
自分で筋肉の緊張をほぐす3つの方法とは|原因や受診のタイミングも解説
2025.02.07

「休んでも筋肉の緊張がほぐれない」、「マッサージを受けてもすぐ元にもどってしまう」そんな悩みを抱えていませんか?筋肉が緊張すると、筋肉内の血流が悪くなるので、疲労を感じたり、痛みを感じるようになります。
筋肉の緊張を安易に見てはいけません。筋肉の緊張を放っておくと、改善まで時間がかかったり、通院が必要になることもあります。
この記事では筋肉が緊張する原因と自分でほぐす方法についてお伝えします。
目次
なぜ筋肉の緊張が起こる?ほぐす前に原因を理解するのが大切

筋肉の緊張は、筋肉内の血流が悪くなることによって生じます。様々な理由によって筋肉内の血流が悪くなると、筋肉を緊張させる物質が停滞し、筋肉の緊張を引き起こします。
とはいえ、筋肉の緊張をほぐす前に、原因を理解することが重要です。ここでは筋肉を緊張させる3つの原因について解説します。
原因①筋肉の疲労
筋肉に疲労が積み重なると、筋肉内への血流が悪くなり、緊張が強くなります。「歩きすぎて足が棒のようになった」、「力仕事しすぎて腕がパンパンになった」という経験はありませんか?
筋肉を使いすぎると活性酸素が多量に発生するため、筋肉や細胞がダメージを受けてしまいます。筋肉の疲労は緊張を高める原因となるので、疲労の蓄積には気を付けましょう。
原因②同じ姿勢が続く
同じ姿勢が続くと、筋肉内の血流が悪くなって筋肉が緊張します。特に猫背のような姿勢を長く続けると首や肩の筋肉に負担をかけるため、普段から自分の姿勢に気を付けて生活しましょう。
<日常生活で気を付けたい場面>
- デスクワークの姿勢
- スマホ、タブレットを操作する時の姿勢
- 読書や勉強する時の姿勢
猫背は体幹の筋肉を使わないので楽に感じますが、頭を支えるために肩や首の筋肉が緊張してしまいます。姿勢が悪いと、何回ほぐしても改善しないという事態に陥るので気を付けて生活しましょう。
原因③ストレスで緊張が続く
精神的にストレスを感じることでも筋肉は緊張します。これは、ストレスが自律神経に悪影響を与え、血流を悪化させるために起こります。
<ストレスと筋肉の緊張の関係>
- 精神的なストレスで自律神経に悪影響を与える
- 自律神経が興奮(交感神経優位)することで、血管が収縮する
- 血管の収縮が続く事で血流が悪くなり、筋肉が緊張する
私たちは生きていくうえでストレスを避けることはできません。大事なのはストレスを貯めこまずに発散すること。自分なりのストレス解消法を見つけてください。
病気の可能性はあるのか
筋肉が緊張する背景に病気が隠れている可能性もあります。ほぐしても改善しない異常な筋肉の緊張は病気が原因になってることも。筋肉の緊張が初期症状となる病気もあるので、紹介します。
<筋肉の緊張を引き起こす病気>
- パーキンソン病
- 繊維製筋痛症
- 多発性硬化症
通常、筋肉の緊張はほぐしたり、リラックスすることで軽減します。しかし、長引く異常な筋肉の緊張には病気が隠れていることもあるので病院を受診するようにしてください。
今すぐ治したい…自宅でできる筋肉の緊張をほぐす3つの方法

つらい筋肉の緊張はすぐにでも治したいと思いますよね?ここでは、自分で筋肉の緊張をほぐす3つの方法をお伝えします。
人の手を借りなくても、自分でケアできる方法ですので試してみましょう。
無駄な力を抜く筋弛緩法
筋肉の緊張をほぐす方法の1つに筋弛緩法と呼ばれるものがあります。これは、自分の意思で力を緩めて、筋肉の緊張をほぐすというリラクゼーションの方法です。
具体的な方法は以下の通りです。
<漸進的筋弛緩法の方法>
- 約10秒間、1つの筋肉に力を入れ続ける
- 約15~20秒間脱力して緊張を緩める
- 体の部位ごとに行う
例えば、肩をすくめるように力を入れて、そのあとに脱力すれば肩の緊張がほぐれます。このように、力を入れては脱力するという行為を繰り返して緊張をほぐすのが筋弛緩法と呼ばれる方法です。
温めてマッサージをする
筋肉の緊張をほぐすために、筋肉を温めてマッサージすると効果的です。温めることで筋肉の血流が良くなり、マッサージ効果も高くなります。具体的な方法は以下の通りです。
<効果的なマッサージの方法>
- 40度程度のお湯に約10分浸かる
- お風呂上りに「痛いけど気持ちが良い」ぐらいの強さでマッサージをする
- 緊張が強い場所は時間をかけてほぐす
マッサージをする時は、もみ返しが起こらないよう強さに気を付けてください。マッサージが強すぎると、防御反応から筋肉の緊張が高くなる恐れもあるので注意しましょう。
気持ちが良いと感じる強さであれば、リラックス効果もあり、緊張がほぐれます。
全身の凝りをほぐすストレッチ
筋肉の緊張をほぐす方法として、ストレッチも効果的です。筋肉を伸ばすことで筋肉の緊張がやわらぎ、血流が改善します。具体的なストレッチの方法は次の通りです。
<ストレッチの方法>
- 痛いけど気持ちが良いぐらいの強さでストレッチする
- 最低30秒ほど時間をかけると効果的(2~3分伸ばしてもOK)
- 最低2日に1回は行う(ストレッチをやめると元の状態に戻ってしまいます)
ストレッチで大事なことは、継続することです。効果が表れるまで時間がかかるため、気長に行うようにしてください。
筋肉の緊張をほぐすのが困難な場合は専門家に相談を

マッサージやストレッチを施しても筋肉の緊張がほぐれない場合、専門家に相談してください。何カ月も症状が改善しない時は、病気が隠れている可能性があります。病気でなくても専門家のリハビリでなければ改善しないことも。
最後に、病院を受診するべきタイミングと、専門家のリハビリの必要性について説明します。
病院を受診するタイミング
自分でケアしても緊張が改善しない場合は、病院の受診を考えましょう。「筋肉が緊張してるだけで病院に行って大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが問題ありません。以下のような症状があれば近くの病院を受診しましょう。
<病院を受診するタイミング>
- 筋肉の緊張で関節が異常にこわばる
- 緊張が悪化し、痛みを感じるようになる
- 睡眠の質が著しく悪くなる
- 頭痛や吐き気を感じる
筋肉の緊張が悪化することで、生活の質を著しく低下させる事があります。大事に至る前に早めの受診を心がけるようにしましょう。
薬やリハビリで改善できる可能性も
筋肉の緊張をほぐすために、薬やリハビリも効果的です。薬の力で血流を改善して、筋肉の緊張をほぐす手段もあるので、医師に相談してみましょう。
他にも、リハビリを行って症状を改善する方法もあります。筋肉の緊張を改善するために、リハビリでは根本の治療を行っていきます。
<筋肉の緊張に対するリハビリの内容>
- 緊張している筋肉のリラクゼーション
- 緊張を引き起こしている姿勢の改善
- 姿勢を改善するための筋肉のバランス調整
- 姿勢や生活動作の指導
- 自主トレーニングの指導
リハビリでは、緊張をほぐすだけでなく、根本の原因を探って症状の改善を目指します。何をしても改善しなかったという人は、1度専門家によるリハビリを受けてみる事をおすすめします。
まとめ|筋肉の緊張をほぐすためには?

筋肉が硬くなったり、痛みを感じるときは、まずは原因をしっかり理解して対処することが大切です。たとえば、疲労が原因で筋肉が緊張している場合は、体が温まっているお風呂上がりにやさしくマッサージをしたり、無理のない範囲でストレッチをすると効果的です。短い時間でも続けることで、少しずつ筋肉がほぐれていくかもしれません。
ただし、自分でケアをしても症状が改善しなかったり、痛みやこわばりが長い間続く場合は、専門家の診察を受けることをおすすめします。なぜなら、人によっては、見えないところに別の病気が隠れている場合もあるからです。早めに相談すれば、安心して治療を始めることができます。
毎日の生活を楽しむためにも、気になる筋肉の緊張をほぐして、ストレスフリーの生活を目指しましょう。無理をせず、自分のペースでケアを続けることが、体も心も元気に保つポイントです。困ったときは、遠慮せずに信頼できる専門家に相談しましょう。