Q.
片麻痺のリハビリは、発症からどのくらい経過していても効果があるのでしょうか?
片麻痺のリハビリは、発症から何年経過していても効果が期待できます。その理由は、脳の可塑性(かそせい)にあります。
可塑性とは、脳の神経回路が再構築される能力のこと。脳梗塞や脳出血などで損傷を受けた神経細胞そのものは再生しませんが、残された神経細胞が新たなネットワークを形成し、失われた機能を補うことができるのです。
この脳の可塑性は、年齢に関係なく生涯にわたって保たれています。つまり、たとえ発症から数年、数十年が経過していても、適切なリハビリを行えば、神経回路の再構築が促され、運動機能の回復が可能になるというわけです。
ただし、リハビリの効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントに留意する必要があります。まず、明確な目標を設定すること。「こんなことができるようになりたい」という具体的な目標があれば、リハビリへのモチベーションが高まり、効果的なトレーニングが行えます。
また、リハビリスタッフとの信頼関係も大切です。片麻痺という障害を抱えて生活することは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。そんなとき、リハビリスタッフが親身になって寄り添い、サポートしてくれると、前向きな気持ちで取り組めるようになるものです。
さらに、日常生活の中でも、できる範囲で体を動かすことを心がけましょう。廃用症候群という言葉があるように、体を動かさないでいると、せっかくリハビリで獲得した機能も低下してしまいます。ご自宅での運動を習慣化することで、回復のスピードが速まることが期待できます。
発症から長い時間が経過していても、諦める必要はありません。脳の可塑性を信じ、適切なリハビリに取り組めば、必ず前進できるはずです。片麻痺という障害に負けない強い意志を持って、一歩一歩、理想の生活を目指していきましょう。