Q.
片麻痺のリハビリは、どのくらいの頻度で行うのが効果的でしょうか?
片麻痺のリハビリは、できるだけ高い頻度で行うのが理想的だと言えます。1週間に1回程度では、十分な効果は期待しにくいでしょう。可能であれば、毎日続けることが望ましいと考えられているのです。
リハビリを頻繁に行うことで、脳の可塑性がより高まることが分かっています。運動や感覚の刺激を与え続けることで、損傷を受けた脳の領域の神経回路の再構築が促されるのです。1日1回、あるいは2回と、こまめにリハビリを行うことで、脳の回復力を最大限に引き出せるというわけです。
また、リハビリを習慣化することも大きな意味を持ちます。毎日決まった時間にトレーニングを行うことで、それが日課として定着していきます。「しなければ」という義務感ではなく、「したい」というモチベーションが芽生え、自発的にリハビリに取り組めるようになるのです。
ただし、リハビリの頻度を上げる一方で、オーバーワークは禁物です。疲労やストレスが蓄積すると、かえって回復の妨げになります。セラピストと相談しながら、ご自身の体調と相談しながら、無理のない範囲で頻度を設定することが肝心だと言えるでしょう。
また、毎日のリハビリの中身も工夫が必要です。同じメニューを繰り返すだけでは、脳への刺激が徐々に弱まっていきます。飽きずに続けられるよう、定期的にメニューを変更したり、難易度を上げたりすることが大切。日常生活の中で自然に運動や感覚の訓練ができる工夫も有効でしょう。
例えば、歯磨きや食事の際に麻痺した手を使ってみる、着替えの時に麻痺した足で体重を支えてみるなど、何気ない動作の中にもリハビリのチャンスはたくさんあります。そうした機会を見逃さず、1日の中で積極的に体を動かすクセをつけることが、片麻痺のリハビリには欠かせません。
リハビリの頻度は、その方の症状や環境によっても異なります。セラピストとよく相談し、ご自身に合った頻度とペースを見つけること。そして、毎日の積み重ねを大切にしながら、根気強く訓練を続けていくこと。地道な努力の先に、きっと理想の回復が待っているはずです。