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歩行訓練といえば足の筋肉が中心?バランス能力を鍛えるのも大事って本当?
「歩行訓練は足の筋肉ばかりに注目しがちだけど、実はバランス能力も大事なんです!」と言われて、ちょっと驚いた方もいるのではないでしょうか。でも、これは本当のこと。歩行の安定性を高め、転倒リスクを減らすには、足腰の筋力だけでなく、体幹も鍛える必要があるのです。
バランス能力は、歩行時の姿勢を安定させ、ふらつきを防ぐために欠かせない要素。特に高齢者の場合、加齢に伴ってバランス能力が低下しやすく、つまずきや転倒の危険が高まります。でも、リハビリで体幹の筋肉を鍛えることで、これらのリスクを減らすことができるのです。
体幹とは、いわゆる胴体の部分。腹筋や背筋、脇腹の筋肉などが含まれます。これらの筋肉は、インナーマッスルとも呼ばれ、姿勢を保持し、体の安定性を高める役割を担っています。バランス訓練では、このインナーマッスルを意識的に使う動作を反復することで、体幹の筋力アップを図ります。
例えば、片足立ちの練習。足を上げた状態で、体を垂直に保つためには、体幹の筋肉が必要不可欠。最初は数秒から始めて、徐々に時間を延ばしていきましょう。
また、バランスボールに座った状態で、上半身を左右に傾けるエクササイズも効果的。不安定な座面の上で体幹を動かすことで、インナーマッスルへの刺激が増すのです。
さらに、ヨガやピラティスなど、体幹を意識した運動を取り入れるのもおすすめ。ゆっくりとした動作の中で、体の芯を意識し、呼吸を整えることで、バランス感覚を養うことができます。
バランス訓練の特徴は、負荷が少なく、長時間、高頻度で行うこと。1回の運動時間は短くても、毎日コツコツと続けることが大切なのです。
体幹が鍛えられ、バランス能力が向上すると、歩行時の重心移動がスムーズになります。つまり、少ない力でバランスを取れるようになるので、腰や膝への負担も軽減。歩行の安定性が増し、ふらつきも減るので、転倒のリスクも下がるというわけです。
歩行訓練では、足の筋肉と体幹、両方を鍛えることが大切。バランス能力を高めることで、より安定した、安全な歩行を目指せるのです。もちろん、足腰の強化も忘れずに。下肢と体幹、両方の筋力アップを目指して、積極的にリハビリに取り組んでいきましょう!