NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 弛緩性麻痺が回復するか不安…リハビリの効果・訓練を続ける方法を紹介

弛緩性麻痺が回復するか不安…リハビリの効果・訓練を続ける方法を紹介

弛緩性麻痺が回復するか不安…リハビリの効果・訓練を続ける方法を紹介

脳卒中発症後に弛緩性麻痺(しかんせいまひ)になり、体が思うように動かなくなったら、「今後どのような日常生活になるのか…」と不安に思う方が多いでしょう。

弛緩性麻痺には一般的な回復経過やよく行われるリハビリ内容があります。全ての方に当てはまるわけではありませんが、不安が少しでも解消されると、今後の見通しが立てられますよ。

この記事では、弛緩性麻痺の方へのリハビリは効果があるのか、回復の見込みがあるのかについて論文を元に解説します。また、退院後に自主リハビリが続かない場合への対処法も2つご紹介するので、生活の質を向上させたい方は是非参考にしてください。

弛緩性麻痺はどのような症状?リハビリ内容と回復経過も

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弛緩性麻痺は体の筋肉に力が入らなくなる状態です。損傷を受けた脳の部位と逆側の手足(脳の損傷が右の場合は左の手足)が弛緩性麻痺になることが多く、「もう動かないのではないか」と不安になる方が多いです。弛緩性麻痺はいつまで続くのか、状態は変化するのかを解説します。

弛緩性麻痺は発症直後に起こる

弛緩性麻痺(しかんせいまひ)は、脳卒中の発症直後に起きる方が多いです。健常の方の筋肉は何も運動をしていない時でも適切な力が入るように神経信号が送られています。しかし、脳卒中で脳が障害を受けると、損傷部位から筋肉への神経信号が遮断されるのです。そのため、筋肉に力が入らず、手足がだらんとした状態になります。

弛緩性麻痺になっても神経信号が回復してくると徐々に筋肉に力が入るようになるのが一般的です。しかし、中には発症後6ヶ月以降も弛緩性麻痺が続く方もいらっしゃいます。

参考:だいなリハビリクリニック「脳血管障害(脳卒中)について」

回復段階3つとリハビリの内容

脳卒中の回復段階は3つあります。それぞれのリハビリ内容をみていきましょう。

  • 急性期

発症直後から2週間までは、弛緩性麻痺になる方が多いです。リハビリでは関節拘縮予防や廃用症候群予防のための動作訓練が行われます。

  • 回復期

発症後2週間〜6ヶ月までの回復期は、痙性麻痺に移行する方が多いです。痙性麻痺では筋肉に力は入りますが、思ったような動作ができません。力のコントロールや日常生活動作の獲得を目的としたリハビリを行います。

  • 生活期

発症後6ヶ月以降は、自宅や施設などで過ごします。生活の質を向上させるために、基本動作の改善・日常生活動作の練習・趣味活動のサポートが行われます。

弛緩性麻痺はリハビリで回復するのか…論文から根拠を紹介

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弛緩性麻痺に対してはリハビリが行われますが、回復するのかがわからないと前向きに取り組めない方が多いでしょう。弛緩性麻痺の方へリハビリを行うのは効果があるとされています。

弛緩性麻痺の状態をそのままにしてはいけない理由やなぜリハビリが必要かを論文データからご紹介します。

弛緩性麻痺を放っておくのは危険

弛緩性麻痺は脳の機能回復とともに回復するとはいっても、放置するのは危険だといわれています。関節を動かさない状態が続くと、筋肉・腱・皮膚などが縮み、関節拘縮が起こるためです。弛緩性麻痺の状態でもリハビリを行って、関節を動かせる状態を保っておきましょう。

弛緩性麻痺へのリハビリの効果

弛緩性麻痺によって自分で筋肉を動かせなくても、リハビリで歩行・立位姿勢をとると筋肉の収縮が促されるとの報告があります。患者さん自身は筋肉の収縮を感じられないかもしれませんが、立位姿勢で麻痺側にも体重をかけると、筋肉が収縮する効果が出るのです。

弛緩性麻痺の状態でもリハビリを行って体を動かすと、麻痺している部分の回復が促進されるといえるでしょう。

参考:片麻痺の弛緩麻痺下肢への荷重による筋電図評価について

弛緩性麻痺は自主リハビリが重要!続けられない場合の対処法は?

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弛緩性麻痺の状態でも、筋肉を動かしたり体重をかけると回復が促されることがわかりました。そして、リハビリは継続すると効果が出やすいです。

退院して自主リハビリの方法がわからなくなったり、続けられなくなったりする方のために対処法を2つご紹介します。

寝たままできる自主リハビリ方法

弛緩性麻痺では、自分で麻痺側の筋肉を動かすことができないため、両側を同時に動かす運動をしましょう。

  • 腕を動かす運動

…仰向けに寝転がり、両手を組んでお腹の上におきます。両手を組んだまま天井方向に挙げましょう。動く方の腕の動きで、麻痺側の動きをリードするように動かします。

  • お尻を上げる運動

…仰向けに寝て、両膝を立てます。踵に力を入れてお尻だけを持ち上げるように力を入れましょう。弛緩性麻痺が強く筋肉に力が入らない方は、お尻を持ち上げる動作をイメージするだけでも大丈夫です。

自主リハビリの注意点

専門スタッフからの特別な指示がない限り、お一人での立位・歩行訓練は避けましょう。転倒の危険があるためです。また、病院や施設などでリハビリを受けている方は、リハビリスタッフの指示に従ってください。

自主リハビリが続かない場合の対処法

脳卒中発症後6ヶ月以降は、医療保険でリハビリが受けられなくなります。そのため、自主リハビリを続ける方が多いです。しかしすぐに効果が出ずにモチベーションを維持できないかもしれません。以下の2つの対処法があります。

  • 当事者の会などに参加し、励まし合う

脳卒中患者さんを対象にした当事者の会・患者の会・サークルなどに参加してみましょう。似たような症状がある方と励ましあったり、成功した方法を聞いたりできますよ。

  • 自費リハビリサービスを利用する

発症後6ヶ月以降でも、自費でリハビリを利用することができます。リハビリ専門スタッフがアドバイスを行うため、目標が明確になり、ご自宅でのリハビリが続きやすいです。

参考:公益社団法人日本脳卒中協会「脳卒中の患者会」

まとめ|弛緩性麻痺のリハビリ

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弛緩性麻痺(しかんせいまひ)のリハビリについて、症状、回復経過、リハビリの効果を詳しくご紹介しました。弛緩性麻痺は筋力が低下し、運動が困難になる症状が現れますが、適切なリハビリを行うことで徐々に回復します。症状を放置するのは危険で、早期にリハビリを開始することで回復が促進されます。

退院後に自主リハビリを続けることが難しい場合は、専門家の指導を受けたり、当事者の会に参加するのがおすすめです。また、自費でリハビリ施設を利用することも有効です。目標を持ってリハビリを継続することで、効果を実感しやすくなります。具体的な目標を設定し、それに向かって努力することで、生活の質も向上します。

また、家族や友人のサポートも重要です。周囲の理解と協力がリハビリを続ける上での大きな支えとなります。定期的に医師やリハビリ専門家(理学療法士)と相談しながら、自分に最適なリハビリプランを見つけましょう。リハビリは長期的な取り組みが必要ですが、焦らず一歩一歩進んでいくことが大切です。

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