
交通事故後の腰痛が5回で改善|整骨院で治らなかった理由
2025.10.14

「もう一生この痛みと付き合っていくしかないのかな…」
交通事故から3ヶ月。整骨院に週3回通っても良くならない腰痛に、20代で2人の子どもを育てる彼女は心が折れかけていました。子どもを抱っこすることも、買い物袋を持つことも、仕事で長時間座ることもできない。毎日が痛みとの戦いです。
でも、訪問リハビリを受けてわずか5回で、彼女の生活は変わりました。
なぜ整骨院では治らなかった痛みが、短期間で改善したのか。その答えは「痛む場所」ではなく「痛みの根本原因」を見つけたからです。
目次
「ゆっくり治しましょう」と言われ続けた日々

彼女は事故前から軽い腰痛はありました。デスクワークが多くて、時々重だるさを感じる程度。「これくらいは仕方ない」と思っていたそうです。
ところが交通事故に遭った翌日から状況は一変しました。
起き上がるのも辛い。歩くと響く。座っていても痛い。整形外科でレントゲンを撮っても「骨には異常なし」。湿布と痛み止めを処方されるだけでした。
「少しでも良くなれば」と近所の整骨院へ通い始めたのは事故直後。週に3回、マッサージや電気治療を受ける日々が始まりました。
施術直後は少し楽になる気がする。でも翌日にはまた同じ痛みが戻ってくる。3ヶ月経っても、症状は一向に改善しません。
先生に相談すると「交通事故の後遺症は時間がかかりますから、ゆっくり治していきましょう」と言われるだけ。
一番辛かったのは、子どもを抱っこできないこと
痛みが続く中で、彼女が最も辛かったのは育児でした。
3歳と1歳の子どもが泣いてすがりついてきても、抱き上げられない。買い物から帰ってきても、重い袋を持てないから何往復もする。掃除機をかけるのも、洗濯物を干すのも激痛。
「このままでは仕事も育児も続けられない」
そう思った時、知人から訪問リハビリのことを聞いて、藁にもすがる思いで連絡したんです。
衝撃だった初回の評価「腰が痛いのに、原因は腰じゃない」

訪問リハビリの初回。理学療法士はいきなり腰を触りませんでした。
まずやったのは、立ち姿勢、座り姿勢、歩き方、日常動作のチェックです。鏡の前に立って、横からも後ろからも観察。床に座る動作、立ち上がる動作、前屈みになる動作。あらゆる角度から身体の使い方を見ていきました。
そして言われたのが、
「腰の痛みの原因は、腰そのものじゃないですね。全身のバランスが崩れていることが根本原因です」
正直、最初は「え?」って思ったそうです。だって腰が痛いんですから。
見つかった身体の歪み
詳しく評価してもらうと、彼女の身体には色々な歪みがありました。
骨盤が左右で高さが違う。右側が2cm高くなっていて、バランスが崩れている。左肩が下がっている。首が前に出ている。左足に体重がかかりすぎている。
この歪みによって、腰の筋肉だけが過度に働き続けて、疲労して痛みを出していたんです。
さらに深く評価を進めると、この歪みが生まれた原因も判明しました。交通事故の衝撃で、左側の骨盤周りの筋肉が緊張して、骨盤を引っ張り上げていた。さらに、事故後の痛みをかばう動作を3ヶ月続けたことで、身体全体の使い方に癖がついてしまっていたんです。
つまり、整骨院で腰だけをいくらマッサージしても、この「骨盤の歪み」と「筋肉の使い方の癖」を直さない限り、痛みは取れなかったということです。
3回目で「あれ、痛くない…?」
根本原因がわかったので、リハビリの方針も決まりました。
骨盤周りの緊張した筋肉をゆるめる。左右の筋力バランスを整える。正しい身体の使い方を覚える。自宅でできるセルフケアを習慣にする。
このプログラムでリハビリを進めた結果、3回目のリハビリ後に彼女は初めて「痛みが半分になった」と実感したそうです。
「朝起きた時の痛みが明らかに違う。子どもを抱っこしても、以前ほど痛くない」
表情が、3回目にして明らかに明るくなったのを、担当の理学療法士は今でも覚えているそうです。
5回でどこまで変わったのか

リハビリでは毎回、痛みのレベルと日常動作を記録していました。
- 初回:痛みレベル10(常に激痛)、抱っこ不可、買い物袋持てず、座位30分が限界
- 2回目:痛みレベル8、短時間なら抱っこできる、座位1時間可能に
- 3回目:痛みレベル5、軽い買い物袋なら持てる、朝の痛みが軽減
- 4回目:痛みレベル3、ほぼ通常の生活が可能、長時間座れる
- 5回目:痛みレベル2、運動も再開できそう、子どもと遊べる
わずか5回で、痛みが80%減りました。
なぜ5回で改善できたのか
理由は大きく3つあります。
- 一つは、根本原因に直接アプローチしたから。
整骨院では「腰の痛み」に対してアプローチしていましたが、リハビリでは「骨盤の歪み」「筋力バランス」「動作の癖」という根本原因に直接働きかけました。
- 二つめは、自宅でのセルフケアを徹底したから。
リハビリは週1回、約1時間。でも彼女は、教わったセルフケアを毎日20分欠かさず続けました。
朝起きた直後のストレッチ5分、仕事の合間の骨盤体操5分、寝る前の筋力トレーニング10分。
週1回の60分より、毎日の20分の方が身体の変化は大きいんです。
- 三つめは、生活動作そのものを改善したから。
子どもを抱き上げる時の姿勢、デスクワークでの座り方、掃除機をかける時の姿勢。日常生活での身体の使い方を根本から見直しました。
これで、リハビリ以外の時間も「治療の時間」になったんです。
あなたの姿勢は大丈夫?簡単セルフチェック

鏡の前に立って、自分の姿勢をチェックしてみてください。
- 後ろから見た時
後頭部の中心、背骨、お尻の割れ目、両膝の内側、内くるぶしの中心。これらが一直線上にありますか?
- 横から見た時(スマホで撮影すると分かりやすいです)
耳の穴、肩の外側、太ももの横の骨、膝のお皿の後ろ、外くるぶしの2〜3cm前。これらが一直線に並んでいますか?
一直線に並んでいない場合、身体が歪んでいる可能性があります。
身体が歪むとどうなるか
骨盤が前に傾いていると、腰を反りすぎて慢性腰痛になったり、お腹がぽっこり出て見えたり、太ももの前側が張りやすくなります。
逆に骨盤が後ろに傾くと、猫背になって首が前に出る。首こり、肩こりが慢性化します。背中が丸まって老けて見えることも。
左右で骨盤の高さが違うと、片側だけ腰痛や股関節痛が出たり、肩の高さが左右で違ったり、歩く時にふらついたりします。
彼女の場合も、左右の骨盤の高さの違いが全ての不調の始まりでした。
リハビリって何をするの?マッサージじゃないの?

彼女は最初、「リハビリ=マッサージ」だと思っていたそうです。
でも実際に受けてみて、その違いに驚いた。マッサージはほとんどなくて、代わりに「動作の訓練」が中心だったんです。
実際の流れ
- 初回は徹底的な身体評価(30分)
姿勢の分析、関節の可動域測定、筋力テスト(左右差の確認)、歩行分析、日常動作の観察、痛みの出る動作・姿勢の特定。
この評価で、「なぜ痛いのか」「どこが問題なのか」が明確になります。
- 2回目以降は個別プログラム
評価結果をもとに、一人ひとりに合わせたプログラムを作ります。
彼女の場合は、短期目標として「2週間で痛みレベルを10→5に」「子どもを5分間抱っこできるように」「連続座位時間を30分→1時間に」。
中期目標として「1ヶ月で痛みレベルを5→2に」「通常の家事・育児ができるように」「仕事に支障がない状態に」。
- 具体的なトレーニング内容
骨盤周りの筋肉のストレッチで緊張をゆるめる。体幹トレーニングで弱い部分を強化する。左右対称の動きを取り戻す訓練。バランス能力向上トレーニング。
大事なのは、「痛い場所」じゃなくて「原因となっている場所」を鍛えることです。
- 正しい動作パターンの習得
立ち上がる時の動作、物を持ち上げる時の姿勢、長時間座る時の姿勢、歩き方、階段の上り下り。
頭で理解するだけじゃなくて、身体で覚えるまで繰り返し練習します。
- 自宅セルフケアプログラム
週1回のリハビリだけでは不十分。自宅での毎日のセルフケアが、改善の鍵を握ります。
彼女は毎日、朝起床後5分(骨盤周りのストレッチ×3種類、正しい姿勢の確認)、昼仕事の合間5分(デスクでできる骨盤体操、肩甲骨ほぐし)、夜就寝前10分(体幹トレーニング×3種類、全身のストレッチ)を続けました。
このセルフケアを続けたことが、短期間での劇的な改善につながったんです。
なぜ訪問リハビリが効果的だったのか

整骨院では「腰の痛み」だけを見ていましたが、リハビリでは「骨盤の歪み→筋力バランスの崩れ→動作の癖」という原因の連鎖を断ち切りました。
それと、訪問リハビリは自宅で行うので、実際の生活動作そのものを訓練できます。
実際の布団から起き上がる練習、実際のキッチンでの家事動作、実際の子どもを抱き上げる練習、実際の階段の上り下り。
これで、「リハビリ室ではできるのに、家ではできない」っていう問題が起こりません。
あと、自宅に来てくれるので通院不要。1対1で60分じっくり向き合える。日常生活の様子を直接見て指導できる。
彼女も「子どもがいるから通院は無理だった。家に来てくれるから続けられた」と言っていました。
こんな症状、身体の歪みが原因かも
長引く痛みや原因不明の不調は、身体の歪みや姿勢の問題が隠れている可能性があります。
以下の項目に3つ以上当てはまる方は、身体の歪みが原因で不調が出ているかもしれません。
交通事故後の症状
- 事故から3ヶ月以上経つのに痛みが続いている
- 整形外科で「骨に異常なし」と言われた
- 整骨院に通っているが改善しない
- 事故後、痛む場所が増えてきた
- 天気が悪い日に痛みが強くなる
日常生活への影響
- 長時間同じ姿勢を続けるのが辛い
- 朝起きた時が一番痛い
- 子どもを抱っこできない(抱っこが辛い)
- 重い物を持つと痛みが出る
- 仕事に集中できないほどの痛み
身体の状態
- 左右の肩の高さが違う
- 鏡を見ると身体が傾いている
- 靴の減り方が左右で違う
- いつも同じ側にカバンをかける
- 片足に体重をかけて立つ癖がある
他の症状
- 腰痛だけでなく、肩こりや首の痛みもある
- 頭痛が頻繁に起こる
- 疲れやすくなった
- 寝ても疲れが取れない
- 姿勢が悪いと家族に指摘される
5個以上当てはまる方は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
よくある質問

Q:整形外科と訪問リハビリ、どう使い分けるべき?
整形外科は「診断」と「医学的治療」、訪問リハビリは「機能回復」と「生活動作の改善」が専門です。
まず整形外科で診断(骨折や重大な損傷がないか確認)、医師の許可を得て訪問リハビリで機能回復、必要に応じて整形外科で経過観察。両方を併用することで、より効果的です。
Q:何回くらいで効果が出る?
個人差はありますが、3〜5回で痛みの変化を実感される方が多いです。
ただ、事故からの経過期間(早いほど改善しやすい)、身体の歪みの程度、日常生活でのセルフケアの実施度、年齢や基礎体力によって変わります。
彼女のように5回で大きく改善する方もいれば、10回程度かかる方もいます。
Q:自費だと費用が心配…
交通事故の場合、自賠責保険や任意保険が適用されるケースがほとんどです。
まずは保険会社に相談してみてください。
Q:整骨院とリハビリ、両方受けてもいい?
可能ですが、リハビリはどちらか一つに絞る方が効果的です。
異なるアプローチを同時に行うと、どちらの効果なのか分からなくなります。また、保険適用の関係で、同時に複数の施設を利用できない場合もあります。
Q:痛みがなくなったら終了?
痛みが消えても、再発予防のプログラムをおすすめします。
痛みが取れた後も、正しい姿勢の習慣化、再発予防のための体幹強化、スポーツや趣味への復帰、より健康な身体作りという目標設定ができます。
彼女も痛みが取れた後、「運動を再開したい」という目標で、さらに3回のリハビリを受けました。
最後に

交通事故後、3ヶ月間整骨院に通っても改善しなかった腰痛。
でも彼女は、訪問リハビリで「全身の歪み」という本当の原因を見つけて、わずか5回で痛みが80%軽減しました。
腰が痛いからといって、腰に原因があるとは限りません。全身のバランス、筋力、動作の癖。色々な要因が絡み合っています。
「そのうち治るだろう」と放置すると、身体の歪みが定着して、治りにくくなります。違和感を感じたら、早めに専門家に相談することが大切です。
それと、週1回のリハビリも大事ですが、毎日のセルフケアが一番大きな力になります。教わったことを実践し続けた彼女だからこそ、短期間で大きな変化が得られました。
「もう治らないかも」と諦めていませんか?
彼女も3ヶ月前は、同じように絶望していました。でも今は、子どもを抱っこして笑顔で遊んで、仕事にも集中できる日々を取り戻しています。
原因不明の痛み、長引く不調に悩んでいる方へ。一度、専門家の評価を受けてみてください。あなたの痛みの本当の原因が見つかるかもしれません。そして、その原因がわかれば、改善への道は必ず開けます。