NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム ジストニアとは?リハビリで治る?原因・種類や有効とされる治療方法を解説

ジストニアとは?リハビリで治る?原因・種類や有効とされる治療方法を解説

ジストニアとは?リハビリで治る?原因・種類や有効とされる治療方法を解説

ジストニアとは、無意識に全身・もしくは局所的な筋肉がこわばったり動いたりしてしまう「不随意運動」を引き起こす病気です。

同じ動きをすることの多い演奏家や大工などの職業に就いている方が発症する場合もあり、職業病の一つとしても知られています。

ジストニアの治療には、基本的に薬物療法が用いられます。しかし、一部リハビリも有効です。

今回は、ジストニアの原因や種類、それに対して有効な治療法・リハビリについて解説します。全身性と局所性では対処方法が異なるため、それぞれの違いについても詳しくみていきましょう。

ジストニアの種類と原因・リハビリの有効性についてそれぞれ解説

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ジストニアには大きく分けて2種類の症状があります。それぞれのジストニアの原因・治療やリハビリの有効性について解説します。

大きく2種類のジストニアに分けられる

ジストニアには大きく分けて、全身性ジストニアと局所性・分節性ジストニアの2種類に分類されます。

そこからさらに症状によって細かく分けられますが、どちらも主な症状は同じです。ジストニアが生じた部位の筋肉が極端な収縮を起こし、見た目からわかるほど歪んでしまいます。

収縮は数分から長いと数時間にも及ぶことがあり、発生部位によっては起き上がれなくなったり、固定されてしまったりします。その結果、身体障害として残ってしまうのです。

全身の筋肉が動く「全身性ジストニア」

全身性ジストニアは、遺伝性であることが多いです。特定遺伝子の変異によって、2種類のジストニアに分かれます。

  • 原発性全身性ジストニア…小児期~成人期に発生。不随意運動が起こり、通常の姿勢ではない姿勢を維持してしまう(足が内側に曲がる、顔面のけいれんなど)
  • ドパ反応性ジストニア…小児期から発生。片脚から始まることが多い。徐々に歩行が困難になる。

どちらも遺伝性のため、発病自体がまれです。しかし、根治が困難で、基本的には薬物療法や手術での症状改善が一般的です。

また、無理なリハビリを行うとさらに不随意運動を起こす場合があります。あまりリハビリは推奨されないタイプのジストニアです。

一部分だけ筋肉が動いてしまう「局所性・分節性ジストニア」

局所性ジストニアと分節性ジストニアは、身体の一部分のみ不随意運動が起こるジストニアです。

局所性は一つの部位(手や足など)なのに対し、分節性は隣接する複数の部位(腕全体・片脚全体など)に症状が起きるのが特徴です。

  • 職業性ジストニア…身体の一部位にのみ起こる局所性ジストニア。その部位を酷使することにより発症する(例:ピアニスト→指・手にけいれんなど)
  • メージュ症候群…中高年に多い。不随意のまばたきや歯ぎしり、しかめっ面が起きる。
  • けいれん性発声障害…声帯の筋肉が収縮する。声が思うように出せなくなったり、聞き取りにくくなる

特に職業性ジストニアがジストニア全体でも多く、それぞれの職業でも発生のリスクが提唱されています。いずれも薬物療法での改善が見込まれ、リハビリでさらに改善する見込みがあります。

ジストニアの主な治療方法は薬物療法とリハビリの2種類

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局所性・分節性ジストニアでは、薬物療法後にリハビリを行うことが多いです。ここでは、ジストニアの治療方法について解説します。

治療方法1:内服薬やボツリヌス毒素による薬物療法

ジストニアの基本的な治療方法は薬物療法です。ただし、全身性と局所性・分節性によって使われる薬物が違います。

 使用される薬物療法
全身性ジストニア抗コリン薬、レボドパ・カルビドパの併用(ドパ反応性ジストニアのみ)
局所性・分節性ジストニアボツリヌス毒素の注射

ボツリヌス毒素は、注射部位の筋肉を麻痺させたり、弛緩させたりする効果があります。注射によって筋収縮を緩めるのが狙いです。

治療方法2:運動療法

ボツリヌス毒素で筋収縮が緩められた場合は、運動療法も有効です。

ただし、用いられる運動療法は筋力訓練以外のものとなります。不随意運動を起こす病気で筋力訓練をすると、筋肉の動きを活性化させてしまい、結果として症状悪化につながるおそれがあるためです。

症状リハビリの内容
筋肉の収縮による可動域制限可動域訓練
歩行困難姿勢制御訓練・歩行訓練
姿勢の維持が困難正常な位置に頭位を保つ練習

効果がない場合は手術も選択肢に

ジストニアに対して薬物療法で効果がみられない場合、外科手術が行われることもあります。特に全身性ジストニアでは、手術が行われることが多いです。

ジストニアは筋肉自体ではなく、脳の筋肉を動かす神経に異常がある場合が多いため、脳外科手術が一般的となっています。行われることが多いのが「深部脳刺激術」や「視床手術」です。

またまぶたの痙縮が見られる場合は、まぶた周囲の筋肉を部分切除したり、吊り上げたりといった整形外科的な手術が行われることがあります。

【参考:東京女子医科大学脳神経外科「ジストニア(書痙など)」

予防も治療もできる?ジストニアを発症した際のリハビリ内容とは

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ジストニアを発症してしまった場合のリハビリは、実は予防にも役立ちます。ここでは、どんな内容のリハビリが行われるかを解説します。

その1:「繰り返し動作」をなるべく減らすことを意識

特に職業性ジストニアでは、業務や演奏・書痙による繰り返し動作で発症することが多いです。そのため、業務などによる繰り返し動作をなるべく減らすことを意識すると、予防に繋がります。

また、ストレスによってもジストニアの症状が発生する可能性があります。なるべく繰り返し動作に関わるストレスをなくすのも重要です。発症した場合でも、ストレス軽減は必須となります。

その2:正常な姿勢・動作の訓練を行う

体幹や首周りで起きてしまう、姿勢が崩れるといった症状がある場合は、正しい姿勢・動作の訓練を行います。

また、姿勢の崩れが着座時・歩行時・直立時とどのパターンで起きているのかも重要です。いずれも無理やり姿勢を正すわけではありません。ボツリヌス注射などで収縮が和らいでいる時に、正しい頭の位置・姿勢を再度覚え直します。

筋力トレーニングは症状悪化のおそれもあるため避ける

全身性・局所性・分節性に関わらず、ジストニアのリハビリにおいて筋力トレーニングは推奨されていません。中には筋力トレーニングで改善した方もいますが、そうでない方のほうが多いです。

ただし、収縮が起きている部位以外の筋力トレーニングは実施しても大丈夫です。実施する場合は、症状が出ていない時にしましょう。症状が出ている状態でトレーニングを行うと、姿勢制御できず事故につながる場合があります。

まとめ:ジストニアのリハビリは正しい動作・姿勢の訓練が重要に

ジストニアを発症してしまったら、リハビリは正しい動作や正しい姿勢の訓練が主となります。

メインはあくまでボツリヌス注射などの薬物療法か手術です。症状が和らいだ後、正しい姿勢や動作に戻すリハビリを行います。特に筋力トレーニングより姿勢制御訓練を優先することが多いです。

職業性ジストニアは、同じ動きを繰り返しすぎないのが予防にもつながります。定期的にストレッチしたり、休憩を挟んだりといった工夫を意識しましょう。

また、強いストレスによって発症する可能性もあるため、日頃からストレス低減に努めるようにしましょう。

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