Q.
片麻痺のリハビリを自費で受ける場合、どんなメリットがありますか?
公的医療保険の対象となる片麻痺のリハビリは、脳血管疾患の場合、発症から180日間に限られています。そのため、一定期間を過ぎると、自費でのリハビリを検討せざるを得ない状況になることがあります。でも、自費でリハビリを受けることには、いくつかの大きなメリットがあるのです。
一つは、リハビリの時間と頻度を自分で決められること。公的保険のリハビリは、1回20分から40分程度、週に数回が一般的です。しかし自費なら、もっと長い時間、高い頻度でリハビリを受けることができます。「週に5回、1回60分」といったように、ご本人の体力や目標に合わせて、最適なペースを設定できるのです。
また、リハビリの内容も、より個別性の高いものが期待できます。公的保険のリハビリは、基本的にグループで行うことが多く、個人の状態に合わせたプログラムを組むのが難しいのが現状です。その点、自費のリハビリなら、マンツーマンでの指導が可能。ご本人の症状や目標に寄り添った、オーダーメイドのメニューを提供してもらえるはずです。
さらに、リハビリの場所も選びやすくなります。自費のリハビリは、通所での施設利用だけでなく、訪問リハビリのサービスも広がっています。ご自宅に理学療法士が来てくれれば、環境を変えることなく、リラックスした状態でリハビリに取り組めます。
加えて、セラピスト(理学療法士)との関係性も築きやすいというメリットも。自費のリハビリは、ご本人とセラピストの相性を見ながら、担当者を選べる場合が多いのです。信頼できる専門家と二人三脚でリハビリを進められれば、励みにもなりますし、効果も上がりやすいでしょう。
もちろん、費用面は大きな決め手になります。自費のリハビリは、公的保険と比べてどうしても割高になりがち。でも、「できるだけ早く、できるだけ高い水準まで回復したい」と考えるなら、自費を選ぶ価値は十分にあると言えます。
人生100年時代と言われる今、たとえ片麻痺になったとしても、その先の人生は長い。おカネをかけた分だけ、充実した生活を送れる時間が増えるなら、自費のリハビリは一つの賢明な選択肢だと言えるでしょう。