Q.
くも膜下出血の後遺症により、歩行障害が残りました。歩行能力の改善を目指すには、どのようなリハビリが効果的ですか?
くも膜下出血の後遺症に対するリハビリは、早期から開始することが重要です。発症直後は全身状態が不安定なため、生命維持を最優先としながら、ベッド上でできる範囲のリハビリから始めます。
急性期リハビリでは、全身状態が落ち着いてきたら、ベッドサイドでの基本的な動作練習や、関節可動域の維持・改善を目的とした運動を行います。この時期は、合併症の予防や早期発見にも注意が必要です。
発症から2週間ほどで回復期リハビリに移行します。この時期は、運動療法や作業療法を中心に、日常生活動作の向上や社会復帰を目指して集中的にリハビリを行います。残存する機能を最大限に活用しながら、失われた機能の代償方法を習得することが目標となります。
回復期リハビリの後は、生活期リハビリへと移行します。この時期は、自宅や社会での生活を想定した練習を行い、必要に応じて福祉用具の導入や住宅改修なども検討します。また、再発予防のための生活指導や、家族へのサポートも重要な要素となります。
くも膜下出血の後遺症は個人差が大きいため、画一的なリハビリプログラムはありません。しかし、いずれの時期においても、早期からのリハビリ介入が機能回復や社会復帰に大きく影響します。主治医や療法士と相談しながら、自分に合ったペースでリハビリに取り組むことが大切です。