Q.
リハビリで痛みが出るのはなぜですか?
リハビリで痛みが出る理由はいくつかあり、新しい刺激を入れることによって殆どの人が筋肉の痛みが生じます。
「リハビリは痛い」。これは、怪我や手術の後にリハビリテーションを受けた人なら誰もが実感する言葉ではないでしょうか。せっかく治療が終わったのに、また痛みに耐えなければならない。そんな疑問や不安を抱えながら、リハビリに臨む方は多いのではないでしょうか。
しかし、リハビリで感じる痛みには、実は大切な意味があるのです。それは、身体が回復へと向かっているサインなのです。
私たちの身体は、驚くべき治癒力を持っています。怪我をすれば自然と修復が始まり、手術を受ければ傷跡が徐々に塞がっていきます。しかし、その過程は決して楽ではありません。損傷を受けた組織は、修復のために炎症反応を起こします。炎症は、痛みや腫れ、熱感などの症状を引き起こしますが、これは身体が治癒に必要な細胞を送り込んでいる証なのです。リハビリで痛みを感じるのは、この炎症反応が活発化している状態だと言えるでしょう。
また、怪我や手術によって可動域が制限された関節は、リハビリによって少しずつ動かされることになります。長い間動かさなかった関節を動かすのは、痛みを伴うものです。筋肉も同様で、怪我をすると固定されている間に衰えてしまいます。リハビリではこの衰えた筋肉を徐々に鍛えていくことになりますが、不慣れな運動は痛みを伴うことが多いのです。
しかし、この痛みは決して無駄ではありません。適度な痛みは、身体に適度な刺激を与え、組織の修復や筋力の回復を促してくれるのです。リハビリの過程で感じる痛みは、「身体が回復に向けて動き出した」というサインなのだと、前向きに捉えることが大切なのかもしれません。
ただし、リハビリの痛みが強すぎる場合は要注意です。痛みには、炎症などの生理的な反応によるものだけでなく、神経が過敏になることで生じるものもあります。これを中枢性感作と言います。痛みが長期化すると、本来は痛みを感じない程度の刺激でも痛みを感じてしまうようになるのです。このような痛みは、リハビリを妨げる可能性があります。
リハビリに携わる理学療法士は、患者さんの訴える痛みに真摯に耳を傾け、その原因を見極める必要があります。そして、痛みを和らげながらも、適度な刺激を与えられるようなリハビリプログラムを立案することが求められます。
患者さん自身も、リハビリの痛みと上手に付き合っていくことが大切です。痛みを感じたからといって、リハビリを避けてしまっては、かえって回復が遅れてしまうかもしれません。かと言って、痛みを無理に我慢し続けるのも良くありません。痛みの程度や性質を、リハビリスタッフにしっかりと伝えることが重要なのです。
リハビリの道のりは、決して平坦ではありません。痛みという荒波に打たれながら、ゆっくりと前へ進んでいく。しかし、その先には必ず、再び自由に動ける喜びが待っているはずです。
リハビリで感じる痛みは、身体が回復へ向かって動き出したサイン。その痛みと向き合い、乗り越えていくことが、リハビリの本当の意味なのかもしれません。
リハビリは、正しい刺激を与えて「本来の動きやすいお体にするべき施術」を行いますので、普段発動していない筋肉に刺激が入ると、何かしら筋肉からの目覚めたリターンが数日筋肉痛などで戻ってきます。新しい刺激はお体を回復する過程において、必要なプログラムとなりますので、ご自身の状態に合わせてセラピストが限りなく痛みが少ないよう調整します。
回復への道のりは、一人一人異なります。しかし、その過程で感じる痛みの意味を理解し、前向きに捉えることができれば、きっと一歩ずつ前へ進んでいけるはずです。
リハビリは、痛みとの戦いでもあります。しかし、その先には、新しい自分との出会いが待っているのです。だからこそ、リハビリに臨む一人一人が、痛みに負けずに、自分の回復の物語を紡いでいってほしいと思うのです。