手根管症候群:痛みやしびれの原因と症状、完治を目指す手術後のリハビリ
2024.02.27
手根管症候群は、手の指にしびれなどの症状が起こる病気で、発症例が多いとされています。日常的によく見られる病気であるため、誰においても発症する可能性があると考えておいた方が良いでしょう。
手根管症候群が発症する原因ははっきりしていない部分も多いため、あらかじめ症状や対処方法などを知っておくと安心です。リハビリも治療に重要な位置を占める点も理解しましょう。
今回は、手根管症候群とはどのような病気であるのか紹介をします。原因や症状、改善のためのリハビリなどについても解説するので、現在症状に悩んでいる方はもちろん周囲に病気に罹患している方をサポートするためにもぜひ理解を深めてください。
目次
手根管症候群とはどのような病気?原因や症状及び適切な診断方法とは
そもそも、手根管症候群とはどのような病気なのでしょうか。末梢神経系の病気の中では非常に発症例が多いと考えられている病気であるため、あらかじめ理解しておくと良いでしょう。
手根管症候群になるとどうなるか
手根管症候群は、手のひらの付け根部分にあるトンネル状の手根管で発生すると考えられています。手根管の中にある正中神経が圧迫されることにより、手の指にしびれが発生する病気です。
病気の初期段階では、人差し指や中指を中心に痺れを感じます。特に夜間や早朝に見られる例が多いです。さらに病気が進行すると、親指や薬指にも痺れが広がり、つかむ動作が難しくなってきます。
手根管症候群の原因
手根管症候群が発症する原因は、はっきりとは分かっていません。手を酷使する仕事に従事している人や、妊娠および出産を経験した女性に多く見られると考えられています。手根管症候群になる男女比は1:9と圧倒的に女性の方が多い傾向が見られます。
骨折や関節リウマチ及び屈筋腱鞘炎を経験した方も手根管症候群になりやすいと考えられており、腱鞘炎を合併症として発症する事例も多いです。
手根管症候群の簡単な診断方法
手根管症候群の診断をする際には、主に以下の2種類の方法を行うケースが多いです。
- ファーレン徴候
- ティネル徴候
ファーレン徴候は、両手の甲を合わせて指を下に向けた状態の屈曲位を1分間継続します。この動作により痛みやしびれが発症する場合は、手根管症候群である可能性があります。
ティネル徴候は、ハンマーで手根管部を軽く叩く動作を行う方法です。ハンマーで叩いた際に、指先にびりびりとした痛みが起こる場合は、手根管症候群である可能性が高いと考えられます。
手根管症候群にはリハビリが有効!手術後の治療段階に合ったメニューの実施が大切
手根管症候群の症状改善には、基本的にリハビリを行います。病状の進行段階に合わせた適切なリハビリを行うことにより、症状の改善を効率よく得られます。適切なリハビリの手法を紹介するのでぜひ参考にしてください。
手術後早期と回復期ごとの適切な訓練
手根管症候群の治療を行って間もない段階の早期においては、関節可動域訓練を行います。前腕と手指をしっかりと動かすリハビリで、筋肉の伸張性が低下することを予防する効果があります。
術後の回復期においては、可動域を訓練する目的で手指と手首の運動を重点的に行います。手首や指のつまみ動作を維持するために実施するケースが多いです。前腕・手指・術創部周囲のマッサージも重点的に行います。
手根管症候群治療に効果のあるストレッチ等
手根管症候群の症状改善に実施するストレッチは、いくつかあります。簡単でポピュラーな手法として、手首のストレッチがあります。片方の手を、手のひらを上に向けた状態で前に伸ばし、逆の手で手首から身体側に曲げる動作をします。
腱のエクササイズとして、指を動かすリハビリも有効です。上にまっすぐ指を伸ばした状態から、各関節を曲げたり伸ばしたりする動作で、簡単に実践できます。
手指の筋力トレーニングも重要
手根管症候群の症状改善にはストレッチだけでなく手指の筋力トレーニングも欠かせません。簡単なトレーニングですが、無理せずできる範囲で継続して実施することが大切です。
ポピュラーな方法としては、ゴムボールを使ったエクササイズがあります。つかんで握り、緩める動作を繰り返します。また、小さな棒を指でつまむ動作を繰り返すのもトレーニングとして効果があります。親指と人差し指のみでなく、様々な指を使って行うのがポイントです。
手根管症候群には手術後の継続したリハビリが重要!専門家の指導のもと実践
手根管症候群の症状改善を図るには、継続して正しいリハビリを実践することが大切です。決して自己判断で行うのではなく、専門家の意見を聞き指導を受けながら継続して行うようにしましょう。
継続して段階を経て実践することが重要
手根管症候群のリハビリは、根気よく継続して実施することが大切です。また、症状の進行段階に応じた正しい動作をすることも重要です。近年は、リハビリに関する情報が非常に多いため、自分で効果的な方法を見つけて試したいと考える方も多いかもしれません。
しかし、誤ったリハビリを行うことにより、症状回復どころか逆に悪化させてしまう可能性もあります。進行段階に応じた正しいリハビリを継続して実施するためには、専門家の指導を受けながら行うのが一般的です。
必ず専門家の指導のもと実施する
手根管症候群のリハビリは、かかりつけの病院やクリニックなど、専門家の指導のもとで実施しましょう。専門家は、病状やリハビリに関する専門的な知識と技術を持っているため、病状の進行段階に応じた適切な動作を提案してくれます。
近年はリハビリ専門のクリニックも増えているため、積極的に活用すると良いでしょう。症状を効率よく改善するため、継続して正しい動作のリハビリを専門家の指導の下行いましょう。
まとめ:手根管症候群の治療には手術後に適切なリハビリを実施する
手根管症候群は、原因ははっきりと分からないことが多い病気で、女性の方が発症例が多いとされています。発症例が多い病気であるとも言われているため、あらかじめ症状や対処法について知っておくと安心です。
手根管症候群の症状改善には、リハビリが有効です。症状の進行段階に応じた適切なリハビリを行いましょう。自己判断で行うのではなく、専門家の指導を受けながら継続して実践するのが一般的です。