Q.
片麻痺で麻痺側に傾くのはなぜ?
片麻痺で麻痺側に傾いてしまう原因は、筋力低下・感覚障害・協調運動障害の3つが挙げられます。
1. 筋力低下による体幹の支えの弱さ
脳梗塞などで脳が損傷されると、体の筋肉を動かす指令がうまく伝わらなくなり、麻痺側全体の筋力が低下します。特に、体幹を支える筋肉が弱くなると、姿勢を保持することが難しくなり、麻痺側に傾いてしまうのです。
2. 筋肉の緊張の左右差
麻痺側では、筋肉の緊張が異常に高くなることがあります。これは、麻痺によって筋肉が正常に動かなくなってしまうために起こる「痙縮」と呼ばれる状態です。痙縮によって体幹が左右に引っ張られ、麻痺側に傾いてしまうのです。
3. 感覚障害による体の認識の誤り
脳梗塞によって体の感覚が鈍くなることもあります。この感覚障害によって、自分の体の位置や姿勢を正しく認識できなくなり、麻痺側に傾いてしまうことがあります。
これらの原因が複合的に絡み合い、片麻痺で麻痺側に傾いてしまうと考えられます。
傾きを改善するための方法
麻痺側に傾くのを改善するためには、以下の方法が有効です。
1. 筋力強化トレーニング
体幹を支える筋肉を鍛えることで、姿勢を保持しやすくなります。理学療法士の指導を受けながら、適切なトレーニングを行いましょう。
2. 痙縮の軽減
痙縮を軽減することで、筋肉の緊張による体の歪みを改善することができます。薬物療法やボツリヌス毒素注射などの治療法があります。
3. 感覚訓練
体の感覚を改善することで、自分の体の位置や姿勢を正しく認識できるようになり、バランス感覚が向上します。
これらの方法を組み合わせることで、麻痺側に傾くのを改善し、日常生活の動作をよりスムーズに行うことができるようになります。
リハビリの重要性
麻痺側に傾くのを改善するためには、リハビリが重要です。理学療法士による個別指導を受けることで、自分に合った運動プログラムを作成し、効果的に筋力強化やバランス訓練を行うことができます。
また、日常生活の中で意識的に姿勢を正すことも大切です。座っているときは背筋を伸ばし、立っているときは両足に均等に体重をかけるようにしましょう。
脳梗塞は、早期のリハビリによって症状の改善が期待できます。麻痺側に傾くことで日常生活に支障が出ている方は、早めに医療機関を受診し、適切なリハビリを受けることをおすすめします。