
脳梗塞再発に対する観察項目を解説!再発予防の重要性も理解しよう
2025.03.05

脳梗塞は再発率が高い病気で、3人に1人が5年以内に再発すると言われています。脳梗塞の再発を予防することが1番重要ですが、再発した場合は、早期発見と早期治療が重要です。
今回は、早期発見のために、脳梗塞再発に対する観察すべき項目について解説します。日常生活から見逃さないための視点だけでなく、再発させないための情報を頭に入れておきましょう。
目次
再発率が高い脳梗塞!見逃さないための観察項目は?

脳梗塞は再発率が高く、再発するば重篤な後遺症を抱えたり、死に至るケースもあるため注意が必要です。脳梗塞を発症するとどのような症状が表れるのか?観察するべき項目を解説します。
FASTを覚えて早期受診を!
脳梗塞の発症後の特徴をまとめたものに「FAST」という言葉があります。脳梗塞の特徴の頭文字を並べたもので、覚えやすくなっています。
<FASTの意味>
- F(Face)顔半分がゆがむ
- A(Arm)片腕に力が入らない
- S(Speech)ろれつが回らない
- T(time)発生時刻を確認して救急要請する
FASTのうち、1つでも症状があれば脳梗塞の危険が高いと言われています。身体に異変を感じたら迷わず救急車を呼びましょう.
頭痛・嘔吐は脳梗塞のサイン
突然の頭痛や嘔吐は脳梗塞を発症している可能性があります。「頭痛は日頃からよくあるけど…」と思っている人も油断大敵です。頭痛や嘔吐の裏側には、小さな脳梗塞や脳の動脈瘤が隠れていることもあるため、頭痛が続く場合は脳神経外科でMRIやCT検査を行いましょう。
隠れ脳梗塞に気を付けて!小さな変化も受診が必要
脳梗塞の中には、小さな脳梗塞(ラクナ梗塞)と呼ばれるものがあり、症状が見られない事もあります。注意深く観察すると脳梗塞を疑う点も出てくるので項目をまとめます。
<隠れ脳梗塞を見逃さないポイント>
- 以前より物忘れが目立つようになった
- 歩き方が不自然
- 半身(顔面を含む)に違和感がある
通常の脳梗塞と違って、見逃しがちな項目ですが、長く続くようであれば検査の対象です。軽視せず、医師に相談してください。
脳梗塞再発後の観察項目について|回復段階に応じた注意点

脳梗塞再発後は、時期に応じた観察項目があります。客観視することで、冷静に状態を把握できるため適切なサポートに繋がります。回復段階に応じた観察の注意点を解説します。
急性期は意識レベルや全身状態の確認
脳梗塞発症後すぐは、全身状態の確認が重要な項目です。バイタルサインを中心に観察する必要があります。
<急性期の観察項目>
- 血圧の変動
- 呼吸状態
- 意識状態
急性期では、「意識がはっきりしているか?」、「全身状態は安定しているか?」を中心に観察します。十分なリスク管理を行い、状態が安定していれば早期離床を促して筋力や体力低下を最小限に抑えます。
回復期は社会復帰を想定した観察を行う
回復期では社会復帰を想定した上で状態を観察していきます。必要以上のサポートは本人の回復を妨げてしまうため、正確な身体機能や認知機能の把握が必要です。
<回復期の観察項目>
- 麻痺の程度
- 認知機能
- 排尿、排泄機能
- 食事の状態
脳梗塞再発後、スムーズな社会復帰を果たすために、絶妙なサポートが必要になります。適度な介助量で本人の力を引き出していくイメージです。後遺症の程度を十分に把握して、必要な環境設定やサポート、声掛けを行いましょう。
慢性期は家族も含めた精神状態の観察を
慢性期では精神状態も含めた観察が必要です。後遺症を抱えた状態では、精神状態が悪化し、自宅にこもりがちになる人も少なくありません。
本人の悩みに寄り添い、必要なサービスを選択して精神面のサポートも行いましょう。高次脳機能障害によってうつ傾向になる事も多いので、関わり方に注意が必要です。
脳梗塞の再発予防に重要な項目を解説!普段の体調も観察しよう

脳梗塞は再発率が高いため、予防が重要です。脳梗塞の後遺症が軽かったからと言って油断してはいけません。再発予防のために重要な項目を解説します。
継続した血圧の管理が重要
脳梗塞再発予防には血圧管理が1番大事になります。日々の血圧管理で脳梗塞再発が予防できるので、血圧の測り方を復習しましょう。
<血圧の管理方法>
- 血圧は朝と夜に2回測る(起床後1時間以内と就寝前)
- 自宅で、リラックスしている状態で測る
- 血圧計は心臓の高さにする
- 数値の記録を残す
血圧は精神状態や環境の変化で容易に変化するため、自宅で測った血圧が一番正しい数値になります。毎日の血圧を記録しながら、自身の体調管理を続けてください。
生活習慣の改善を心がける
脳梗塞発症後は、薬の服用が始まりますが、薬に頼った生活にならないように気を付けましょう。脳梗塞再発予防には正しい生活習慣が大事になるので、以下の項目を参考にして下さい。
<生活習慣の改善項目>
- 体重管理(バランスの良い食事と運動習慣)
- 適度な飲酒量
- 禁煙
- 糖尿病の管理、予防
- ストレスの管理
上述した項目は地味に見えると思いますが、脳梗塞再発予防に効果的です。取り入れられるものから少しずつ始めてみましょう。
定期的なリハビリも再発予防に有効
脳梗塞再発予防には定期的なリハビリが効果的です。医師が必要と判断すれば、介護保険のリハビリサービスを利用することができます。「自分で運動するにも、何をどれぐらいやればいいのかわからない…」という人も多いと思うので専門家を頼ってください。
脳梗塞発症後は不安に思うこともたくさんあると思いますので、心の支えにもなることでしょう。
まとめ|脳梗塞再発を防ぐ!継続的に観察すべき項目

脳梗塞は、血管が詰まって脳に十分な血液が届かなくなる病気です。特に、再発率が高いため、治療を受けた後でも継続した観察が必要になります。もし再発すると、体に重い後遺症が残ったり、最悪の場合は命の危険にさらされることもあるので、油断は禁物です。
また、脳梗塞は早期発見が重要な病気です。少しでも体の動きに違和感を覚えたり、言葉がうまく出てこないなどの異変を感じたら、迷わず救急車を呼びましょう。治療を始めるのが早ければ早いほど、後遺症の程度を軽くすることができます。
さらに、病院での治療が終わっても、血圧管理や生活習慣の改善を続けることが大切です。例えば、塩分の多い食べ物を控えたり、適度な運動を心がけるといった行動を習慣化しましょう。脳梗塞を軽視してしまうと、再発のリスクが高まります。日頃から自分の体調に気を配り、継続した体調管理に努めることがとても重要です。定期的に検査を受けたり、異変を感じたときにすぐ受診することで、大切な命を守ることにつながります。