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廃用症候群の予防と回復に欠かせないリハビリとは?
廃用症候群は、病気やケガによって身体を動かさない状態が続くことで発症する症候群です。筋力低下や関節の可動域制限、循環器や消化器の機能低下など、様々な症状が現れます。廃用症候群を予防し、回復するためには、早期からのリハビリテーションが欠かせません。
リハビリテーションでは、関節可動域訓練やレクリエーション、ポジショニングなどが行われます。関節可動域訓練は、関節の動きを維持・改善するために行われ、関節の拘縮を予防します。レクリエーションは、患者の意欲を高め、精神面でのサポートにも効果的です。ポジショニングは、褥瘡予防のために体位を変えることで、身体の同じ部分に負担がかからないようにします。
早期リハビリテーションは、身体機能の低下を最小限に抑えるために重要です。筋力は発症から48時間以内に低下し始め、1週間で10~15%、3~5週間で50%も低下すると言われています。心肺機能も1週間で1.3~2.5%低下し、立ちくらみやめまいの症状が出ることがあります。
リハビリテーションは、患者の状態に合わせて適切なタイミングで開始することが大切です。また、退院後も継続的に行うことで、廃用症候群の予防と回復に効果的です。自宅でも、できるだけ自分でできることは自分で行い、趣味や交流など、積極的に体を動かす機会を作ることが重要です。
バランスの取れた食事も、廃用症候群の予防と回復に欠かせません。低栄養状態は廃用症候群の発症リスクを高めるため、十分な栄養摂取が必要です。
廃用症候群は、早期発見と適切なリハビリテーションによって、予防と回復が可能な症候群です。患者や家族は、医療専門家と協力しながら、積極的にリハビリテーションに取り組むことが大切です。身体を動かし、栄養を摂取し、社会とのつながりを保つことで、廃用症候群を乗り越え、健康的な生活を取り戻すことができるのです。