
手の指がつる脳梗塞はあり得る?受診のポイントを知って早めの対策を!
2025.09.17

誰でも手の指がつることはありますが、頻繁に起こる場合は病気を疑う方が多いのではないでしょうか。手の指がつる症状が、病気なのかそうではないのかがわかると受診の判断ができます。
この記事では、手の指がつる脳梗塞があるのか、原因や前兆とともに解説します。手の指がつる場合に受診する診療科について悩む方もいらっしゃるでしょう。病院の選び方や診療科についてもご紹介します。
早めの受診によって重い病気や後遺症を防げるかもしれません。手の指がつる症状に加えて気になる点がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。
目次
病気の前兆?手の指がつる脳梗塞があるのかどうかを解説

頻繁に手の指がつると脳梗なのではないかと不安になる方がいらっしゃるでしょう。手の指がつるのは5つの原因があり、一時的なものと病気によるものがあります。手の指がつる脳梗塞があるのかどうか、脳梗塞の前兆とともに理解しておくと、万が一の場合にも備えられます。
手の指がつる原因5つ
手の指がつる原因には次の5つがあります。
- 筋疲労
…筋肉が疲労すると痙攣を起こしやすくなり、手の指がつる原因となります。長時間の運動や手先を過度に使った後は、ストレッチをして筋疲労を軽減させましょう。
- 水分・電解質の不足
…筋肉の収縮にはカリウム・カルシウム・マグネシウムなどの電解質や水分が必要です。脱水症状などで水分・電解質が不足すると手の指がつりやすくなります。経口補水液などで水分補給をしましょう。
- 血行不良
…寒さによる冷えや同じ姿勢をとり続けると血行が悪くなるため、筋肉に十分な酸素や栄養が届かずに、手の指がつりやすくなります。手をこすってマッサージしたり、適度に姿勢を変えるのがオススメです。
ここまでの3つは一時的な原因ですが、次の2つは病気によるものです。頻繁に手の指がつるようなら病院に相談してください。
- 神経の圧迫・障害
…椎間板ヘルニアや神経の圧迫により、筋肉が正しく機能しなくなり、手の指がつる場合があります。
- 脳・神経の疾患
…脳卒中や多発性硬化症など中枢神経系の病気は、手の指の筋肉を制御する神経に影響を与えます。
手の指がつるのは脳梗塞の前兆?
脳・神経の疾患によっても手の指がつりますが、手の指がつるだけでは脳梗塞かは判断できません。脳梗塞の場合は次のような症状もみられます。
- 片方の目が見えない
- 言葉がでない
- 手足に力が入らない・動かせない
- 突然めまいが起こる
- 体の片方が痺れる・感覚がない
手の指がつる症状に加えて上記の状態がみられる場合は、脳梗塞かもしれません。症状が数分〜数時間で消失する場合もあるので、「気のせい」だと無視せずに早めに病院を受診してください。
手の指がつる脳梗塞かも…病院は何科を受診すればいい?

手の指がつる脳梗塞かもしれないと疑ったら、病院を受診する必要があります。しかし、どこの病院の何科を受診すれば良いのか、判断に迷う方も多いでしょう。適切な病院・診療科に行き、すぐに症状を改善したいですね。脳梗塞を疑う場合の病院の選び方をご紹介します。
脳梗塞は早めの受診が大事
手の指がつる症状に加えて、脱力・めまいなどが起きたらすぐに病院に行きましょう。脳梗塞を疑う症状が消失するのは、血栓が一時的に流れてしまうからです。血栓は別の血管を詰まらせる可能性もあるため、注意が必要です。
脳梗塞の発症から4〜5時間以内であれば、血栓を溶かせる可能性があります。脳の血流が途絶える時間が長ければ長いほど、後遺症が重くなるため早めの受診が大切です。
脳梗塞の診療科
脳梗塞を疑う場合は、脳神経外科・神経内科・循環器科を受診します。言葉が出ない・片目が見えない・手足が痺れる症状の場合は、緊急性が高いため、救急車を呼びましょう。固定電話から119番に通報すると救急隊員が居場所を特定しやすいため、症状が強くて住所を言えない場合でも駆けつけてもらえます。
最近では、スマートフォンに緊急連絡機能がついているので事前に確認しておくと、いざという時に役立ちます。
MRI設備がある病院がオススメ
ご自分で病院を選ぶさいは、MRI設備がある病院を受診しましょう。CTだけでは脳のどの血管・部位に梗塞が起こっているか明確にわからないかもしれません。
脳梗塞は時間との勝負なので、できるだけ早く原因が特定されるよう、病院を事前に調べておくと安心です。
手の指がつる脳梗塞ではなかった場合にできる3つの対処方法

脳梗塞ではなかった方は安心するいっぽうで、手の指がつるのをなんとかしたいと思うでしょう。手の指がつってしまうと、日常生活に影響が出てしまいますね。手の指がつるのを防ぐ方法や症状が続く場合の対処方法があります。適切な対応ができるように正しい知識を身につけておきましょう。
冬は冷えと乾燥に注意
冬は体の末端である手や指の血行不良を招きやすいです。さらに、空気が乾燥していたり、寒さで水分を控えたりすると水分不足が起こり、手の指がつる場合があります。
寒さが厳しくなってきたら、外に出る時は手袋を着用して冷えを防ぐと良いでしょう。家の中ではハンドウォーマーを着用する方法もあります。乾燥に対しては、加湿器の利用・適度な水分補給をすると手の指がつりにくくなります。
手がつるのを防ぐストレッチ方法
最近では、パソコンやスマホの使いすぎによる手や指の疲労から手がつる方もいらっしゃいます。作業の合間にストレッチを行うのが効果的です。
まず、手の指がつるほうの腕を手のひらを上に向けて伸ばします。反対側の手で小指と薬指を持って、手のひらをゆっくりと反らしていきましょう。終わったら、今度は親指を持って手のひらを反らします。急に引っ張ると筋肉を痛めてしまうかもしれません。3〜5秒ほどかけてゆっくりと反らすのがポイントです。
症状が続く場合はどうする?
手の指がつる脳梗塞ではないとしても、症状が続くようであれば、ほかの病気が隠れている可能性があります。すでに頚椎症や手根管症候群と診断されている方や怪我がある方は、整形外科を受診しましょう。
両手両足にしびれを伴う手の指がつる症状の場合は、内科を受診すると良いです。判断に迷う場合は、病院に問い合わせてから受診すると時間を無駄にせずに済みます。
参考:NHK「大人気テーマ「足や手の筋肉のつり」第2弾!対処法と予防法」
まとめ|手の指がつる・脳梗塞?

手の指が頻繁につると、「もしかして脳梗塞なのでは…?」と不安に思う人もいるかもしれません。確かに心配になりますが、実際には手の指がつる原因はさまざまで、筋肉の疲れや冷え、血流の一時的な低下など、一時的で深刻ではない場合も多いのです。そのため、過度に不安になる必要はありません。
とはいえ、脳梗塞の前兆として手の指がつることがあるのも事実です。特に「いつもと違う強いしびれ」「動かしにくさ」「言葉が出にくい」など、ほかの症状と一緒に現れるときは注意が必要です。
もし「手の指がつる=脳梗塞かも」と感じたら、自分の体の変化をよく観察することが大切です。そして自己判断で放置せず、早めに病院を受診することを強くおすすめします。早期に対応すれば、命や生活への影響を小さくできる可能性が高まります。