NEXTSTEPS リハビリお役立ちコラム 脳梗塞の余命はどれくらい?再発リスクと、その後の生活をどう考えるか

脳梗塞の余命はどれくらい?再発リスクと、その後の生活をどう考えるか

脳梗塞の余命はどれくらい?再発リスクと、その後の生活をどう考えるか

脳梗塞後に何年位生きられるのか気になっている方に向けて、平均余命や再発を予防する治療、生活習慣のポイントについて解説します。

脳梗塞の半身麻痺や言葉が出にくいなどの症状は生活に大きく影響します。

脳梗塞の再発予防法を知り、脳梗塞になっても可能な限り自立して健康に過ごしたいですね。

脳梗塞の余命は何年位?生存率や再発率についても解説

画像

脳梗塞の種類と余命について説明します。脳梗塞の生存率や再発率についても知ることで、再発予防の重要性が分かります。

脳梗塞の余命とは

脳梗塞は脳の血管が詰まって血流が低下し、脳神経細胞の機能障害が起きます。「余命」とはこれから先に残っている命です。

脳梗塞は脳卒中のひとつで、他に脳内出血やくも膜下出血が含まれます。脳卒中のうち7割が脳梗塞です。

脳梗塞の種類は主に3つです。

➀心原性脳塞栓症…心臓内にできた血の塊(血栓)が血流にのって脳血管を閉塞させて起きる。原因は心房細動であることが多く、症状が重くなりやすい。

②アテローム血栓性脳梗塞…頸動脈や脳血管に血の塊ができるため起こる。動脈硬化が原因で、症状が進行しやすいことが特徴。

③ラクナ梗塞…脳の微小血管が詰まって起こる脳梗塞で、長期の高血圧が原因。

参考:京都大学附属病院脳神経外科「脳梗塞」

脳梗塞の平均余命|生存率や再発率は?

日本人の健康な50歳男性の平均余命は28.9年、50歳女性の平均余命は35.0年です。

脳梗塞発症者の場合、50歳男性の平均余命は20.9年、50歳女性の平均余命は30.8年と短くなります。男女とも健康な日本人の平均余命より10年程度短いです。

65歳未満および65歳以上75歳未満の生存率を比較した結果、脳梗塞死亡の5年9か月後の生存率は65歳未満は96.5%です。65歳以上75歳未満は90.3%でした。

脳梗塞発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の再発が報告されています。再発時は初発に比べて重い後遺症が残る可能性があり、再発予防が重要です。

脳卒中による死亡率は全体の第4位で低下傾向です(令和4年)。一方、要介護になった原因は認知症に次いで第2位で、19%を占めます(令和4年)。

参考:鈴木一夫「秋田研究脳卒中の予後」

参考:栃木県保健環境センター年報「脳卒中発症登録者(2011年)に対する生命予後の検討」

脳梗塞の余命を伸ばしたい…再発の前兆や予防のための治療は?

画像

脳梗塞の前兆と言われる一過性脳虚血発作や、再発予防のための治療についてお伝えします。脳梗塞の余命を伸ばすためには再発予防の方法を知りましょう。

再発の前兆|一過性脳虚血発作(TIA)

一過性脳虚血発作は脳卒中の前触れと言われ、発症後早期に脳梗塞を起こす可能性が高いです。一過性脳虚血発作発症後、3か月以内に15~20%もの患者さんが脳梗塞になります。そのうち半数は2日以内に脳梗塞を発症。

一過性脳虚血発作を早期発見・治療すれば、脳梗塞になるリスクを下げられます。症状は次のとおりです。

・運動障害…身体の片側が動かない、手足に力が入らない。

・構音障害…ろれつが回らない。

・失語…言葉が出ない、理解できない。

・感覚障害…半身のしびれ、感覚がにぶる。

・同名半盲…視野の半分が欠ける。

・一過性黒内障…片目が見えなくなる。

意識障害や嘔吐を伴う突然の激しい頭痛がある場合は、早急に救急車を呼んで受診しましょう。

脳梗塞の再発を予防する治療を継続

脳梗塞の再発予防には薬の継続服用が重要です。

抗血小板薬は動脈硬化で起きる血栓を予防します。血を固まりにくくする作用があります。プラビックス、プレタール、バイアスピリンなどが抗血小板薬です。

抗凝固薬は静脈や心臓内にできる血栓を予防します。ワーファリン、プラザキサ、イグザレルトなどがあります。

抗血小板薬や抗凝固薬の副作用は、出血しやすくなることです。歯ぐきからの出血や鼻血が止まらない、便が黒くなる、抜歯や手術の予定があるなどの場合は、主治医に相談が必要です。

処方された薬は用法と用量を守り、自己判断で中断や調整はしないようにしましょう。市販薬を飲む場合は主治医や薬剤師に相談します。

参考:京都大学医学部付属病院「脳卒中の再発予防」

定期受診…再発の危険因子を管理

脳梗塞の再発予防には動脈硬化の危険因子管理が重要です。かかりつけ医を定期受診しましょう。生活習慣改善と必要に応じて薬で治療をします。

高血圧の管理はもっとも重要で、塩分を控えながら目標値に近づけます。診察時の目標血圧は130~140/80~90mmhg以下です。

脂質異常症は血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎる病気です。放置するとじょじょに血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化につながります。LDLコレステロール値は120mg/dl未満を目安にします。

糖尿病は年齢や低血糖の危険性などを考えて、個別で治療目標を決定。HbA1c値は7.0未満程度を目標にします。

脳梗塞再発予防のため年1回は専門病院を定期受診し、CTやMRI、頸動脈エコー検査の実施が望ましいです。

再発を防ぐために、日常で見直されやすいポイント

文章だけだと整理しづらいため、
脳梗塞後の再発予防でよく話題に上がる生活習慣を、一度まとめて整理します。

※「できていない=悪い」ではなく、
「どこが気になっているかを言葉にするための整理」という位置づけチェックです。

■ 再発予防のために見直されやすい生活習慣

  • 塩分の摂取量が多くなっていないか
  • 血圧や血糖値を定期的に確認できているか
  • 喫煙や飲酒の習慣をそのままにしていないか
  • 外出や歩行の機会が極端に減っていないか
  • 処方された薬を自己判断で中断していないか

脳梗塞|余命を健康に生きる…再発を予防する生活習慣とリハビリ

画像

脳梗塞再発を予防する食生活とリハビリについてお伝えします。脳梗塞の予防ができる習慣

を取り入れ、可能な限り健康に余命を生きましょう。

【食生活】脳梗塞の再発を予防

脳梗塞を予防する食生活の原則は、減塩、バランスよく食べる、アルコールは適量です。

高血圧患者さんの場合、1g/日の食塩を減らすと1mmHg強の血圧低下が見込めます。日本人の平均食塩摂取量は1日あたり10gですが、6gに減らすことが目標です。

減塩のポイントは次の4つです。

➀めんの汁は残し、具(野菜)を増やす。

②かつお節や煮干しなどのだしを活用する。

③減塩調味料を選ぶ。

④香辛料や香味野菜を取り入れる。

塩蔵品やインスタント食品、スナック菓子は塩分が多いため控えめにしましょう。

主食、主菜、副菜はバランスよく食べます。野菜や果物、海藻は高血圧や動脈硬化を予防します。果物は糖分が多いため控えめにしましょう。

過度の飲酒は血圧を上げて脳梗塞のリスクを高めます。アルコール摂取の適量は20g/日までです。日本酒は1合、ビール350~500ml、ワイン180mlが目安です。

適度な運動と後遺症へのリハビリが重要

脳梗塞の再発予防には適度な運動が望ましいです。かかりつけ医や理学療法士と相談しながら、ウォーキングや自宅でできる簡単な体操を行います。

脳梗塞後遺症に対するリハビリは、脳の機能回復、残された機能強化、環境整備がポイントです。例えば右手の麻痺がある場合はリハビリで機能回復を促します。残された左手の機能も強化して生活しやすくします。右手に力が入らなくても使えるものや握りやすいドアノブなどを取り入れて環境整備。

リハビリは動作練習やトレーニングだけでなく、病後の生活をよりよくすることが目的です。

FAQ:よくある質問

Q. 脳梗塞の余命は、何で決まるのですか?

A.脳梗塞後の余命は、ひとつの要因だけで決まるものではありません。

視点影響の考え方
発症時の重症度麻痺や言語障害の程度だけでなく、回復までにかかった時間も影響すると考えられています
再発の有無再発を経験すると、生活の制限や体力低下が重なりやすい傾向があります
持病の管理高血圧・糖尿病・脂質異常症などの管理状況が重要視されることが多いです
リハビリの継続機能回復だけでなく、活動量や生活リズムの維持にも関わるとされています
生活習慣食事・運動・睡眠などが、長期的な体調や再発リスクに影響する可能性があります
複数の視点が重なり合う要素

一般的には、発症時の重症度、再発の有無、持病の管理状況、リハビリの継続度、生活習慣などが複合的に影響するとされています。
そのため「何年生きられるか」を一律に示すことは難しく、その人の経過や生活背景によって大きく変わるのが実情です。

Q. 年齢が若いと、脳梗塞の余命は長くなりますか?

A.若いから必ず余命が長い、というわけではありません。
回復力やリハビリへの適応が高いとされる一方で、再発予防や生活習慣の管理が不十分だと影響を受けることもあると考えられています。
年齢だけで判断せず、経過全体を見ることが大切です。

Q. リハビリは余命に影響しますか?

A.リハビリは直接「余命の年数」を決めるものではありませんが、
生活機能の維持や再発リスクの低下につながる可能性があるとされています。
結果として、その後の生活の質や過ごし方に影響する要素のひとつと考えられます。

Q. 脳梗塞後の再発率は、どれくらいと考えられていますか?

A.脳梗塞の再発率は、研究や条件によって幅がありますが、数年以内に一定割合で再発が起こる可能性があると報告されています。
特に高血圧や糖尿病などの持病管理が不十分な場合、再発リスクが高まるとされることが多く、治療や生活習慣の継続が重要と考えられています。

Q. 脳梗塞の余命に影響すると考えられている治療はありますか?

A.特定の治療だけで余命が決まるわけではありませんが、再発を防ぐための薬物治療や定期的な医療フォローは、その後の経過に影響すると考えられています。
治療内容そのものよりも、中断せず続けられているかどうかが大切な視点になることが多いです。

Q. 生活リズムを整えることで、余命にどの程度影響がありますか?

A.生活リズムの改善が直接「何年延びる」と示されることはありません。
ただ、睡眠・食事・運動のリズムを整えることで再発リスクを下げる可能性があるとされており、結果的にその後の生活の質や安定につながると考えられています。

Q. 再発予防の具体的な数字目標はありますか?

A. 生活習慣改善に取り組む際、明確な数字が目標になることもありますが、
「塩分を控える」「体重を維持する」などの基準は人によって異なります。
個別の目安については主治医と相談することが大切です。

要因再発リスクの傾向
高血圧人口の多くでリスク上昇傾向
糖尿病循環器系負荷が重なる可能性
喫煙再発リスクとの関連が指摘されることが多い
運動不足生活習慣病との重なりで懸念
再発リスクを数値で整理する表

まとめ|脳梗塞の余命は何年位?

画像

想像してみてください。楽しく友達と遊び、家族と笑い合う毎日。しかし、ある日突然、体が思うように動かなくなったらどうでしょうか?これは誰にでも起こり得る「脳梗塞」という病気です。

今回は、脳梗塞の平均余命再発予防の必要性、そして再発を防ぐための習慣についてお話ししました。

脳梗塞になると、健康な人に比べて平均して10年も寿命が短くなります。さらに、脳梗塞は再発しやすく、寝たきりの原因にもなります。だからこそ、再発を予防することがとても大切です。

では、どうすれば再発を防げるのでしょうか?治療を続けることと、生活習慣を改善することが鍵です。具体的には、塩分を控えた食事バランスの良い食事、そしてお酒は適量にすることが重要です。これらは、脳梗塞の再発を防ぐための基本的な食生活のルールです。

また、後遺症に対するリハビリを続けることで、体の機能低下を最小限に抑えることができます

自分や大切な人がこれからも元気に過ごせるように、今日からできることを始めてみませんか? 小さな一歩が、明るい未来への大きな一歩になります。

  • facebookでシェア
  • Xでシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ご相談・お問い合わせ

初めてでも大丈夫です。
改善の一歩は無料体験から始まります。

お電話はこちらから

03-6869-0323

[受付時間]9:00~18:00(土日祝を除く)

×

体験プログラム 0

改善の一歩は無料体験から始まります

×

受付中

あなたの症状、お悩みをお聞かせください

[受付時間]平日9:00~18:00