4点杖で快適な歩行を!メリット・デメリットから選び方のポイントを紹介
2024.09.16
歩行が安定しないと移動や外出の機会が減ってしまいますよね。歩きやすくするための補助具として、杖があります。オーソドックスなものから安定性に特化した杖まで種類はさまざまです。
今回は4点杖のメリットとデメリットを踏まえて、杖の選び方をご紹介します。どのような杖を使用すれば良いのかを知ると、後悔しない杖選びができます。
4点杖を利用するのにあたって気になる費用、レンタルの有無も知っておくと便利でしょう。歩行を快適にして外出の機会を増やすことを目指していきましょう。
目次
4点杖のメリットとデメリットを知る前に…杖の特徴や違いを解説
杖にはT字杖・4点杖・松葉杖などさまざまな種類があります。脳卒中の後遺症や高齢による筋力低下を補うために使用されますが、杖の種類によって効果が異なるのです。4点杖のメリットとデメリットを知る前に、4点杖の特徴やT字杖との違いを知っておきましょう。
4点杖の特徴と対象となる方
一般的なT字杖の先端が4つに分かれているのが4点杖です。足の少し前方に杖をつき、足を降り出す時に杖の底で地面を真下に押し、杖がない方の足を前に進ませます。地面に接地する部分が4点になっているため、T字杖よりも安定しやすいのが特徴的です。以下のような方が使用すると歩きやすくなります。
- 筋力が低下して歩行が不安定な高齢の方
- 脳卒中後に片麻痺になり、麻痺側の足で体を支えられない方
T字杖との違いは?
ホームセンターなどでも売っており、誰でも使用できるのがT字杖です。杖の上部がT字型になっていて握りやすく体重がかけやすい特徴があります。4点杖は丈夫さゆえに重い場合が多いですが、T字杖は軽量で扱いやすいです。折りたたみタイプもあるため、外出時に邪魔にならない点も4点杖とは違います。
しかし、体重を支える部分が1点なので、4点杖に比べると安定性が劣ります。そのため、重度のバランス障害がある方・麻痺側の筋力が非常に低下している方はT字杖では転倒するかもしれません。購入する前に、リハビリスタッフやケアマネージャーと相談しましょう。
安全に使うために知りたい4点杖のメリットとデメリット
4点杖は安定性が高いメリットがありますが、使い方を間違えると転倒の危険性があります。デメリットもあわせて知っておくと、安全に使うことができます。4点杖のなかにも種類があるため、購入を検討する前にメリットとデメリットを整理しておきましょう。
4点杖は安定性が高い
歩く動作は重心の移動を伴います。しかし、筋力が低下していたり、運動麻痺があったりする方は重心がズレてしまい歩きにくくなります。4点杖は支持できる面積が他の杖よりも広いため、重心がズレにくく体重をかけやすいのがメリットです。床との接地面積が広く、接地部分に滑り止めがついており、滑りやすい床面でも安定して歩けます。
安定性が高いため、立ち上がり動作の補助にも使用できる点も魅力です。また、杖自体に自立性があるため玄関や部屋に置いても倒れにくく、拾う必要がないので日常的な動作が楽になる点もメリットといえるでしょう。
屋外では路面の状況に注意
4点杖は、4点または3点が床と接地していないと転倒する事例が報告されています。そのため、凸凹がある道や整地されていない道では使用を避けなければなりません。生活環境によっては屋外での使用が限定されてしまう点がデメリットです。
しかし、最近ではスモールベースタイプの4点杖があります。4点が狭まって配置されており、床面の状況に左右されにくいです。ワイドベースタイプよりは安定性は低下してしまいますが、屋外で使用したい方は体の機能に合わせてスモールベースタイプを検討するのもよいでしょう。
4点杖のメリットとデメリットを踏まえて…商品を選ぶポイント
4点杖にはメリット・デメリットのどちらもありますが、歩行の安定性が高まるため4点杖を選ばれる方もいらっしゃるでしょう。商品を選ぶポイントを知っておくと、歩く動作が改善されますよ。購入にあたって費用面も気になる方が多いので、安く手に入れる方法もご紹介します。
歩行機能を評価してもらう
4点杖のメリットを活かして安定した歩行をするために、今の歩行機能を評価してもらいましょう。バランス機能によって、4点杖かT字杖のどちらを選ぶかを判断したり、4点杖のなかでもどのタイプにするのかを決めたりできます。
また、麻痺がある場合は杖のつきかたや歩き方に工夫が必要かもしれません。安全に杖を使えるよう、購入前にリハビリスタッフや福祉用具専門店に相談してみましょう。
体の変化に合わせて調整できるものを選ぶ
屋内で使う杖と屋外で使う杖は高さを調整する必要があります。屋外では靴を履くため、脚の長さが変わってしまうためです。変化に合わせて高さを調整できるタイプの杖を選びましょう。
また、杖の重さにも注意が必要です。素材や長さによって、4点杖は重さ500g程度のものから1kg程度のものまで幅広く存在します。重い4点杖は荷重に強いですが、持ち運びや普段使っている時に疲労感が出てしまうかもしれません。
自分の身長に合う杖を探したり、重いかどうかを判断するためには実際に杖に触ってみるのがオススメです。杖は通販ではなく、福祉用具専門店・展示会などで販売スタッフと相談しながら決めると後悔なく選ぶことができるでしょう。
4点杖を安く手に入れる方法がある
4点杖は歩行補助具のため、購入とレンタルのどちらも利用可能です。購入する場合は、介護保険や補装具給付制度を利用して、費用を抑えられます。
介護保険を利用して購入する時は、要介護・要支援認定が必要です。地域のケアマネージャーに相談しましょう。補装具給付制度を利用して購入するさいは、市町村の身体障害者福士担当課に相談します。
4点杖は介護保険を原則1割負担で利用可能です。レンタルは実店舗のほか、インターネットサイトを通じてでも申し込みできます。お試ししたい商品がある方や実店舗に行けない方にオススメですよ。
まとめ|4点杖のメリット・デメリットについて
4点杖(よんてんづえ)は、他の杖よりも安定感が高いことで知られています。だから、筋力が弱くなって歩くのが不安定になった高齢者や、脳卒中で片方の体が麻痺して、麻痺した足で体を支えるのが難しい人によく使われています。
しかし、4点杖には良いところだけでなく、気をつけなければならない点もあります。デメリットをしっかり理解して、どのように使うべきかを考えることが大切です。
さらに、脳梗塞などで麻痺が残っている場合、杖を安全に使うためには、専門の医師・理学療法士に相談して、しっかりと評価を受けることも重要です。杖の使い方を正しく理解して、安全に歩けるようにしましょう。