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腰部神経根症の治療とリハビリについて知りたいです。
腰部神経根症の治療は、症状の程度や原因疾患によって異なりますが、基本的には安静と薬物療法、リハビリテーションが中心となります。
急性期の強い痛みがある場合は、まず安静にして痛みを和らげることが大切です。同時に、消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの薬物療法を行い、炎症を抑えて痛みを軽減します。また、神経根の圧迫が強い場合は、神経根ブロック注射などの処置を行うこともあります。
症状が落ち着いてきたら、徐々に日常生活動作を拡大していきますが、この際に重要となるのがリハビリテーションです。腰部神経根症のリハビリテーションは、症状の再発予防と日常生活動作の改善を目的として行われます。
具体的には、以下のようなアプローチが行われます。
- 姿勢や動作の指導: 腰に負担のかかる姿勢や動作を避け、適切な姿勢を保つための指導を行います。特に、中腰姿勢や前かがみ姿勢、長時間の座位などは避けるようにします。
- 筋力トレーニング: 腰部と下肢の筋力を維持・向上させるためのトレーニングを行います。特に、体幹筋群や下肢の筋力強化は、腰部の安定性を高め、症状の再発予防につながります。
- ストレッチング: 腰部や下肢の柔軟性を維持・向上させるためのストレッチングを行います。柔軟性の向上は、神経根への圧迫を軽減し、症状の改善につながります。
- 物理療法: 電気療法やホットパックなどの物理療法を行い、痛みの軽減や血行の改善を図ります。これらの療法は、筋肉の緊張を和らげ、リハビリテーションの効果を高めます。
リハビリテーションは、症状や原因疾患、患者の状態に合わせて個別に進めていく必要があります。また、リハビリテーションと並行して、日常生活の中で腰に負担のかかる動作や姿勢を改善することが重要です。
長期的な予後を考えると、リハビリテーションを継続的に行い、腰部と下肢の機能を維持・向上させることが大切です。また、肥満の改善や禁煙など、生活習慣の改善も症状の再発予防につながります。
一方、保存的治療で症状の改善が得られない場合や、重度の神経障害がある場合は、手術療法を検討する必要があります。手術療法では、神経根を圧迫している原因を取り除くことで、症状の改善を図ります。
腰部神経根症は、適切な治療とリハビリテーションにより、多くの場合、症状の改善が期待できる疾患です。しかし、症状の再発を防ぐためには、長期的な視点に立った治療とセルフケアが重要となります。日常生活の中で腰に負担をかけないように心がけ、適度な運動を継続することが大切です。