Q.
脳梗塞による麻痺のリハビリで大切なことは何ですか?
脳梗塞による麻痺は、突然の出来事によって人生を一変させる衝撃的な経験です。日常生活のあらゆる場面で不自由を感じ、元の生活を取り戻せるのか不安を抱える方も多いでしょう。そんな中で、リハビリへの意識を持ち続けることが何より大切だと言えます。
最初に理解しておきたいのが、脳梗塞からの回復過程には大きく分けて3つの段階があるということ。急性期、回復期、維持期と、それぞれの時期に合わせたアプローチが求められます。
急性期は、症状の安定化とともに基本的な動作の維持が目標。ベッド上での体位変換や関節可動域の練習など、徐々に体を動かしていくことが大切です。
回復期に入ると、より本格的なリハビリが始まります。歩行や日常動作の練習を通して、少しずつ麻痺した部位の機能を取り戻していきます。ここでは、リハビリへの意欲を高く保つことが何より重要。小さな進歩を積み重ねる努力が、大きな回復につながっていくのです。
そして維持期。ここからは、獲得した機能を維持し、さらに向上させることが目標になります。自宅でのトレーニングや、定期的な通院リハビリを継続することで、麻痺と上手に付き合いながら自分らしい生活を築いていけるはずです。
よく、「脳梗塞の回復は発症から6ヶ月まで」と言われますが、それは間違いです。たとえ6ヶ月を過ぎても、リハビリ次第で機能の改善は十分に可能。脳の可塑性を信じ、諦めずに取り組み続けることが大切なのです。
そのために心がけたいのが、リハビリへの前向きな意識。「もう良くならない」と思い込むのではなく、「今日よりも明日、もっと動けるようになる」と信じること。その気持ちが、回復への原動力になるはずです。
また、リハビリは麻痺した部位だけでなく、体全体のバランスを整えることも忘れずに。残された機能を最大限に活かし、できることを増やしていく視点が重要です。
さらに、リハビリしやすい環境づくりにも意識を向けましょう。自宅での動線を確保し、必要な福祉用具を導入するなど、回復に向けた準備を整えておくことが大切。機能回復を最大限に促すには、総合的なアプローチが欠かせません。
脳梗塞による麻痺からの回復は、マラソンに例えられることがあります。ゴールまでの道のりは長く、時には険しい坂道もあるでしょう。でも、一歩ずつ前に進み続ける限り、必ず明るい未来が待っているはず。
リハビリへの意識を持ち続け、粘り強く取り組むこと。それこそが、脳梗塞を乗り越えるための最大の鍵なのです。今この瞬間から、あなたの回復への歩みが始まります。一緒に、希望に向かって進んでいきましょう。