Q.
難病のリハビリは、病院で受けるべき?それとも自宅で?
難病のリハビリ、病院で受けるべきか、自宅で受けるべきか。この問いに、ひとつの正解はありません。患者さんの状態や、生活環境、ご家族の事情など、様々な要因を考慮して、最適な方法を選ぶことが大切です。
病院でのリハビリのメリットは、専門的な設備とスタッフが揃っていること。特殊な機器を使ったトレーニングや、複数の療法士によるチームアプローチなど、自宅ではできない高度なリハビリを受けられる環境が整っています。また、定期的な通院は、医師による病状チェックの機会にもなります。
一方で、デメリットは、なんといっても通院の負担。難病患者さんの中には、外出自体が大変という方も少なくありません。病院が遠方の場合は、さらにハードルが上がります。体調や天候に左右されることなく、確実にリハビリを受けられる環境が整っているかどうかは、大きな問題になるでしょう。
それに対して、自宅でのリハビリは、患者さんの生活リズムに合わせられるのが何より大きな利点。体調に合わせて、無理のないペースでトレーニングを行えます。また、実際の生活環境で練習できるのも、自宅リハビリならでは。ベッドの高さや、トイレの手すりの位置など、患者さんの住空間に合わせた動作の獲得が期待できるのです。
家族の協力を得ながら、リハビリ専門職の指示を仰ぐ必要があります。また、モチベーションの維持も課題の一つ。自分一人では、なかなか運動を続けるのが難しいかもしれません。
では、病院と自宅、どちらを選ぶべきか。結論からいえば「両方取り入れるのが理想的」。定期的に病院で専門的なリハビリを受けつつ、自宅でも継続的にトレーニングを行う。この「ハイブリッド型」こそ、難病リハビリの王道だと言えるでしょう。
もちろん、どちらに比重を置くかは、患者さんによって異なります。「外出が難しいから、訪問リハビリを中心に」「家族の協力が得られそうにないから、通院リハビリを頑張ろう」など、一人ひとりの事情に合わせた選択が大切。リハビリ専門職や医師、ご家族とよく相談しながら、自分に合った方法を見つけていくことが何より重要なのです。