Q.
寝たきりの家族のリハビリを助けるには、どんなことに気をつければいいの?
寝たきりのご家族のリハビリを助ける際には、いくつかの点に気をつける必要があります。適切なサポートは、リハビリの効果を高め、ご本人の意欲を引き出すために欠かせません。
まず大切なのは、ご本人の状態を正しく理解することです。寝たきりの原因や、現在の身体機能、リハビリの目標などを把握しておきましょう。その上で、医療従事者の指導を仰ぎながら、ご家族にできるサポートの範囲を見極めることが重要です。
例えば、関節の拘縮を予防するためのストレッチ。ご本人だけでは難しい場合、ご家族が補助的に関節を動かすことで、可動域の維持・改善を図れます。ただしその際は、過度な力を加えないよう注意が必要。特に長期の寝たきりで骨が脆くなっている場合は、骨折のリスクがあるため、足首や膝下ではなく、太ももや肩付近を支えるようにしましょう。
また、リハビリ中のコミュニケーションも大切なポイントです。ただ単に関節を動かすだけでなく、「膝を曲げているよ」「肘を伸ばしているよ」など、動作を言葉で説明しながら行うと、ご本人の筋肉への意識が高まり、自発的な力の出し方が改善されると言われています。
リハビリの際は、ご本人のペースを尊重することも忘れてはなりません。無理強いは厳禁です。疲れているようなら休憩を取り、痛みを訴えたらすぐに中止する。ご本人の表情や反応をよく観察しながら、負担にならない範囲でサポートすることが肝心です。
そして何より、リハビリの過程では、ご本人の小さな進歩を見逃さないことが大切。「昨日より腕が上がるようになったね」「座る時間が長くなってきたね」など、少しずつでも改善している点を積極的に褒めて、モチベーションを高めていきましょう。
時には、リハビリがなかなか進まず、ご本人もご家族も疲れ果ててしまうこともあるでしょう。しかしそんな時こそ、お互いを励まし合い、目標を思い起こすことが大切。「一緒に頑張ろう」「必ず良くなるからね」と前を向く言葉をかけることで、リハビリへの意欲を持続させられるはずです。
寝たきりの方のリハビリは、ご家族の支えがあってこそ前に進みます。ご本人の気持ちに寄り添いながら、できる範囲でのサポートを続けていくこと。それが、回復への道のりを確実に進める原動力になるのです。