Q.
退院後のリハビリを自宅で行う必要性とは?生活の質を高めるポイントを教えてください。
退院後のリハビリを自宅で行うことは、快適な日常生活を送る上で非常に重要です。入院中は専門スタッフのサポートを受けられますが、退院後は自分自身で身の回りのことを行う必要があります。そこで、退院後のリハビリの必要性と、生活の質を高めるポイントについてお伝えします。
退院後の生活で最も大切なのは、日常生活動作(ADL)の自立です。ADLとは、食事、排泄、入浴、移動などの基本的な動作のことを指します。これらの動作が自分でできるようになることで、家族の負担を減らし、自分らしい生活を送ることができます。
ADLの自立度は、退院先の決定にも大きく影響します。報告によると、屋外歩行ができる方は100%、屋内歩行ができる方は85%、ベッドから椅子への移乗ができる方は67%が自宅に退院しています。一方、歩行に監視が必要な方は36%、寝たきりの方は35%しか自宅に退院できていません。
つまり、歩行能力や移乗動作の自立度を高めることが、自宅での生活の質を向上させる鍵となります。そのためには、退院後のリハビリが欠かせません。
自宅でのリハビリでは、まず動かせる部分から始めることが大切です。指の屈伸、手足の上げ下ろし、首の動きなど、小さな動作から少しずつ範囲を広げていきます。
歩行能力を高めるには、下肢の筋力強化が重要です。ふくらはぎの筋肉を鍛えることで、つまずきを防ぎ、転倒リスクを減らすことができます。また、お尻周りの筋肉を鍛えることで、歩行時のバランスが改善します。
起居動作の自立には、体幹の筋力が鍵を握ります。腹式呼吸や骨盤の前後左右の動きを取り入れることで、体幹を効果的に鍛えることができます。腹筋を鍛えることで、ベッドからの起き上がりや、椅子への移乗がスムーズになります。
また、ADLの自立には呼吸機能も重要です。呼吸トレーニングを行うことで、息切れを防ぎ、活動量を増やすことができます。
リハビリを自宅で行う際は、無理のない範囲で継続することが大切です。専門スタッフによる定期的な訪問リハビリを利用することで、モチベーションを維持し、正しい方法でトレーニングを行うことができます。
退院後のリハビリは、自宅での生活の質を大きく左右します。ADLの自立度を高めることで、自分らしい生活を取り戻すことができます。小さな動作から始め、歩行能力、起居動作、呼吸機能などを総合的に鍛えることが、快適な日常生活につながります。リハビリは継続が力なり。無理のない範囲で、毎日取り組むことが大切です。