外転神経の麻痺とは?リハビリに入る前に原因や症状を知り効果的な改善に役立てよう
2023.12.29
目が正常に動かないと感じる場合は、外転神経麻痺の可能性があります。何らかの原因で起こり得る病気で、視界に異常をきたしてしまうため日常生活において支障を感じる場合が多いです。
外転神経麻痺の治療には、投薬や手術などを行うケースがあります。また外転神経の麻痺、予後はリハビリが有効です。目の健康を守るため、正しいリハビリを継続して対処しましょう。
今回は、外転神経の麻痺とはどのような病気であるのか解説をします。原因や症状及び治療の方法に加え、外転神経の麻痺におけるリハビリの重要性や正しい動作の実施の効果についても紹介します。外転神経麻痺が疑われる場合には、早めに医師に相談して対処しましょう。
目次
外転神経の麻痺とはどのような病気?原因や症状及び似た症状の病気とは
外転神経麻痺とはどのような病気でしょうか。目の動きが制限され日常生活に支障をきたしてしまうため、その原因や症状を理解して、異常を感じた場合は早急に医師に相談しましょう。
外転神経麻痺の原因
外転神経麻痺の原因は、交通事故など外傷であるケースが多いです。交通事故により側頭骨や眼窩壁を骨折してしまった場合、外直筋を断裂する場合があります。この時、外転神経が圧迫されてしまい正常な動作が難しくなります。
また、脳腫瘍や糖尿病などにより引き起こされるケースも少なくありません。脳内の伝達神経の異常により、外転神経が正常に作動しなくなってしまうと考えられています。
外転神経麻痺の症状
外転神経麻痺になると、眼球を耳の方向である外側に動かせなくなってしまいます。通常の眼球と比較すると、常に内側を向いている状態となり、内斜視の状態が継続します。
眼球が内側を向いてしまうことにより、焦点が正常に合わせられなくなるのが最も大きな影響です。両眼の視線が交わらなくなり、ピントを合わせられなくなってしまうことにより、視力の低下や視界のブレが発生してしまいます。日常生活に支障をきたしてしまうため、早期の治療が不可欠といえるでしょう。
似た症状を引き起こす病気は多い
焦点が合わなくなり視界がブレる外転神経麻痺の症状と似た病気は、他にもあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 動眼神経麻痺:上下及び内側を向くのが難しくなる
- 滑車神経麻痺:上下方向の複視の症状がみられる
- 核間性眼筋麻痺:片方の眼球が内側を向けなくなる
以上のように、目の動きに支障をきたす病気は多岐にわたるため、原因を追究し目の状態を観察することで、正しい対処方法を採用する必要があります。
外転神経の麻痺の治療方法!投薬治療やリハビリの実施で後遺障害の予防を
外転神経麻痺の治療は、症状に適した方法が採用されます。外転神経麻痺の治療後における状態回復のためには、リハビリも欠かせません。目の動作を正常に保つためのリハビリが実施されます。
病院での投薬及び手術治療
外転神経麻痺の治療は、主に投薬が実施されます。外転神経麻痺は自然治癒するケースもあるとされていますが、その確率は50%程度と多くありません。基本的にはビタミンB12やATPなどの投薬が実施されます。
6か月程度継続して投薬をすることにより、症状が改善されるケースが多いです。しかし、症状が深刻な状態の場合には斜視手術をする場合もあります。原因となる状態を取り除き、症状の回復を図るのが一般的です。
後遺障害の内容
外転神経麻痺の治療後は、後遺障害に対処する必要があります。治療後の後遺障害としては、複視が残るケースが多いです。複視から頭痛やめまいを併発するケースもあるため、放置するべきではありません。
後遺障害の診断は、自覚症状の申告だけでは認定されない場合もあります。予後の後遺障害の証明が必要になる場合は、弁護士など専門家の協力を受ける必要がある場合もあるでしょう。
外転神経の麻痺に効果のあるリハビリ
外転神経麻痺の予後には、目の動きを正常化するためのリハビリを実施します。後遺障害の緩和を図るため、正しい動作を継続して実施する重要性が注目されています。
目の動きを正常化するためのリハビリとしては、動眼リハビリテーションが主なものです。定期的に左右に視線を動かす単純な動作を繰り返すもので、継続して実施すると効果が上がります。
慣れてくると、眼球を動かす速度を速めたり、上下左右の動作を加えたりして、難易度を高めていきます。目の異常を感じる場合には決して無理をせず、身体に負担のかからない範囲で継続して実施することが肝要です。
外転神経の麻痺にはリハビリが効果的!専門医の指導に従った継続実施が原則
外転神経の麻痺の予後の症状緩和には、リハビリが不可欠です。単に眼球の動きを促進するものであると自己判断し、誤った内容のリハビリをしないように注意しましょう。
無理のない範囲で正しい動作を心がける
眼球のリハビリは、決して無理をしてはいけません。無理のない範囲で継続して行う必要があります。目の異常を感じる場合はすぐにリハビリを中止し、専門医の指導を受けましょう。
動眼リハビリテーションは、単純な左右への眼球の動きを行うだけでなく、カードなどのアイテムを活用して行われるケースも多いです。徐々に難易度を高めていくなど、目の健康を促進するために効果的なプログラムが実践されるのが一般的です。
専門医の指導に基づいた継続実施が原則
外転神経の麻痺の動眼リハビリテーションは、必ず専門医の指導に基づいて継続して実施するようにしましょう。自己判断によるリハビリは、逆効果を及ぼしてしまう恐れがあります。
近年は、リハビリを専門に行うクリニックも増えています。病院に通うのが難しい場合は、このようなクリニックの活用を検討するのも良いでしょう。専門家の意見や指導を順守して、目の健康を促進するための取り組みを継続して実施しましょう。
まとめ:外転神経の麻痺…治療にはリハビリが有効
外転神経麻痺は、眼球が外側に動いてしまい焦点が合わなくなる病気です。ピントが合わせられなくなり、ブレを感じて日常生活に支障をきたしてしまうケースも多いです。
治療や投薬や手術を行いますが、予後はリハビリの実施が必要不可欠です。動眼リハビリテーションを継続して行うケースが多いですが、必ず専門医の指導を受けながら実施しましょう。強度や内容について自己判断をせず、無理のない範囲で行うのが肝要です。