リハビリの終了の目安は誰が決める?終了のタイミングとその後の生活
2024.04.08
「リハビリの終了の目安はあるの?」「症状が落ち着いてきたけど自己判断でやめていいの?」などリハビリを続けていくうちに、いつ終了するのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
「いつまで通うのか」と思うことや、逆に「まだ続けたいのに終わらされるのか」など不安に思うこともあるでしょう。ケガや病気などで開始することが多いリハビリですが、原因や症状によっても終了の目安は変わってきます。
リハビリの終了の目安となるタイミングや判断基準、リハビリ終了後の生活の注意点についても解説します。
目次
リハビリ終了の目安となるタイミング|国の定めた期間と目標設定
リハビリの終了の目安となるタイミングはどのようなものがあるのでしょうか。リハビリの終了時期は症状の回復度合いによるので、個人差が大きいです。
リハビリの終了の目安として、国の定めた期間と個人の目標を軸に考えてみましょう。
リハビリの終了には個人差がある
リハビリの終了時期として病気やケガ毎にきっちりと決まっているわけではありません。リハビリはいずれ終了するものではありますが、終了の時期は治療の有無や機能回復の度合いなど個々の症状によって異なります。
軽度の場合だと数カ月で終了することもありますし、重度の後遺症が残った場合などは数年かけて長期的なリハビリが必要になることもあります。
リハビリが受けられる期間
リハビリの終了の目安として、医療保険を利用したリハビリ日数が終わるときが考えられます。医療保険内で受けられるリハビリ日数は以下のように決まっています。
・呼吸器リハビリ(肺気腫・肺炎など)…診断された日から90日
・運動器リハビリ(関節の変性疾患や脊髄損傷による四肢麻痺など)…診断された日から150日
・脳疾患リハビリ(脳梗塞・パーキンソン病など)…診断された日から180日
・心大血リハビリ(心不全・急性心筋梗塞など)…診断された日から150日
障害の特性に応じた4つの疾患にわけて、リハビリ期間の基準が設けられています。しかし、途中で症状が悪化した場合や、リハビリを続けることで回復の見込みがある場合はリハビリ期間が延長されることもあります。
リハビリの目標達成がタイミング
リハビリの目標が達成できたら、リハビリの終了のタイミングとなるでしょう。目標は患者さんの症状や状況で異なるので、リハビリの終了時期も異なります。
リハビリを受ける上で目標設定をすることはとても重要です。しっかりと目標を設定することで、患者さんにあったリハビリを行うことができますし、リハビリへのモチベーション維持にもつながります。
「仕事に復帰したい」「一人で生活を送れるようになりたい」「趣味を再開したい」など自分が生活する上でどうなりたいかを具体的に決めるといいでしょう。
リハビリの終了の目安を決める判断基準は?自己判断はダメ?
リハビリの終了の目安を決めるときどのように判断するのでしょうか。そろそろ終わってもいいかなと思って自己判断でやめてしまってもいいのでしょうか。
リハビリ終了の判断基準について確認していきましょう。
リハビリ終了の判断基準
リハビリの終了の判断基準は病気やケガの症状や種類によっても変わります。ケガや病気の程度が重いと、リハビリが長期に及ぶ可能性があるでしょう。
また、高齢者の方が若い人より、回復が遅いので治療時間やリハビリに要する時間は長くなります。さらに家族構成も1つの判断基準となります。
1人暮らしの場合、自分の力だけで日常生活を過ごさなくてはなりません。生活に不便がないように、入念にリハビリを行う必要があります。
日常生活への支障の有無
日常生活への支障があるかどうかはリハビリの終了の目安として重要です。
・痛みがない
・可動域制限がない
痛みや可動域制限があるままだと日常生活に支障をきたし、状態の悪化につながる恐れもあります。受傷した箇所が複数ある場合も、無意識的に受傷箇所をかばってしまい、他の場所に負担がかかってしまうので注意が必要です。
日常生活の動作が問題なくできるようになれば、日常生活でも自然に動かすようになるので生活しながらリハビリ効果を得ることができるでしょう。
自己判断でやめずに医師に相談
リハビリは継続して行う必要があるので、通うのが億劫になったり、忙しくて時間がとれないこともあるかもしれません。
しかし、リハビリをそろそろ終わりたいと思っても自己判断でやめないようにしましょう。リハビリを急に途中でやめてしまうと、症状の回復が遅れたり、機能改善がうまくいかなくなることがあります。
リハビリの期間や内容は、それぞれの症状によって異なるので自己判断せずに主治医と相談しましょう。
リハビリの終了の目安が決まったら…その後の生活で気を付けること
リハビリの終了の目安が決まった後はその後の生活をどうしていくかを考えなくてはなりません。
回復した機能が低下しないように自主トレを行ったり、再発した場合はどのように対処すればいいか解説します。
自主トレーニングを聞いておく
リハビリが終了した後も自宅でリハビリが続けられるような準備をしておきましょう。リハビリが終わった後でも経過観察が必要な場合もあり自己管理もとても重要です。医師や理学療法士に自宅でできる自主トレーニングの方法を聞いておきましょう。
施設や病院でのリハビリが終了した後も、日常生活で自主トレーニングを行うことで再発防止や機能低下の防止になります。
自費リハや介護保険制度を知っておこう
リハビリが終了した後に痛みや症状が再発することもあります。もし、医療保険で受けられるリハビリ期間が終了していたらどうすればいいか悩みますよね。
リハビリには制限なく受けられる自費リハビリがあります。自費なので高額にはなりますが、納得するまでリハビリを行えます。
また介護認定を受けた人は介護保険利用でのリハビリが可能です。リハビリをまた行う必要が出た場合にスムーズに行えるように、自費リハビリ施設や地域の介護保険で受けられるリハビリについて調べておきましょう。
まとめ|リハビリの終了の目安について
リハビリの終了の目安は患者さんの状態や目標によって異なります。リハビリの目標を具体的にすることで、より効率のよいリハビリを受けることができるので医師やリハビリ担当者と相談して決めましょう。
また、リハビリの終了の目安がわかれば、リハビリを集中して行えるようになります。決めた目標を達成するために計画的にリハビリを行いましょう。
また、リハビリが終わった場合も再発防止や生活の質の向上のために、自主トレや定期的な運動、健康管理を続けることが大切です。