Q.
腱板損傷の中期から後期にかけてのリハビリでは、どのようなトレーニングが効果的?
腱板損傷のリハビリは、初期の炎症を抑える段階から、中期から後期にかけては筋力強化とスポーツ復帰に向けたトレーニングへと移行していきます。
中期では、腱板を構成する筋肉の強化に重点を置きます。ダンベルやエラスティックバンドを用いて、肩の外転、内転、外旋、内旋の動作を行います。トレーニングの負荷は徐々に上げていき、筋力の向上を図ります。また、肩甲骨周囲の筋肉のトレーニングも重要です。肩甲骨の安定性を高めることで、肩関節の動きがスムーズになり、腱板への負担が軽減されます。
後期では、スポーツ特有の動作を取り入れたトレーニングを行います。例えば、野球のピッチャーであれば、トレーニング用のボールを使って投球動作を再現します。ゴルファーであれば、スイング動作を分解して練習します。これらの動作を行う際は、腱板に過度な負担がかからないよう、徐々に強度を上げていくことが大切です。
また、プライオメトリックトレーニングも効果的です。これは、筋肉に素早く力を加えることで、筋力と反応速度を高めるトレーニング方法です。メディシンボールを用いたスローイングや、プッシュアップなどが代表的です。
腱板損傷の後期リハビリでは、日常生活動作の獲得も重要な目標となります。腕を挙上する動作や、重いものを持ち上げる動作などを練習し、徐々に実生活に応用していきます。
リハビリを進める上で、痛みの管理は常に重要なポイントです。無理なく、自分のペースでトレーニングを行うことが大切です。また、正しいフォームで行うことも大切です。誤ったフォームでトレーニングを行うと、かえって腱板に負担がかかってしまう恐れがあります。
腱板損傷のリハビリは、医療専門家との連携が欠かせません。定期的に評価を受け、適切なアドバイスを得ながら、段階的にリハビリを進めていきましょう。焦らず、諦めず、自分のペースで取り組むことが、腱板損傷からの復帰への近道です。