NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム FMA評価の点数と見方:脳卒中リハビリの効果を最大226点で「見える化」する方法

FMA評価の点数と見方:脳卒中リハビリの効果を最大226点で「見える化」する方法

FMA評価の点数と見方:脳卒中リハビリの効果を最大226点で「見える化」する方法

脳卒中のリハビリで使われる「fma評価(Fugl-MeyerAssessment)」は、運動機能の回復度合いを数値で測れる信頼性の高い評価法です。上肢や下肢の動きに加え、感覚・バランス・可動域なども含めて幅広く確認できるため、リハビリの効果を客観的に把握できます。

特に訪問リハビリや在宅リハビリでは、評価を使って目標を立てたり、回復の進み具合を確認したりすることが可能です。

今回は、fma評価の基本や点数の見方、在宅での活用方法とあわせて、効果的にリハビリを進めるためのヒントを紹介します。

目次

FMA評価で脳卒中後の運動機能を測定:リハビリで重視される基本と信頼性

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fma評価は、脳卒中後のリハビリで体の回復を点数として確認できる方法です。どのような経緯で生まれたのか、実際にどのような運動機能を測れるのか、そしてなぜリハビリで重視されているのかを順に紹介します。

評価の概要と誕生の背景:片麻痺患者の運動機能が点数化できる理由

fma評価(Fugl-MeyerAssessment)は、1975年にスウェーデンの研究者Fugl-Meyerらによって作られた、脳卒中患者の運動機能を調べるための検査です。片麻痺のある人を対象に、腕や足の動き・感覚・バランス・関節の動きや痛みなどを細かく点数化します。

現在では世界中のリハビリ現場で広く活用され、日本でも国立リハビリテーションセンターや学会などで、標準的な評価法の一つとして用いられている評価方法です。


FMA評価で測定できる運動機能の特徴:回復を「見える化」する指標

fma評価では、脳卒中で麻痺がある側の腕や足の動きを細かく確認できます。例えば、腕を持ち上げる・手を握る・足を動かす・立ち上がるなどの基本的な動作が対象です。点数にすることで、どのくらい自分で体を動かせるかを見える化できます。

さらに、筋力だけでなく感覚やバランスもチェックできるため、体全体の機能を多方面から捉えられるのが特徴です。このような検査結果は、リハビリの進め方を考えるうえで欠かせない指標となります。

リハビリでFMA評価が使われる理由:回復の実感を高め、治療方針を共有

fma評価がリハビリで大切にされているのは、体の回復を数字で確かめられるからです。点数の変化を見ることで、本人や家族が「良くなってきた」と実感しやすく、リハビリを続ける大きな励みとなります。

また、医師やセラピストが同じ基準を使うことで治療方針の共有が容易になり、チームでの支援も円滑に進みます。さらに研究では、数点の変化が意味のある改善とされ、信頼性の高い指標として広く用いられているのです。

参考:J-stag「脳卒中後の上肢機能評価における臨床的に意義のある最小変化量と最小可検変化量の検証」

FMA評価の評価項目と点数の仕組み:上肢・下肢から感覚まで全226点を具体解説

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fma評価は、腕や足の動きに加えて感覚やバランス、関節の可動域、痛みなども含めて確認できる包括的な方法です。上肢と下肢の運動機能や点数の付け方、さらに感覚やバランスといった要素をどのように評価しているのかを解説します。

日常生活動作に直結!上肢・下肢の運動機能の評価項目と確認動作

脳卒中の後遺症で多く見られるのが、「腕や足に力が入らない」「思うように動かせないと」などの症状です。fma評価では、このような運動機能の低下を細かくチェックし、回復の度合いを点数で表します。評価の対象は、日常生活に直結する基本的な動作です。

  • 腕を持ち上げる、肘を曲げる
  • 手を握る、指を開く、つまむ
  • 足を持ち上げる、膝を伸ばす
  • 立ち上がる、数歩歩く

日常の動作を確認することで、「食事の際にスプーンを持てるか」「トイレに立ち上がれるか」といった、生活場面での自立度が見えてきます。点数化によって変化が把握しやすくなり、本人や家族も回復の進み具合を理解しやすくなるのが、大きな利点です。

FMA評価の点数の付け方(0〜2点判定)と回復度合いの見方

fma評価は、動作ごとに0〜2点で判定されます。0点は動けない・1点は部分的に可能・2点は正常にできるとされ、全体の合計は最大226点です。点数が高いほど運動機能の回復が進んでいると評価され、大きく5つの領域に分けられています。

  • 上肢運動機能:66
  • 下肢運動機能:34
  • 感覚:24
  • バランス:14
  • 関節可動域と疼痛:各44点(合計88点)

5つの領域を合計すると226点となり、単なる運動だけでなく感覚や痛みまで幅広く確認できることが分かります。少しの点数の変化でも臨床的に価値があり、数点の向上が本人や家族に回復の実感を与え、リハビリを継続する力になるでしょう。

「動けるか」の次に重要!感覚・バランス・可動域・疼痛の評価項目

fma評価は、動かす力があるかだけではなく実際の生活に影響する、以下の要素も評価されます。

  • 感覚:触られたことがわかるか、関節の位置を感じられるか
  • バランス:座ったときや立ったときに姿勢を保てるか
  • 可動域:関節が痛みなく動く範囲はどのくらいか
  • 疼痛:動作を行ったときに痛みが生じるかどうか

このような情報があることで、「動けるかどうか」だけではなく、「安全かつ快適に動けるか」まで把握できます。リハビリの方針を立てる際や、生活環境を整えるうえでも欠かせない視点です。

【在宅・訪問リハビリ活用法】FMA評価でリハビリ効果を最大化する実践のコツ

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fma評価は、病院だけでなく、自宅での生活や訪問リハビリでも活用できる方法です。実際にどのように取り入れるのか、在宅リハビリでの目標づくりや評価の工夫を知ることで、より効果的に回復を進められます。

訪問リハビリで実践:FMA評価で自宅の生活環境に合わせた計画を調整

訪問リハビリでは、セラピストが自宅に来てfma評価を行い、利用者の状態を確認します。腕や足の動き、バランス、痛みの有無などを測定し、その結果をもとにトレーニング内容を調整します。

自宅という生活環境のなかでも評価を受けられるため、実際の生活動作に即したリハビリ計画を立てやすいのが特徴です。

回復意欲と自立を促す!FMA評価の数値に基づく在宅リハビリ目標設定

fma評価を在宅リハビリに取り入れると、「自分で食事をする」「短い距離を歩けるようにする」などの目標を立てやすくなります。数値として経過を確認できるため、本人や家族が成果を実感しやすく、取り組む意欲も続きやすいです。

日常生活と直結する動作を目標にすることで、生活の質が向上し、段階的に自立へと結びつきます。

FMA評価の継続が鍵:小さな変化を捉え、リハビリ計画を柔軟に見直す

fma評価は一度だけ行うものではなく、継続して取り入れることが大切です。数週間や数ヶ月ごとに繰り返し実施することで、小さな変化も点数として確認でき、回復効果を実感しやすくなります。

点数が上がれば改善がわかり、下がれば新たな課題を早めに発見できます。継続的なチェックによって、リハビリ計画を柔軟に見直し、より効果的な支援を続けられるのです。

FMA評価に関するFAQ(よくある質問)

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Q1.FMA評価とは、具体的にどのような人の何を測る検査ですか?

FMA評価(Fugl-MeyerAssessment)は、脳卒中によって片麻痺が生じた患者さんの運動機能の回復度合いを数値で測るために、1975年にスウェーデンの研究者によって開発された検査です。腕や足の動きだけでなく、感覚、バランス、関節の動きや痛みなども含めて幅広く評価できます。

Q2.FMA評価の点数はどのように付けられ、満点は何点ですか?

FMA評価は、動作ごとに0点(動けない)1点(部分的に可能)、2点(正常にできる)の3段階で判定されます。評価領域は「上肢運動機能」「下肢運動機能」「感覚」「バランス」「関節可動域と疼痛」の5つに分かれており、全体の合計は最大226点です。点数が高いほど、運動機能の回復が進んでいると評価されます。

Q3.FMA評価は、なぜリハビリにおいて重要視されているのですか?

FMA評価が重視される主な理由は、体の回復を客観的な数字(点数)で確認できるからです。点数の変化を見ることで、本人や家族が回復を実感しやすく、リハビリを続ける大きな励みになります。また、医療チーム全体が同じ基準で情報を共有できるため、治療方針の共有も円滑に進みます。

Q4.FMA評価は、病院でのリハビリ以外に、自宅(在宅)でも活用できますか?

FMA評価は、訪問リハビリや在宅リハビリでも積極的に活用されます。自宅という実際の生活環境の中で評価を行うことで、利用者の状態に合わせた具体的なリハビリ計画を立てやすくなります。評価の点数を使って「自分で食事をする」「短い距離を歩く」といった生活に直結した目標を立てることも可能です。

Q5.評価を継続して行うことにはどのようなメリットがありますか?

FMA評価を数週間や数ヶ月ごとに継続して実施することで、小さな変化も点数として確認でき、回復効果をより実感しやすくなります。点数が上がれば改善を把握でき、もし下がった場合には新たな課題を早期に発見できます。これにより、リハビリ計画を柔軟に見直し、より効果的な支援を継続できます。

まとめ|fma評価を活用して脳卒中のリハビリを効果的に進めよう!

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今回は、脳卒中後のリハビリに欠かせないFMA評価(Fugl-MeyerAssessmentについて、その基本から具体的な評価項目、そしてご自宅や訪問リハビリでの活用法までを詳しくお伝えしました。

FMA評価の最大の魅力は、脳卒中で損なわれた運動機能の回復具合を、信頼性の高い「点数」で明確に見える化できる点です。単に手足を動かす力だけでなく、感覚、バランス、関節の動きや痛みまで、多角的に状態を把握できます。

点数という客観的な指標があるからこそ、私たちは生活に直結した具体的な目標を立てやすくなります。また、小さな改善も着実に確認できるため、「良くなっている」という実感がモチベーションの維持に繋がり、リハビリを続ける大きな力になるはずです。

もし、今よりもっとリハビリの効果を高めたい、回復の実感を持ちたいとお考えでしたら、ぜひ専門職に相談し、このFMA評価を積極的に取り入れて、一歩ずつ目標達成を目指していきましょう!

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