NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 腱板の断裂が起きたらリハビリすべき?手術は必須?完治までのプロセス3段階を解説

腱板の断裂が起きたらリハビリすべき?手術は必須?完治までのプロセス3段階を解説

腱板の断裂が起きたらリハビリすべき?手術は必須?完治までのプロセス3段階を解説

腱板(けんばん)は肩関節にある腱の集合体で、肩がスムーズに動くために必要な組織です。しかし、腱板は老化によって損傷しやすくなり、痛みや可動域制限を伴うため、放置しておくと日常生活に支障が出てしまいます。

腱板断裂が起きたら手術かリハビリなどの保存療法を行います。手術をする基準はどういった基準なのか気になりますよね。

そこでこの記事では、腱板断裂が完治するまでのプロセスを3段階に分けて解説します。あわせて、断裂幅によって違う治療法についても解説するので、いざというときの参考にしてください。

老化?外傷?腱板の断裂はなぜ起きるのか…リハビリが有効な理由

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まずは腱板がなぜ断裂してしまうのか、また治療としてなぜリハビリが有効になるのか理由について解説します。

腱板は肩関節を安定させる大事な構造体

腱板とは、肩関節の上部に位置する腱の集合体を指します。肩関節は元々外れやすい部分とされていますが、それを意識して安定して動かせるようにするのが腱板の役目です。

腱板の先は肩関節につながっており、肩を動かす度に伸び縮みします。断裂するのはつなぎ目の腱ですが、肩を上げ下げすることは可能なことが多いです。

また、腱板は他の組織と同じく老化によって劣化しやすい部分。そのため徐々に劣化していき、ある日普通に過ごしていたのに肩を動かして強い痛みを感じる…というきっかけで初めて自覚するという方が多いです。

腱板断裂の原因は急性と変性の2種類

腱板断裂の原因は、大きく分けて「急性」と「変性」の2種類です。

急性断裂は、外傷や転倒による肩関節周囲の脱臼で起こる断裂です。また、いきなり重いものを持ち上げた際にも一気に断裂する場合があります。この場合も急性と診断されます。

変性断裂は、長い時間をかけて腱板がすり減り、断裂に至った場合に診断されます。老化による腱板の変性はもちろん、肩を繰り返し使うスポーツ(野球の投球やテニスなど)によっても引き起こされる断裂です。

機能回復のためにもリハビリが必要不可欠

腱板断裂の主な症状は肩周囲から肘にかけての痛みや、夜間痛です。また腕を上げる時に肩から異音(軋轢音)がするという症状もあります。

基本的には痛みを和らげるために薬物療法や注射がとられますが、それと同時にリハビリでも治療を試みます。

腱板断裂では腕の上げ下げができなくなることは稀ですが、残っている腱板に負担をかけないようにする工夫は必要です。そのため、リハビリは残る腱板を維持したり、できる限り可動域制限につながらないようにしたりといった目的があります。

腱板が断裂したら基本はリハビリに…完治プロセス3段階を解説

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ここからは腱板が断裂した場合、リハビリを含めた完治までどういったプロセスを経るのか3段階に分けて解説します。

①腱板断裂と診断されたら…断裂幅で方針決定

腱板断裂の疑いがある場合、X線検査やMRI・超音波検査を行います。元々五十肩(肩関節周囲炎)と誤診されやすいため、正確な診断のためにもこれらの検査は必須です。

断裂幅が比較的狭い場合は保存療法です。まずは内服薬や湿布などで痛みを和らげ、可動域を維持するリハビリを始めます。もし薬で痛みが引かない場合は注射を行うこともありますが、それでも緩和しない場合は手術が必要です。

また、事故・転倒などによる急性断裂の場合は三角巾などで腕を固定し、安静にする処置がとられることもあります。

②保存療法で治らなければ手術療法に

保存療法が始まってから6ヶ月以上痛みが続いたり、あまりにも痛みが強く眠れない日が続く場合は手術に移行することがあります。

手術になると、患部を安静にしなければいけないため1週間ほど入院する場合もあります。そのため、なるべく手術を選びたくないという患者さんも多いようです。

また、手術になった場合は1ヶ月ほどスリングという肩固定装具をつけて固定し、腱板の修復を待ちます。装具が取れても3ヶ月は肩を使った労働は避けましょう。

③治療法を問わずリハビリで可動域回復

保存療法・手術問わず、腱板断裂の治療ではリハビリで回復を試みます。

腱板断裂のリハビリでは、肩関節の可動域を改善・維持するリハビリと関節を動かす筋力を強化するリハビリの2種類が行われます。

可動域を改善するリハビリは、基本的に肩を上下左右に動かしたりひねったりという動きが多いので負担はかかりにくいです。しかし、筋力トレーニングは腱板に負担がかからない程度で行わなければいけません。

また、スポーツや肩を使う重労働を行っている場合、この時期から本格的な復帰に向けたリハビリも始めます。痛みの具合や手術部位の確認をしつつ、徐々にパフォーマンスを戻していくという流れです。復帰するまでには半年以上を要することがあります。

【参考:朝日新聞デジタル「四十肩・五十肩という思い込みに要注意!早期診断が大切な「腱板断裂」とは」

腱板が断裂したら動かしても大丈夫?安静とリハビリの使い分け

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もし腱板が断裂した場合、リハビリが必要になることが多いです。しかし、腱が断裂している以上動かすのは良くないように思えます。

そこでここでは、安静とリハビリはどう使い分けたらよいのかについて解説します。

ずっと安静にしていると関節が硬くなる?

四十肩・五十肩の場合、基本的には動かしたほうが可動域を改善できるという考え方が主流です。しかし、腱板断裂の場合は腱板が損傷しているため、あまり動かさないほうが良いように思われます。

そのため、肩が痛いからと安静にしようと思う患者さんは多いですが、実際は痛みが少ない範囲で動かした方が良いです。

肩を動かさないようずっと固定したり安静にしていたりすると、段々と筋肉が萎縮していき拘縮の症状が出てしまいます。いざ痛みが引いた頃に動かせない、なんてこともあるので、絶対安静は禁物といえます。

日常動作は痛くない範囲で行おう

ではどれくらいの動作であれば良いのでしょうか?判断基準としては「痛みを感じない範囲」というご自分で判断できる範囲での基準で動作を行ってください。

例えば、痛みを薬で和らげているのであれば、薬が効いている内に痛みを感じない範囲でストレッチ、という程度でも構いません。

重視したいのは肩関節周囲の筋肉が萎縮しないことと、硬くならない(=拘縮しない)ことです。痛くない範囲で動かすようにしましょう。

スポーツや仕事復帰が必要な場合は専門的なリハビリに

もし野球・テニスなどのスポーツをしたいのであれば、より専門的なリハビリを行います。

まず肩を少しずつ動かすリハビリから始めます。3ヶ月ほど経つと筋力トレーニングも始められるようになるでしょう。

最初は腱板から低負荷でトレーニングを行い、三角筋のような大きな筋肉を鍛えるトレーニングに移行します。リハビリは徐々に移行していくので、スポーツ復帰には半年以上は考えておいたほうが良いでしょう。

まとめ

腱板断裂は、四十肩や五十肩と誤認しやすい症状であることが多いです。しかし、医師の診断をしっかり仰ぐことで、断裂幅が小さいうちに対処することができます。

腱板が断裂してしまった場合は日常動作の範囲でリハビリを行ったほうが良いとされています。生活を送る程度であれば、指導に従って可動範囲を維持するリハビリを行いましょう。支障がない程度に回復できます。

もしスポーツなどをしたい場合は、ゆっくり焦らずリハビリを行いましょう。無理をすると断裂が再発・進行する可能性があるので、焦らず元に戻す用にしてください。

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