痛みから解放!関節痛の種類別原因と治療法、リハビリ・運動方法まとめ
2023.04.25
関節の痛みは、日常的な動作に支障をきたすばかりか、精神的な苦痛でもありますよね。しかし、適切なトレーニングやリハビリをおこなうことで、痛みを軽減したり、これまでの生活を取り戻したりすることができます。
そこで今回は、関節の痛みをともなう病気の種類と、関節痛のリハビリ・治療法についてご紹介したいと思います。筋力訓練と可動域訓練、柔軟性を高める訓練が効果的です。
また、普段の生活をちょっと意識することで関節痛の予防になります。そのポイントも、ぜひご参考ください。
目次
関節痛はリハビリで治せる!?痛みが起こる原因とは?
関節の痛みには、さまざまな病気が隠れていることがあります。ここでは、関節痛の症状が見られる原因や病気の種類をみてみましょう。病気の種類によっては関節痛のリハビリではなく、早期に発見して治療が必要なこともあります。
関節の痛みが起こる原因や病気
関節の痛みをともなう病気や原因には次のようなものがあります。
・関節リウマチ
身体の免疫異常によって関節が炎症を起こします。30代〜50代の女性に多くみられます。左右対称に、手足の関節の腫れや痛みが出ることが特徴。放っておくと関節の機能が低下し変形してしまうため、早期治療が必要です。
・痛風(高尿酸血症)
尿酸値が高い男性に多く発症します。普段は無症状ですが、発作が起こると足指の関節に痛みを感じます。痛風を予防するため、生活習慣の改善が求められます。
・化膿性関節炎
関節のなかへ細菌が侵入し、化膿している状態です。関節の腫れや痛みのほか、発熱などもみられることが多いです。
加齢による変形性関節症とは?
上記のような病気ではなくても、加齢や病気が原因で加齢や病気が原因で筋力が衰えたり、関節を動かすと痛みが発生したりする症状もあります。運動器症候群(ロコモティブシンドローム)です。将来、介護が必要となるリスクも高くなるため、関節痛のリハビリが必要です。
なかでも、変形性関節症は、関節にある軟骨部分がすり減ってなくなることで骨同士がぶつかり合い、激しい痛みを引き起こします。
変形性関節症が起こりやすい人
変形性関節症は、40代以降に発症することが多いです。原因のひとつに加齢がありますが、それだけではありません。女性は男性と比べて、約1.5〜2倍の発症率です。また、膝に負担がかかる仕事をしている人や、体重が多い人、O脚の人、スポーツでケガをしやすい人も発症リスクが高いといわれています。
膝の関節痛におけるリハビリや治療にはどんな方法があるの?
関節痛のリハビリや治療にはどんな方法があるのでしょうか。ここでは、変形性関節症のなかでも、膝の関節に症状がみられる場合に効果的な方法をご紹介します。
ストレッチで柔軟性を高める
膝の痛みを避けるため安静にしている期間が長くなると、関節周辺の靭帯や筋肉が硬くなってしまいます。関節の可動域を広げる訓練が必要です。
・膝の筋肉を伸ばす
仰向けに寝転がり、片方の膝を両手で抱えながら、胸のほうに引き寄せます。そのさい、脚の力で引き寄せるイメージで、手はあくまでも添えるだけ。左右ともに10回繰り返します。
・膝の曲げ伸ばし
両足が床につくようにイスに座ったら、片方ずつつま先を真上にして持ち上げます。痛みのない範囲で膝を曲げて下すのを繰り返します。
筋力強化のトレーニング
・大腿四頭筋のトレーニング
膝を支える筋肉のなかでも、とくに膝上太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えます。長座位になって片側の膝の下に丸めたタオルを敷き、もう片方の膝は軽く曲げる。タオルを押しつぶすように力を入れて5秒キープして5〜10回繰り返しおこなう。
・ハムストリングのトレーニング
太もも裏側にあるハムストリングを鍛えると、膝の曲げ伸ばしがスムースになります。うつ伏せの状態から両足を揃え、3秒かけてかかとをお尻につけるようにする。また3秒かけてかかとを下ろすのを10回繰り返す。
負荷が少ない水中でウォーキング
また、関節痛のリハビリとして有酸素運動もおすすめです。誰でも手軽にできるウォーキングもよいですが、過度のトレーニングは膝の軟骨をよりすり減らしてしまう危険性もあります。
負荷が少ない水中でのウォーキングがよいでしょう。水中には抵抗があるため、ゆっくりした動作でも、普段使わない筋肉を使うことができます。
関節痛のリハビリとあわせて普段の生活から予防しよう
関節痛はリハビリも大切ですが、予防することも意識してみるとよいでしょう。ここでは、普段の生活のなかで取り入れたい予防法をご紹介します。
正しい姿勢を心がける
正しい姿勢でないために、膝の関節痛を引き起こすことも知られています。猫背と反り腰の2つのタイプです。猫背タイプは、骨盤が後ろに傾いた状態で、がに股歩きの人に多くみられます。反り腰タイプは、骨盤が前傾で、内股歩きの女性に多いようです。
どちらも膝に大きな負担をかけてしまうため、低下した筋力トレーニングと合わせて、正しい姿勢を心がけましょう。また、正座や前傾姿勢、膝を曲げた立ち方も、関節痛の原因となります。
体重をコントロールする
関節痛と大きく関係しているのが体重です。歩くときは体重の2倍から3倍、階段の昇り降りにいたっては7倍ちかくの負荷がかかるといわれています。膝にかかる負担を考えると、体重のコントロールはとても大切です。膝が痛むと運動不足になりがちなので、さらに体重が増えてしまう危険性もあります。健康な食生活と適度な運動の習慣を身につけましょう。
関節を冷やさない
関節を冷やしてしまうと、周囲の筋肉や腱がこわばって硬くなります。また、血行も悪くなるため、ちょっとした動作でも筋肉に疲労がたまってしまうでしょう。
毎日の入浴では湯船に浸かるようにしたり、関節を温めるサポーターを利用したりすると、冷えから守ることができます。ただし、関節に炎症を起こしているときには、温めるのではなく、冷やすようにしなければいけません。
まとめ
関節痛をともなう病気は、関節リウマチや痛風、化膿性関節炎、変形性関節症などです。なかでも、変形性関節症はそのまま放置しておくと、運動器症候群を引き起こし、要介護のリスクも高くなってしまいます。ですから、適切な関節痛のリハビリや治療が大切です。
関節痛のリハビリでは、筋力トレーニングと関節の可動域訓練、柔軟性を高めるストレッチをおこないます。また、普段の生活のなかで、正しい姿勢や食事・運動を心がけると予防にもなります。辛い関節の痛みを克服して、健康な毎日を送りましょう。