NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 感覚障害はリハビリやアプローチで治る?下肢に対する自主トレ方法も紹介

感覚障害はリハビリやアプローチで治る?下肢に対する自主トレ方法も紹介

感覚障害はリハビリやアプローチで治る?下肢に対する自主トレ方法も紹介

脳卒中になると、脚の感覚が鈍くなったり、動かしにくくなったりする「感覚障害」が起こることがあります。この感覚障害は、ただ感覚がなくなるだけではなく、動きにも影響を与えるため、改善したいと考える人が多いでしょう。

でも、下肢の感覚障害は、正しいリハビリや方法を使えば、良くなる可能性が高まります。どのリハビリが効果的なのか、そしてその理由を知ることで、これからの回復に対して希望が持てるようになり、安心してリハビリに取り組むことができます。

さらに、自宅でもできるリハビリの方法や、感覚障害を改善するためのアプローチもあります。脚の感覚障害を良くして、もっと楽しく豊かな生活を送りたいと思う方は、ぜひ参考にしてみてください。

感覚障害を持つ患者さんがリハビリやアプローチを下肢に行う必要性

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脳卒中や神経障害、怪我などにより痛み・温度・触れられた感覚などが失われたり鈍ったりすることを感覚障害といいます。脳卒中の程度によって感覚障害の症状は異なりますが、感覚障害があると運動や日常生活に影響がでるのです。リハビリやアプローチが下肢に必要な理由を知っておきましょう。

感覚障害があると運動ができない理由

姿勢を保ったり運動を行ったりするには感覚の入力が必要なため、感覚障害があると運動ができなくなります。特に、運動には手足の位置を把握する「位置覚」と運動の方向を把握する「運動覚」の2つの深部感覚が大切です。この2つの感覚が障害されると、関節の位置や方向がわからなくなり、以下のような症状がでます。

  • 思っている方向に手足が動かない
  • 適切な力加減ができない
  • 体重が支えられない

感覚障害の影響は日常生活にも及ぶ

感覚障害が続き、適切なリハビリやアプローチを行わないと下肢の筋肉が低下してしまったり、関節が動きにくくなったりします。下肢が動かなくなると歩行や移動が困難となり、日常生活動作の自立度が低下してしまうのです。

できない動作が増えると以下のような影響がみられ、生活の質も低下します。

  • 何をやってもダメだと自分を責める
  • 外出の機会が減る
  • 趣味活動ができない
  • 自分の役割を全うできない

参考:医学書院「[第4回]深部感覚障害には,どのように感覚入力をするのですか?」

感覚障害に対するリハビリやアプローチで下肢は動くようになる?

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感覚障害を持つ方にリハビリやアプローチをすると下肢の感覚障害は治るのでしょうか。適切な訓練を行うと、下肢の感覚を司どる脳の機能が改善するという報告があります。実際に行われたリハビリの方法や回復状況から、効果があった方法やその理由をみていきましょう。

リハビリで脳の感覚野が広がる

感覚障害の方への適切なリハビリやアプローチを行うと、脳の感覚を司どる部分が広がるといわれています。

脳卒中を発症し片麻痺になった方へ行われたリハビリをご紹介します。この症例では、足の裏の感覚が全くなかったため、感覚がある肩甲骨からアプローチを開始しました。肩甲骨から感覚刺激を始め徐々に下肢へ移動したところ、2ヶ月で足の裏の感覚が改善し、立ったり座ったりする動作が改善したという報告があります。

このことから、感覚が全くない状態でも適切なリハビリやアプローチによって下肢の感覚を司どる部分が回復するといえるでしょう。

バランスをとるアプローチも必要

感覚障害の方には触れられた感覚・位置覚・運動覚の入力を行うリハビリが効果的ですが、感覚入力だけでは運動は改善しません。

下肢に感覚障害があった脳梗塞の方の例をご紹介します。この方は60代後半の男性で、座る姿勢では麻痺側の足の裏がつかず、立ち上がりなどの動作では関節の位置が定まらずに介助が必要でした。

股関節への感覚入力訓練に加え、以下のリハビリを実施したそうです。

  • 左右のお尻に均等に体重がかかるような座位のリハビリ
  • 立った状態での重心移動訓練

その結果、麻痺がある足の裏が床につくようになって体重を支えられるようになったため、介助量が減ったそうです。このことから、感覚障害がある状態でも体重をかける訓練や重心移動の練習を行うと、姿勢を保ったり歩いたりする時のバランスが取れるようになるといえるでしょう。

参考:感覚の残存した部位から介入することで,感覚脱失と起立・歩行動作のパフォーマンスが改善した慢性期脳卒中右片麻痺患者の一症例

参考:麻痺側下肢関節の深部感覚障害により立ち上がり動作が困難であった脳血管障害片麻痺の一例

感覚障害の自主リハビリやアプローチで下肢の運動性を上げよう!

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感覚障害の回復には感覚の入力とバランス訓練が必要なため、病院でのリハビリのほかに自主的なアプローチを継続するのが効果的です。感覚障害の患者さんが自宅で行える自主リハビリやアプローチの方法をご紹介します。下肢の運動性を取り戻し、日常生活動作が行えるようにしたいですね。

座ってできる脚の位置感覚トレーニング

裸足で椅子に座った状態でスタートします。最初は横からみて膝が直角に曲がっている位置に足を設定しましょう。その後、麻痺側の脚を曲げたり伸ばしたりして適当な位置で脚を止めます。

その状態で目を瞑って、麻痺側の脚の位置を感じるのが重要です。どのくらい膝関節が曲がっているか・伸びているか、どの部分にどのくらいの体重がかかっているかを感じてみましょう。感覚を把握したら、目を瞑ったまま麻痺がない方の脚を麻痺側と同じ位置に動かしてみます。

同じ位置だと感じたところで麻痺がない脚を止め、目を開けて位置が同じかどうかを確かめてみましょう。ズレがある場合は、脚の位置を修正します。感じた位置感覚と実際の動作の違いを確かめるのが目的です。

足の裏に体重をかけるアプローチ

手すり・壁・重たい家具などにつかまり、立って行うアプローチです。麻痺のない脚に体重をかけた状態から、少しずつ麻痺がある脚に体重をかけてみましょう。麻痺のある脚に体重がのっている感覚に集中するのがポイントです。

その後、麻痺のない脚に体重を移動させていき、麻痺のある脚に体重がかかっていない感覚を味わってみます。左右にゆっくりと体重移動をして、脚にかかる体重の差を感じるアプローチです。

まとめ|感覚障害を持つ人のリハビリのアプローチ…下肢には?

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下肢の感覚障害がある場合、適切なリハビリや改善のための方法がとても大切です。もし、脚の感覚が鈍くなっていると感じたら、改善するためのポイントをしっかり理解しておくことが必要です。

例えば、座りながら脚の位置を感じるトレーニングや、足の裏にしっかりと体重をかける練習があります。これらのトレーニングや方法には大事な意味があります。なぜこのトレーニングをするのか、どんな効果が期待できるのかを理解して、体を動かすことが重要です。

さらに、自宅でもできる簡単なトレーニングがあるので、正しいやり方やサポートを受けながら効果的にリハビリに取り組みましょう。

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