Q.
一過性脳虚血発作(TIA)とは?
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞の前触れとして知られる病気ですが、その症状や原因、そして脳梗塞との関係について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。TIAは一時的な症状であるがゆえに見過ごされがちですが、実は脳梗塞発症の重大なサインであり、適切な対処が求められます。
TIAの主な症状として、片側の手足の麻痺やしびれ、言語障害、運動障害などが挙げられます。これらの症状は脳梗塞に似ていますが、TIAの場合は数分から数時間で自然に回復するのが特徴です。ただし、一過性であっても脳への血流が遮断された状態であることに変わりはなく、重大な警告サインと受け止める必要があります。
TIAの原因は、脳梗塞と同様に脳への血流障害にあります。動脈硬化による血管の狭窄や、心房細動などの不整脈による血栓形成が主な原因とされています。生活習慣病や心疾患を抱えている方は、TIAのリスクが高いと言えるでしょう。
ここで重要なのは、TIAを起こした方の約1/3が、その後48時間以内に脳梗塞を発症するという事実です。つまり、TIAは脳梗塞の重大な前兆であり、発症後の適切な対処が求められるのです。TIAが疑われる症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診し、MRIやCTなどの検査を受けることが大切です。
また、TIAのリスクを減らすためには、日頃からの生活習慣の改善が欠かせません。バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などを心がけ、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を予防・管理することが重要です。
TIAは、脳梗塞の危険信号であると同時に、予防と早期発見のチャンスでもあります。症状や原因を正しく理解し、適切な対処と生活習慣の改善に努めることで、より大きな病気を未然に防ぐことができるのです。もしご自身や周りの方にTIAが疑われる症状が現れたら、迷わず医療機関を受診しましょう。そして、日頃から健康的な生活習慣を心がけ、脳の健康を守っていきましょう。