Q.
自宅でできる効果的なリハビリトレーニングの方法は?
退院後のリハビリを自宅で行う際、効果的なトレーニング方法を知っておくことが重要です。ここでは、自宅でできる代表的なリハビリトレーニングを紹介します。
まず、ベッド上でできる運動から始めましょう。長期の入院で体力が低下している場合、最初は寝たきりの状態から始める必要があります。その場合、関節の拘縮を防ぐために、関節の可動域を維持する運動が効果的です。具体的には、手足の指の屈伸運動や、肘・膝の曲げ伸ばしなどを行います。
体力がある程度回復したら、ベッドの端に座る練習を始めます。この時、足を床につけることが重要です。足底感覚を刺激することで、バランス感覚を取り戻すことができます。また、座位での体幹トレーニングも効果的です。姿勢を保持する力を養うことで、立ち上がりや歩行につなげることができます。
立位や歩行が可能になったら、さらに負荷を上げたトレーニングを行います。例えば、片脚立ちや、つま先立ちなどのバランス運動は、下肢の筋力強化と同時に、バランス感覚の向上にも効果的です。また、スクワットやかかと上げなどの下肢の筋力トレーニングも重要です。これらの運動により、歩行の安定性を高めることができます。
上肢の機能回復も重要なポイントです。ペットボトルを使った握力トレーニングや、ゴムバンドを使った肘の屈伸運動などを行うことで、上肢の筋力と巧緻性を向上させることができます。日常生活では、食事や整容、更衣など、上肢の機能が欠かせません。上肢のリハビリを怠らないようにしましょう。
呼吸機能の回復も忘れてはいけません。深呼吸や口すぼめ呼吸などの呼吸法を取り入れることで、肺活量を増加させ、息切れを予防することができます。呼吸機能が低下すると、日常生活動作にも影響が出るため、呼吸リハビリは重要です。
自宅でのリハビリは、医療スタッフの指導を受けられないため、トレーニングの方法や注意点を十分に理解しておく必要があります。また、自分の体力や症状に合わせて、無理のない範囲で行うことが大切です。痛みや違和感を感じたら、中止するなどの配慮も必要です。
自宅でのリハビリは、継続することが何より重要です。リハビリを生活の一部として定着させ、習慣化することが望ましいでしょう。家族の協力を得ながら、楽しみながらトレーニングを続けることで、着実に機能回復を図ることができます。退院後の生活の質の向上と、自立した生活の実現に向けて、自宅でのリハビリに積極的に取り組んでいきましょう。