NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 諦めないリハビリ!「続けられること」にこだわった目標設定

諦めないリハビリ!「続けられること」にこだわった目標設定

諦めないリハビリ!「続けられること」にこだわった目標設定

リハビリが必要な患者さんの中に、目標を立てずにただストレッチなどを行っている方はいませんか?リハビリは目標を立てずに漫然とやっていても結果は出にくいです。

しかし、目標を立てるといっても、どういう風に考えたら良いのかわからない方は多いです。続けられるリハビリの目標はどうやって立てればよいのでしょうか?

そこで今回は、継続性のあるリハビリ目標の建て方について具体例を交えて解説します。この記事では主に「短期目標」「長期目標」の2種類に着目するので、リハビリ目標についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。

ただやるだけでは✕!リハビリに目標設定が必要な理由2つ

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そもそもリハビリに目標設定が必要なのは何故なのでしょうか?ここでは、リハビリをする際に目標設定が必要な理由について、2つに分けて解説します。

理由1:リハビリを漫然とやっていても結果は出ない

1つ目に「リハビリを目的なくただ漫然とやっていても結果は出ないから」という理由が挙げられます。

本来、リハビリを行う際は「リハビリテーション実施計画書」などの公的機関が定めた記入事項があります。近年「個人の症例に合わせずやっているだけでは効果が出ない」という懸念の声が上げられました。

個人に合わせた目標でなければ、目的がなく漫然とやっているのと同じです。症状や「なりたい姿」は個人によって違うので、それに合わせた目標を立てるべきでしょう。

理由2:目標を設定するとパートナーとも連携できる

2つ目が「目標を設定するとパートナーと連携しやすくなる」という理由です。

リハビリにおいてパートナーは必要不可欠です。それは介助者だったり、理学療法士だったりします。

目標がないままリハビリをパートナーと始めると、まずパートナー側には「どれくらい助ければ良いのかわからない」、被リハビリ側には「パートナーに手間をかけさせたくない」という意識が生まれます。

リハビリに目標を設定することで、被リハビリ側とパートナー側に共通の意識が生まれ、意識の違いを取り払ってスムーズなリハビリを行うことが可能となるのです。

参考:PT-OT-ST.NET「東海北陸厚生局がリハビリ含む個別指導事項を公開」

継続性のあるリハビリの目標とは?ポイントは「短期」と「長期」

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リハビリの目標設定が重要なことはわかりましたが、「継続性のある」リハビリ目標となると難しいなと感じる方も多いかもしれません。

そこで注目しておきたいのが「短期目標」と「長期目標」を立ててみることです。

「短期目標」と「長期目標」を立てて継続性UP

リハビリの目標設定における「短期目標」と「長期目標」とはなんでしょうか?簡単に言うと長期目標は「道」で、短期目標は「方向や距離を示す看板」です。

まず長期目標は、リハビリのゴールを明確にする役割があります。例えば、1人で買い物に行けるようになりたい人は「1人で出歩ける時間を増やす」というゴールが向いているでしょう。

それに対して短期目標は、現状やるべきことを把握しやすくする役割があります。上記の例でいえば、短期目標は「歩ける距離を増やす」や「歩くための筋肉をつける」といった目標になります。

短期目標の達成を積み重ねてやる気を上げよう

1週間~1ヶ月程度の短期目標の達成を積み重ねることは、被リハビリ側のモチベーションを上げるきっかけになります。

短期目標は、長期目標を目指す中で何個も達成することが多いです。リハビリは「できなくなったことをできるようにする」が目的なので、短期目標を達成すると自然とできるようになることが増えていきます。

それに気づけると、リハビリのモチベーションが維持しやすくなるのです。また、短期目標があると、介助者側がその時にサポートすべきことを把握しやすくなる効果もあります。

長期目標があると続けやすくなるのはなぜ?

半年から1年ほどの長期目標があると、リハビリが続けやすくなります。何故かというと「自分がなんのためにリハビリをするのか」を再確認しながらリハビリできるからです。

実は、特に目標を立てずにリハビリしていると「なんのためにリハビリをしているんだろう?」という疑問を抱くようになってしまうことが多くなります。そうなるとリハビリする側のモチベーションの維持が難しくなります。

ただし、目標を立てた時から病状や状況が変わるかもしれません。そのため、長期目標はある程度柔軟性のある目標にすると良いでしょう。

【症例別に解説】リハビリの短期目標・長期目標の具体例

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ではリハビリの目標設定における短期・長期目標の具体的な立て方について、大まかな症例別に解説します。

具体例1:基本的な日常生活

まずは排泄や食事など、基本的な日常生活を送れるようにしたい方向けの具体例です。

目標設定時点の悩み長期目標短期目標
トイレに不安がある1人で自立した排泄が可能になる・リハビリパンツを着用
・定期的にトイレにいけるようになる
食事に不安がある1日3食食べられるようにする・食べられるものを増やす
・食べられる量を増やす
コミュニケーションに不安がある友人関係を築き、会話を楽しめるようになる・交流の機会を増やす
・交流の種類を増やす

短期目標は一見簡単に見えるかもしれませんが、被リハビリ側としては「できなくなってしまったこと」でもあります。少しずつ積み重ねるようにしましょう。

具体例2:外出や運動

次は外出や運動などに関わる具体例です。

目標設定時点の悩み長期目標短期目標
1人で長時間出歩けない1人で出歩けるようにする・補助具ありの歩行訓練を行う
・介助者と歩行する時間を増やす
就労をする就労に耐える体力をつける・下肢の筋力をつける
・生活リズムを整える
趣味の観劇を再開したい劇場に行くことができる・歩行距離を増やす
・階段昇降をできるようになる

外出や運動、趣味に関する目標は、達成できると非常に生活が豊かになります。達成するまでの大きなモチベーションにもなるでしょう。

具体例3:スポーツ関連

最後はスポーツ関連でのリハビリ目標です。

目標設定時点の悩み長期目標短期目標
野球をやりたい問題なく試合を終えられるようになる・負荷を増やしつつ全身の筋トレ
・体力づくり
趣味のパークゴルフをやりたいパークゴルフを友人と楽しめるようになる・身体機能の回復
・ゴルフ場へ移動可能な歩行能力の回復

スポーツ関連ではスポーツによって少しずつ短期目標が変わりますが、基本的には治療中に衰えた筋肉や体力を少しずつ取り戻すのが目標です。

しかし、スポーツ関連のリハビリは焦ると症状が悪化することもあります。焦らず細かく設定し「目標に近づいている」と実感することが大切です。

まとめ

リハビリには、モチベーションを維持できて、続けられる目標設定が必要です。そのためには「短期目標」と「長期目標」を活用しましょう。

  • 短期目標…1週間~1ヶ月で細かく達成できるもの。積み重ねてやる気UP
  • 長期目標…半年~1年スパンで達成したいもの。スポーツ復帰や身体能力UPもOK


短期目標を積み重ねることで、長期目標へのモチベーションも維持できます。最初の短期目標は無理しない程度にすれば、徐々に積み重ねるとリハビリの成果も出るでしょう。ぜひ理学療法士や医師と相談し、試してみてください。

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