NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 膝に負担をかけない歩き方とは?今日からできる改善ポイントと予防法

膝に負担をかけない歩き方とは?今日からできる改善ポイントと予防法

膝に負担をかけない歩き方とは?今日からできる改善ポイントと予防法

「階段を降りるときに、つい膝をかばってしまう」「買い物帰りに膝が重だるくなる……」そんな毎日が続くと、外出するのも少し不安になりますよね。

膝の痛みは「歳のせい」と諦められがちですが、実はちょっとした歩き方のクセや、普段使えていない筋肉が原因のことも多いのです。

そこで今回は、無理な運動ではなく、今日の一歩から変えられる「膝をいたわる歩き方」のコツをお伝えします。特別な道具は必要ありません。10年後も自分の足で軽やかに歩き続けるために、まずは「楽に動くためのヒント」をのぞいてみませんか?

膝に負担をかけない歩き方を身につけるために知っておきたいこと

画像

膝に負担をかけない歩き方を身につけるには、まず、原因を知ることが大切です。どこに負担がかかっているのかが分かれば、改善のポイントや気をつけたい動作が明確になり、膝の違和感も軽減しやすくなります。

筋力の低下や姿勢のクセが与える影響

お尻や太ももの筋力が低下すると、歩くときの衝撃を吸収しにくくなり、膝の関節に負担がかかりやすくなります。また、以下のような姿勢のクセがある場合も、膝への負担を招きやすくなるため要注意です。

  • 猫背で頭が前に出ている
  • 片足に体重をかけて立つ
  • 反り腰で腰だけ反っている

このような状態が続くと膝に力が偏り、違和感が出やすくなります。普段から意識して、筋力と姿勢のバランスを整えることが大切です。

歩幅・重心・着地など歩き方の偏り

歩幅が極端に狭かったり広すぎたりすると、足の運びが安定せず、膝に余分な力が入りやすくなります。重心が前後や左右に偏っている場合は、片側の膝に負担が集中しやすくなるため注意が必要です。

さらに、足裏全体でベタッと着地する歩き方は衝撃を吸収しにくく、膝の疲れにつながることがあります。

膝の負担を軽減するには、このような歩き方のクセや偏りに気づくことが大切です。普段の歩き方を動画に撮ったり、周りの人に見てもらったりしてチェックしてみましょう。

日常の動作で膝へ負担をかける意外な原因

動作負担がかかるNG動作膝を守る改善ポイント
立ち上がる勢いだけで身体を持ち上げるゆっくりと椅子スクワットの要領で
しゃがむ膝を深く曲げすぎる深く曲げすぎず、手すりなども活用する
座る長時間同じ姿勢で座り続けるこまめに立ち上がり筋肉の緊張を解く
日常動作の改善ポイント一覧

何気ない日常動作のなかにも、膝に負担をかける原因が隠れています。例えば、次のような動作には注意が必要です。

  • 長時間同じ姿勢で座り続ける
  • しゃがむときに膝を深く曲げすぎる
  • 立ち上がる際に勢いだけで身体を持ち上げる

このようなクセが続くと膝まわりの筋肉が緊張しやすくなり、違和感につながることがあります。普段の動作を見直すことも重要です。

膝に負担をかけない歩き方を実践するための具体的なポイント

画像

歩く際にちょっとしたコツを押さえると、膝にかかる負担が大きく軽減します。日常生活がぐっとラクになる方も多いため、まずは基本を押さえることが欠かせません。

ここからは、今日から取り入れられる歩き方のコツや避けたい動作を確認しましょう。

正しい歩行フォームのコツ

正しい歩行フォームを身につけるには、身体の軸を安定させることが大切です。姿勢や足の運び方を整えると、膝への負担をぐっと減らせます。歩くときは、次のポイントを意識しましょう。

  • あごを軽く引き、背筋を伸ばす
    あごを軽く引き、「頭のてっぺんが空から糸で優しく吊るされているようなイメージで」背筋を伸ばす
  • 膝をまっすぐ前に向けて歩く
    「膝のお皿で、進む方向を明るく照らすような感覚で」まっすぐ前に向けて歩く
  • 足裏全体でやわらかく着地し、自然に体重移動する
  • 歩幅は大きすぎず、小さすぎず一定に保つ

これらを意識するだけでも、衝撃が分散されて歩きやすさが変わってきます。まずはゆっくりと歩きながら、フォームを確認してみましょう。

避けたい歩き方のクセ

項目膝にやさしい歩き方(理想)膝に負担をかける歩き方(NG)
姿勢あごを引き、背筋を伸ばす猫背やスマホを見ながらの俯き姿勢
着地足裏全体でやわらかく着地ペタペタと足裏全体で叩きつける着地
膝の向き膝をまっすぐ前に向ける内股、またはがに股になっている
歩幅広すぎず狭すぎず、一定に保つ極端に広すぎる、または狭すぎる
「良い歩き方」と「悪い歩き方」の比較表

膝に負担をかける歩き方には、以下のような共通点があります。

  • ペタペタと足裏全体で着地する
  • 歩幅が大きすぎる、または小さすぎる
  • 内股やがに股で歩いてしまう
  • スマホを見ながら頭が前に出ている

これらが続くと膝周りに余分な力が入りやすく、疲れやすさや違和感の原因になります。まずは、クセに気づくことが大切です。知らないうちに続けている場合も多いため、まずは自分の歩き方を振り、少しずつ修正していきましょう。

今日からできる簡単な歩行トレーニング

正しい歩き方を身につけるには、日ごろのちょっとしたトレーニングが役立ちます。次のような方法であれば特別な道具は必要なく、家の中でも気軽に取り入れることが可能です。

  • まっすぐのラインを意識してゆっくり数歩歩く
  • 軽い前歩きや後ろ歩きで重心移動の感覚をつかむ
  • 壁に背中をつけ、姿勢が整っているかを確認する
  • その場で足踏みし、膝とつま先がまっすぐ上がるかチェックする

短い時間でも継続することでフォームが安定し、膝への負担を抑えやすくなります。

参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

膝に負担をかけない歩き方を続けるために取り入れたい予防ケア

画像

膝にやさしい歩き方を続けるには、日頃のケアも欠かせ「毎日頑張ってくれている膝のために、ちょっとした『ご褒美』をあげる感覚で、」日頃のケアも取り入れていきましょう。筋肉や関節を整える習慣が身につくと、歩行時の負担が軽減され、痛みの予防にもつながります。

ここからは、忙しい毎日でも無理なく続けられるケア方法を紹介します。

ストレッチで関節の動きを整える

歩くときの負担を減らすためには、関節まわりの柔軟性を保つことが大切です。特に、太ももの前側・裏側、ふくらはぎの筋肉が硬くなると、歩行時の動きがぎこちなくなり、膝に力が入りやすくなります。

無理のない範囲で軽く伸ばすだけでも、関節の動きがスムーズになりやすく、歩きやすさの向上に役立ちます。以下のような時間に取り入れるのがおすすめです。

  • 入浴後
  • 寝る前
  • テレビを見ているとき

無理なく続けられる時間を見つけて、毎日の習慣にしていきましょう。

太ももとお尻の筋トレで歩きやすい身体を作る

歩きやすい身体をつくるには、太ももとお尻の筋肉をしっかり使える状態にしておくことが大切です。これらの筋力が弱いと、膝に負担がかかりやすく、歩くときにふらつきや疲れを感じやすくなります。

自宅でできる簡単な筋トレとしては、次のような動きがおすすめです。

  • 椅子に浅く座り、ゆっくり立ち上がる椅子スクワット
  • 仰向けでお尻を持ち上げてキープするヒップリフト
  • 片足でバランスを取る片足立ち

無理のない回数から始め、続けやすいタイミングで取り入れていきましょう。

靴選び・体重管理など生活習慣を整える

膝への負担を減らすには、歩き方だけでなく生活習慣を整えることも大切です。特に、以下のような習慣は膝の負担に直結しやすいため、日常的に見直しておきましょう。

  • クッション性があり、足に合った靴を選ぶ
  • かかとが硬すぎたり、すり減ったりしている靴は早めに交換する
  • 日々の食事や活動量を見直し、体重の急増を防ぐ

負担をためない習慣が身につくと、歩くときの安定感も高まりやすくなります。

FAQ|膝に負担をかけない歩き方に関するよくある質問

画像

Q:膝が痛いときでも歩いたほうがいいですか?

A:軽い違和感程度であれば、無理のない範囲でゆっくり歩くことが負担軽減につながる場合があります。ただし、強い痛みがある・腫れが長く続くなどの症状が出ているときは無理せず休むことが大切です。状態が悪化する前に、必要に応じて専門機関への相談も検討しましょう。

Q:正しい歩き方に変えると、どれくらいでラクになりますか?

A:変化を感じるまでの期間には個人差がありますが、姿勢や着地の意識を変えるだけでも、数日〜1週間ほどで歩きやすさを感じる人もいます。筋力や柔軟性は徐々に変わるため、ストレッチや軽いトレーニングとあわせて続けることが大切です。

Q:体重は膝の負担に関係ありますか?

A:体重は膝の負担に大きく関係しており、体重が1kg増えると歩行時には膝に約3〜5倍(3〜5kg)、階段の昇降時には約5〜7倍の負担がかかるとされています。

動作内容膝にかかる負担(体重の○倍)体重1kg増加時の追加負荷
平地を歩く3〜5倍+3〜5kg
階段の昇降5〜7倍+5〜7kg
体重増加による膝への衝撃

急に体重を落とす必要はありませんが、食事や日常の活動量を見直すことで、膝にかかるストレスを大きく軽減できます。無理のない範囲で生活習慣を整えることが大切です。

Q:毎日どれくらい歩けばいいですか?

A:適切な歩行量は人によって違いますが、まずは「疲れにくい範囲で続けられる量」を基準にしましょう。時間や歩数にこだわるより、正しいフォームで歩くことのほうが大切です。短い距離でも積み重ねることで歩き方は安定しやすくなります。

Q:サポーターは使ったほうがいいですか?

A:サポーターは膝を安定させたいときに役立つアイテムです。ただし、長時間つけっぱなしにしてしまうと、膝まわりの筋力が働きにくくなることもあります。そのため、運動時だけ使う・違和感が強い時期だけ取り入れるなど、状況に合わせて使うのがおすすめです。ストレッチや軽い筋トレと併用しながら、無理のない範囲で活用していきましょう。

まとめ|膝に負担をかけない歩き方を習慣にしよう

画像

膝の痛みや違和感は、体からの「歩き方を見直して」というサインです 。 今回ご紹介した「あごを引く」「足裏全体で着地する」といったポイントは、どれも今日から、一歩目から意識できることばかりです 。

膝をいたわる歩き方が身につけば、買い物や散歩といった日常の何気ない移動が、将来の健康を守る「最高のトレーニング」に変わります 。 もちろん、靴選びや体重管理も大切ですが、まずは次の外出で「膝の向き」を意識することから始めてみませんか?

10年後、20年後も軽やかに歩き続けるために、できることから少しずつ、楽しみながら取り組んでいきましょう 。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00