ内容をおさえておくのが重要です。特に外部の施設や機関に相談するときは、現在の状況がわからなければ、今のリハビリが良いのか改善するべきなのかの判断が難しくなってしまいます。
日常生活で改善したい点
高齢者のリハビリでは、生活の質を落とさないようにするのが重要です。そのため、日常生活でできるようになりたいことや、これは維持したいという目標を明確にしておきましょう。
現在は難しいと思われる動作でも、小さな目標からステップアップしていけば達成する可能性が高まります。
希望するリハビリの種類や頻度
今はインターネット上にリハビリの情報がたくさんあります。「高齢者リハビリ」「高齢者リハビリメニュー」などと検索すると、リバヒリ内容についての情報が得られるので、意見交換の前に調べておきましょう。
希望するリハビリ内容や頻度が明確になっていると、相談されたスタッフも次の行動を提案しやすいです。
まとめ|高齢者のリハビリにおける意見交換
高齢者のリハビリテーション(リハビリ)には、主に3つの目標があります。
① 後遺症からの機能回復
これは、けがや病気の後に残った体の不調を改善することです。たとえば、手や足が思うように動かなくなった場合、それを元のように動かせるように練習します。リハビリを通じて、体の機能を回復させることが目指されます。
② 今後起こるかもしれないけがや病気を防ぐ
年をとると、転んでけがをしたり、新しい病気にかかりやすくなります。リハビリでは、体を強くしたり、バランスを良くしたりして、将来のけがや病気を予防します。 これにより、健康な体を保つことができます。
③ 自立した生活を送れるようにする
自分で食事をしたり、着替えをしたり、買い物に行ったりと、日常生活を自分の力でできるようにサポートします。 これにより、好きなことを続けたり、友達と会ったりすることができ、自分らしい生活を送ることができます。
これらの目標をもとにして、高齢者のリハビリでは意見交換が行われます。リハビリを受ける人と先生(セラピスト)が話し合って、どのようにリハビリを進めていくかを決めます。お互いの考えを共有することで、最適なリハビリ方法を見つけることができます。
若いころと比べて、回復するまでの時間やリハビリにかかる時間が長くなることがあります。しかし、意見交換をすることで、リハビリに対するやる気(モチベーション)が高まり、前向きな気持ちで取り組むことができます。一緒に目標を確認し合うことで、頑張る力がわいてきます。
もちろん、目標をしっかりと設定することも大切です。普段の生活で改善したいことや、これから達成したいことを考えてみましょう。たとえば、「自分で歩いて公園に行きたい」や「お孫さんと一緒に遊びたい」などです。これらの目標をもとに、リハビリで回復や機能の改善を目指しましょう。
自分の目標を持って、前向きにリハビリに取り組むことで、より良い結果につながります。周りの人や先生と協力して、一歩一歩進んでいきましょう!