Q.
装具の種類にはどのようなものがありますか?
装具は、身体の様々な部位に使用され、目的や機能に応じて多種多様な種類があります。大きく分けると、上肢装具、下肢装具、体幹装具、頸部装具などがあります。
上肢装具は、肩、肘、手関節、手指などの上肢の機能を補助・改善するための装具です。上肢の麻痺や拘縮、変形などに対して用いられます。代表的な上肢装具としては、以下のようなものがあります。
- 肩関節装具:肩関節の脱臼や亜脱臼の予防、上腕骨骨折の固定などに用いられます。
- 肘関節装具:肘関節の屈曲拘縮の予防や矯正、肘関節の安定性の向上などに用いられます。
- 手関節装具:手関節の変形や拘縮の予防、手関節の安定性の向上などに用いられます。
- 手指装具:手指の変形や拘縮の予防、把持機能の改善などに用いられます。
下肢装具は、股関節、膝関節、足関節、足部などの下肢の機能を補助・改善するための装具です。下肢の麻痺や変形、関節の不安定性などに対して用いられます。代表的な下肢装具としては、以下のようなものがあります。
- 長下肢装具(KAFO):大腿から足部までを支える装具で、立位や歩行の安定性の向上に用いられます。
- 短下肢装具(AFO):下腿から足部までを支える装具で、足関節の安定性の向上や、foot dropの改善に用いられます。
- 膝装具:膝関節の安定性の向上や、変形の予防・矯正に用いられます。
- 足部装具:足部の変形や拘縮の予防、足底圧の分散などに用いられます。
体幹装具は、脊柱や骨盤の安定性を高め、変形を予防・矯正するための装具です。脊柱の疾患や外傷、姿勢の異常などに対して用いられます。代表的な体幹装具としては、以下のようなものがあります。
- コルセット:脊柱の安定性を高め、変形を予防・矯正するための装具です。
- 骨盤ベルト:骨盤の安定性を高め、腰痛の軽減などに用いられます。
頸部装具は、頸椎の安定性を高め、頸部の疾患や外傷に対して用いられる装具です。代表的な頸部装具としては、以下のようなものがあります。
- ソフトカラー:軽度の頸椎の安定化や、頸部の疼痛の軽減に用いられます。
- ハードカラー:より強固な頸椎の固定が必要な場合に用いられます。
装具の種類は、患者さんの状態や目的に応じて選択されます。適切な装具を選ぶためには、医師や理学療法士と義肢装具士との相談が不可欠です。また、装具の種類によっては、定期的な調整や交換が必要となります。
装具は、患者さんの身体機能を補助・改善し、日常生活の質を高めるための重要なアイテムです。上肢装具、下肢装具、体幹装具、頸部装具など、様々な種類の装具を上手に活用することで、可能性を広げ、より豊かな生活を支援します。