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回復期リハビリテーション病院とはどのような病院ですか?
回復期リハビリテーション病院は、急性期治療を終えた患者さんに対して、集中的なリハビリテーションを提供する専門病院です。脳卒中、大腿骨頸部骨折、脊髄損傷などの疾患や外傷により、身体機能が低下した患者さんの回復を支援することを目的としています。
回復期リハビリテーション病院の最大の特徴は、リハビリテーションに特化した医療サービスを提供している点です。急性期病院では、生命の危機を脱することが最優先されますが、回復期リハビリテーション病院では、失われた機能の回復と、日常生活動作(ADL)の向上に主眼が置かれます。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門スタッフが連携し、患者さん一人ひとりに合わせた集中的なリハビリテーションプログラムを提供します。
患者さんの状態に応じて、1日数時間のリハビリテーションを行うことが可能です。これは、急性期病院や一般病院と比べて、リハビリテーションの時間が大幅に多いことを意味します。集中的なリハビリテーションを行うことで、機能回復の速度を高め、ADLの向上を図ることができます。
さらに、回復期リハビリテーション病院では、リハビリテーションだけでなく、日常生活動作の練習も重要な役割を果たします。病院内には、自宅を模した環境が整備されていることが多く、実際の生活場面を想定した練習を行うことができます。これにより、退院後の生活をスムーズに開始できるよう準備することが可能です。
病院の目的は、患者さんの機能回復と、社会復帰の支援です。疾患や外傷により低下した身体機能を可能な限り回復させ、日常生活における自立度を高めることを目指します。また、家庭復帰や社会復帰に向けて、患者さんと家族に対する教育やサポートも重要な役割となります。
入院期間は、通常2~3ヶ月が目安とされています。この期間に、集中的なリハビリテーションを行い、身体機能の回復とADLの向上を図ります。退院に向けては、自宅の環境調整や、福祉サービスの調整なども行われます。
急性期治療と在宅療養の橋渡しとして重要な役割を担っています。急性期病院での治療を経て、身体機能が低下した患者さんに対し、集中的なリハビリテーションを提供することで、社会復帰への道筋をつけます。また、在宅療養に向けた準備や調整も行うことで、患者さんとその家族が安心して生活を続けられるようサポートします。
病院は、患者さん一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなケアを提供することを重視しています。医療スタッフと患者さん、家族が一体となって、回復への道のりを歩んでいくことが大切です。リハビリテーションには、患者さん自身の意欲と努力が欠かせません。回復期リハビリテーション病院は、患者さんのモチベーションを高め、主体的なリハビリテーションを支援する場でもあるのです。
急性期治療を終えた患者さんにとって、回復期リハビリテーション病院は身体機能の回復と、社会復帰へのステップとなる大切な場所です。集中的なリハビリテーションと、きめ細やかなサポートにより、一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことを目指しています。患者さんとその家族に寄り添い、希望に満ちた未来を切り拓くことが、回復期リハビリテーション病院の使命なのです。