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筋ジストロフィー患者の家族や介助者は、日常生活の中でどのようなサポートができる?
筋ジストロフィーは、進行性の疾患であり、患者さんの日常生活には様々な制限が生じます。家族や介助者の適切なサポートは、患者さんのQOL維持に大きく貢献します。日常生活の中で家族や介助者ができるサポートについて解説します。
まず、患者さんの残存機能を最大限に活用できる環境を整えることが重要です。住宅改修や福祉用具の導入により、患者さんの自立度を高めることができます。例えば、手すりの設置や段差の解消、車椅子の導入などが挙げられます。また、自助具の活用により、食事や更衣などの日常生活動作の自立度を高めることも可能です。
日常生活の中で、患者さんが自主的に行えるリハビリプログラムを一緒に行うことも大切です。ストレッチや軽度の筋力トレーニングなど、家族や介助者が患者さんをサポートしながら行うことで、運動の習慣化を図ることができます。ただし、過度な負荷にならないよう、医療専門職の指導を受けながら行うことが重要です。
筋ジストロフィー患者さんは、呼吸機能の低下により、呼吸困難や肺炎などの合併症を起こしやすくなります。家族や介助者は、呼吸リハビリの補助や、呼吸状態の変化に気を配ることが大切です。体位ドレナージや呼吸介助法などを習得し、必要に応じて実施することで、患者さんの呼吸機能維持に貢献できます。
また、患者さんの心理的サポートも欠かせません。進行性の病気であるため、患者さんは不安や絶望感を抱えていることが少なくありません。家族や介助者が患者さんの気持ちに寄り添い、前向きな気持ちを引き出すことが重要です。患者さんの自己決定を尊重し、できることを一緒に見つけていく姿勢が大切です。
介護負担の軽減も重要な視点です。筋ジストロフィーの介護は長期に及ぶため、家族や介助者の心身の負担が大きくなりがちです。レスパイトケアの利用や、介護サービスの活用により、介護者の負担を軽減することが大切です。また、介護者同士の情報交換や、医療専門職からの助言を得ることも有効です。
筋ジストロフィーは、患者さんだけでなく、家族や介助者にとっても大きな課題となる病気です。患者さんとご家族、医療専門職が協力し、それぞれの立場で最善を尽くすことが重要です。難しい課題に直面することもありますが、一つ一つ乗り越えていくことで、患者さんの生活の質を維持・向上させることができるでしょう。